国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.10(2020.05.13)を発表した。
注目記事
【EFSA】農薬:初の累積リスク報告書を発表
欧州食品安全機関(EFSA)は、食品に含まれる複数の残留農薬がヒトの健康に及ぼすリスクについて、2つのパイロット評価の結果を発表した。検討したのは、甲状腺系の慢性影響と神経系への急性影響である。この評価はEFSAとオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)との複数年にわたる共同研究の集大成である。2つの評価の全体的な結論は、食事からの累積暴露による消費者リスクは、対象となった全ての人口集団で規制措置を行う指標となる閾値以下だということである。
※ポイント:EFSAは、残留農薬の累積暴露に関する評価について10年くらい前からずっと検討しており、その最初となる評価報告書が発表されました。EFSAは先に評価のための方法論について取り組み、同様の毒性影響がある農薬を同定して、累積暴露の対象となる農薬をグループ化するという方法を以前に検討しました。今回もその方法により分類された農薬グループを対象に評価しています。
【FSANZ】輸入食品に関するFSANZの助言
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、輸入される食品のリスクを評価し、農業・水・環境省に助言を提供している。農業・水・環境省は、オーストラリアの公衆衛生および安全性の要件を満たすことを確認し、Australia New Zealand Food Standards Codeへの準拠を保証するために輸入食品を検査している。FSANZはこれまでに実施した輸入食品のリスク評価文書の一覧を公開した。
※ポイント:食品ごとに検査対象となる代表的な汚染物質を示し、そのリスク評価の概要がまとめられていてよい参考となります。FSANZのウェブサイトに掲載された表に各評価書へのリンクが貼られています。
【ANSES】ANSESはエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーに注意を呼びかける
「ウイルス駆除」や空気を「浄化」する能力があるとされるエッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーが次第に家庭に増えている。フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、中毒管理センターに報告されたエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーによる中毒事例と、その他の関連情報のレビューから有害影響が生じる可能性について検討した結果、それらの製品の使用による有害影響、主に目、喉、鼻の炎症や呼吸器系への影響が明らかになった。結果の概要と使用する際に取るべき予防策についての助言を提供した。
※ポイント:ANSESは、通常使用のスプレーによる吸入だけでなく、COVID-19の予防になると誤って信じたエッセンシャルオイルの経口摂取やマスクの消毒に利用することのリスクについても注意を呼びかけています。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.10(2020.05.13)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202010c.pdf
今号の目次
【EFSA】農薬:初の累積リスク報告書を発表
欧州食品安全機関(EFSA)は、食品に含まれる複数の残留農薬がヒトの健康に及ぼすリスクについて、2つのパイロット評価の結果を発表した。検討したのは、甲状腺系の慢性影響と神経系への急性影響である。この評価はEFSAとオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)との複数年にわたる共同研究の集大成である。2つの評価の全体的な結論は、食事からの累積暴露による消費者リスクは、対象となった全ての人口集団で規制措置を行う指標となる閾値以下だということである。
※ポイント:EFSAは、残留農薬の累積暴露に関する評価について10年くらい前からずっと検討しており、その最初となる評価報告書が発表されました。EFSAは先に評価のための方法論について取り組み、同様の毒性影響がある農薬を同定して、累積暴露の対象となる農薬をグループ化するという方法を以前に検討しました。今回もその方法により分類された農薬グループを対象に評価しています。
【FSANZ】輸入食品に関するFSANZの助言
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、輸入される食品のリスクを評価し、農業・水・環境省に助言を提供している。農業・水・環境省は、オーストラリアの公衆衛生および安全性の要件を満たすことを確認し、Australia New Zealand Food Standards Codeへの準拠を保証するために輸入食品を検査している。FSANZはこれまでに実施した輸入食品のリスク評価文書の一覧を公開した。
※ポイント:食品ごとに検査対象となる代表的な汚染物質を示し、そのリスク評価の概要がまとめられていてよい参考となります。FSANZのウェブサイトに掲載された表に各評価書へのリンクが貼られています。
【ANSES】ANSESはエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーに注意を呼びかける
「ウイルス駆除」や空気を「浄化」する能力があるとされるエッセンシャルオイルベースのスプレーやディフューザーが次第に家庭に増えている。フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、中毒管理センターに報告されたエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーによる中毒事例と、その他の関連情報のレビューから有害影響が生じる可能性について検討した結果、それらの製品の使用による有害影響、主に目、喉、鼻の炎症や呼吸器系への影響が明らかになった。結果の概要と使用する際に取るべき予防策についての助言を提供した。
※ポイント:ANSESは、通常使用のスプレーによる吸入だけでなく、COVID-19の予防になると誤って信じたエッセンシャルオイルの経口摂取やマスクの消毒に利用することのリスクについても注意を呼びかけています。
【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. COVID-19と食料安全保障について
2. Codex
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. 農薬:初の累積リスク報告書を発表
2. 国のリスク評価活動のためのウェブアプリケーション
3. EFSAの科学的評価のプロトコル作成のための枠組み案
4. 飼料添加物関連
【FSA】
1. 新興テクノロジーに対する消費者の考え方
2. 料理クラブ及びフードバンクの食品安全
3. 食品配達に関する食品安全
4. 食品とZ世代
5. リコール情報
【DEFRA】
1. 環境大臣のCOVID-19についての声明
【MHRA】
1. 英国医薬品規制機関の上級執行助言者はニセのあるいは未承認のコロナウイルス(COVID-19)治療薬を購入しないよう警告
【BfR】
1. 消費者モニターへのアンケート調査
【ANSES】
1. ロックダウン中に食事から十分なビタミンDを摂るように
2. ANSESは身体の免疫反応を低下させる可能性のあるフードサプリメントを使用しないよう警告
3. ANSESはエッセンシャルオイルベースのスプレーとディフューザーに注意を呼びかける
【FSAI】
1. 未承認の農薬及び高濃度の農薬のためDurra Pickled Grape Leavesを撤収措置
【Ruokavirasto】
1. 食習慣が重金属摂取に影響する
【FDA】
1. COVID-19更新
2. 裁判所はCOVID-19治療法と虚偽の宣伝をしている銀製品の販売を停止するよう命令
3. コロナウイルスパンデミック期間の良い栄養と更新栄養成分表示を使うコツ
4. 植物製品安全性コンソーシアムは5月に初回会合
5. 警告文書
【NTP】
1. TR-598Sprague Dawley(Hsd:Sprague Dawley SD)ラットへの混餌投与パーフルオロオクタン酸の毒性及びがん原性試験
【USDA】
1. USDA APHISは遺伝子改変トウモロコシの規制解除申請を公開
【FTC】
1. COVID-19関連
【CBC】
1. カナダ産業省競争政策局はCOVID-19の予防、治療を謳う不正販売を取り締まる
【FSANZ】
1. 輸入食品に関するFSANZの助言
【TGA】
1. 安全性警告
【香港政府ニュース】
1. 台湾政府による情報
2. 食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する
3. 違反情報
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 輸出支援のための「畜産物輸出ガイド」発刊
3. クコの実、輸入者が自ら安全性を立証すれば輸入可能
4. 消費が急増する「家庭簡便食」安全レベルの診断
5. 農産物安全管理のための農薬の残留許容基準を大幅に拡大
6. 食品中に微量検出されるプロピオン酸、天然由来と認定
7. 高オレイン酸大豆油食卓に上がる
8. 回収措置
【SFA】
1. リコール情報
【HSA】
1. HSAは詐欺的COVID-19関連の宣伝をしていた1,700以上の健康製品をリストアップし1,600以上の個人や企業に警告
【FSSAI】
1. メディアコーナー:FSSAIは州知事にロックダウン中に食品検査室を機能させるよう手紙を書く
【その他】
・(ProMED-mail)メタノール中毒-イラン(第2報):不適切な噂に基づくCOVID-19治療法
・(ProMED-mail)COVID-19更新(第145報)–米国:自家製レメディ、漂白剤/家庭用クレンザー
・(ProMED-mail)麻痺性貝毒中毒 米国(ワシントン)
・(EurekAlert)英国のコメの半分は子どものヒ素基準違反、科学者が警告
・(EurekAlert)粘土層と遠隔揚水がバングラデシュの地下水のヒ素汚染の引き金を引く