国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.01(2020.01.08)を発表した。
注目記事
【ドイツ】アルミニウム摂取量とリスク評価
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)は現在、初めて、さまざまな年齢集団(乳児、子供、青年、成人)の総アルミニウム摂取量を推定し、リスク評価を行っている。さらに、総アルミニウム摂取量の各供給源の寄与を集団別に互いに比較した。アルミニウム化合物を多量摂取すると、とりわけ、神経毒性発達障害や腎臓、肝臓、骨の損傷の原因となりうる。
BfRは最新の摂取量及び濃度データについて、各集団における食品由来のアルミニウム摂取量の評価基準を定めた。摂取量データは消費者調査によって集められ、どの食品が、どのくらい、それぞれの消費者集団に食べられているかの情報を提供した。
消費者は自らのアルミニウム摂取量に影響を与えることができる。食品に関しては、BfRは、製品やブランドを変えていろいろなものを食べることを推奨する。これは、個々の高濃度に汚染された製品が引き起こす恒久的なアルミニウム多量摂取のリスクを減らすことにつながる。
【カナダ】ハロウィン用菓子のアレルゲンとグルテン
カナダ食品検査庁(CFIA:Canadian Food Inspection Agency)は、ハロウィン用のキャンディとチョコレート製品中の非表示のアレルゲンとグルテンの存在や量に関するベースライン情報を得る目的で調査を行った。検査した356のサンプルのうち10に、非表示のアレルゲン、具体的にはβ-ラクトグロブリン(BLG)とカゼインが含まれることがわかった。陽性の結果についてはフォローアップのため食品安全リコールオフィス(OFSR)に伝えられ、表示されていないBLGとカゼインの両方を含む4製品は健康リスクとなるとみなされリコールされた。
食物アレルギーは全年齢の人々に影響を与える可能性があるが、とくに子供にはよくある。また、アレルゲンとはみなされなくても、非表示のグルテンはセリアック病やグルテンに感受性が高い人には、慢性的な健康問題の原因になる可能性がある。
企業は、適用できる特定のカナダの規則に従うか、あるいはその量を合理的に可能な限り少なく保つことで、生産された食品はヒトが摂取するのに安全だと保証しなければならない。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.01(2020.01.08)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202001c.pdf
今号の目次
【WHO】
1.国際がん研究機関
【EC】
1.食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1.食品と接触する物質に使用するフタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル) (DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)のリスク評価の改訂
2.EUメニューオーストリア:オーストリアの青年、成人、妊婦の食品摂取量データ
3.EFSA プロジェクト OC/EFSA/GMO/2017/01「In vitroタンパク質消化性」(Allergestion)に関する報告書
4.RiskBenefit4EU –全体的アプローチを用いてEU内のリスクベネフィット評価を強化するための提携
5.食品添加物関連
6.農薬関連
7.飼料添加物関連
【BfR】
1.アルミニウムを減らすことは健康リスクの可能性を最小限にできる
2.小さなものの-大きな影響?食品中マイクロプラスチック
【ANSES】
1.フランスに供給されている食品の栄養の質を監視する:新たなOQALI(食品品質観測所)枠組み合意の署名
2.ANSESのINCA3研究の生データが利用可能
【FDA】
1.FDAは一般的な食品供給で得られる食品中のPFASに関する第2次調査の結果を利用可能にする
2.更新:キハダマグロ(アヒ)に関連したスコンブロイド魚中毒の調査、2019 年秋
3.FDAはサービングサイズ、二重カラム表示についての最終ガイダンスを発行
4.FDAはある種のチーズに限外濾過乳を使うことについて意見募集を再開
5.公示
6.警告文書
【USDA】
1.USDAは2018年次農薬データ計画要約を発表
2.肉や家禽、卵の生産に生命工学あるいは遺伝子組換えで作成した成分あるいは動物飼料を使っていないという表示についての更新ガイドライン
3.表示提出のための動物の飼養強調表示を立証するために必要な文書についてのFSIS表示ガイダンス
【CFIA】
1.ハロウィン用のキャンディとチョコレート製品中の非表示のアレルゲンとグルテン―
2018年4月1日~2019年3月31日
【TGA】
1.広告指導:Cat Media Pty Ltd
【MPI】
1.貝のバイオトキシン警告-Waikato/Bay of Plenty 地域のWaihi Beach
【香港政府ニュース】
1.ニュースレター
2.セロリと白菜のサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された
3.中国産クコの葉サンプルに基準値超過の鉛が検出された
4.フィリピン産輸入冷蔵メカジキのサンプルに基準値超過のメチル水銀が検出された
5.セロリのサンプルに基準値超過のカドミウムが検出された
【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2.赤色3号など食用色素4種、コーヒーラテに使用可能
3.国民請願安全検査制、「プロテインサプリメント」の調査結果
4.市販流通の味噌・コチュジャン・醤油など保存料は使用安全なレベル
5.不正乱用動物用医薬品153種を一度の検査で取り除く
6.小型カートリッジ型の亜酸化窒素は購入できない
7.健康機能食品GMP遵守の有無も不意に調査・評価
8.栄養表示に従えば難しくない
9.卵の殻の安全情報、「私の手の中(安)」アプリで確認してください
10.フタル酸ジブチルが基準を超過した輸入マグカップの回収措置
【SFA】
1.日本産食品の輸入要件の変更
【FSSAI】
1.迅速食品検査機器とキットが2020年の食品安全性を再定義する
2.メディアコーナー
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)食中毒-フィリピン:(LAGUNA, QUEZON)致死、メタノール中毒疑い、情報求む
・(EurekAlert)間欠断食:「食を絶って」生き、長く生きる?
・(EurekAlert)ピレスロイド殺虫剤をより詳細に吟味する時