国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.08(2019.04.17)を発表した。
注目記事
【米国】大腸菌O103感染アウトブレイク
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生当局、および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O103感染アウトブレイクを調査している。
2019年4月12日までに、大腸菌O103アウトブレイク株感染患者が6州から計109人報告されている。患者の発症日は2019年3月2日〜26日である。情報が得られた患者81人のうち17人が入院した。死亡者、溶血性尿毒症症候群(HUS)患者はいずれも報告されていない。
2019年3月28日、ケンタッキー州およびジョージア州からCDCに本アウトブレイクが報告され、本アウトブレイクの調査が即日開始された。疫学調査の暫定的結果から、牛挽肉が本アウトブレイクの感染源であると考えられる。
患者が喫食した牛挽肉の販売店およびレストランに牛挽肉を供給した業者を特定するための追跡調査が行われている。現時点では、当該牛挽肉に共通の供給業者、流通業者、ブランドのいずれも特定されていない。
消費者は、牛挽肉の安全な取り扱い方を守り、完全に加熱すべきである。
【米国】カット済みメロン関連のサルモネラ
米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、米国疾病予防管理センター(US CDC)および複数州・地域の当局と協力し、カット済みメロン製品に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイクを調査している。
関連した製品は、カット済みカンタロープ、ハネジュー、スイカなどメロン類のミックス製品で、その他のカット済み果物も含まれている可能性がある。
Caito Foods社(インディアナ州Indianapolis)は、カット済みメロン入りのこれらの製品を、サルモネラ汚染の可能性により回収している。同社は、これらの製品の製造・出荷も一時的に停止している。
FDAはCDCおよび各州の当局と協力して患者からの追跡調査を行い、当該カット済みメロンミックス製品の出荷元がCaito Foods社であることを特定した。FDAは、原材料のメロンについても具体的な供給元を特定するための追跡調査を続けている。
S. Carrauはまれな血清型のサルモネラであるが、過去に輸入メロンから検出されたことがある。Caito Foods社からの報告により、感染源の可能性があるカット済みメロンミックス製品には輸入メロンが使用されたことが示されている。当該メロンの原産国および具体的な生産農場を特定するため、FDAの追跡調査で船積み書類が精査されている。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.08(2019.04.17)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201908m.pdf
今号の目次
【世界保健機関(WHO)】
1. 食品安全に関する第1回国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)/アフリカ連合(AU)国際会議
【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)がカット済みメロンに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイクを調査中(初発情報)
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 志賀毒素産生性大腸菌O103感染アウトブレイク(2019年4月12日、9日付更新情報、5日付初発情報)
2. カット済みメロンに関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイク(初発情報)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:サルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(初発情報)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 科学の本来の構成要素である不確実性
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(09)(08)(07)(06)