国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.06(2019.03.20)を発表した。
注目記事
【カナダ】ボツリヌス菌汚染の可能で瓶入りアメリカウバガイを回収
魚介類の販売店・レストランの「Out of the Blue Fish & Seafood Market」(カナダ、オンタリオ州Bayfield)は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)汚染の可能性があるとして、瓶入り二枚貝(bar clams)製品を回収している。消費者は回収対象製品を喫食すべきではない。
回収対象は当該店で2018年10月1日〜2019年2月28日に販売された瓶入り二枚貝(bar clam)製品である。
回収対象製品の喫食に関連した患者は報告されていない。
本回収は、カナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)の検査結果がきっかけとなって開始された。CFIAは食品安全調査を行っており、これによって他の製品も回収対象になる可能性がある。他の高リスク製品が回収対象となった場合、CFIAは食品回収警報の更新により消費者に通知する予定である。
※編集部註:bar clamsはAtlantic surf clam、アメリカウバガイと考えられます。アメリカウバガイはウバガイ(ホッキ貝)に似ていて、一般的にいって日本でも輸入・利用されている種類の貝です。
【米国】生乳に関連する薬剤耐性ブルセラ属菌への曝露
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)および複数州の保健局は、Miller’s Biodiversity Farm(ペンシルベニア州Quarryville)の生乳(未殺菌)の喫飲に関連して19州で発生した可能性があるブルセラ属菌RB51株(以下RB51)への曝露について調査している。ニューヨーク州でRB51感染患者1人が確認され、上記農場の生乳の喫飲によってRB51に曝露した者が他にもいる可能性があるが、人数は不明である。
2018年11月、Miller’s Biodiversity Farm(ペンシルベニア州Quarryville)から購入した生乳を喫飲したニューヨーク州の住民1人がブルセラ症と診断された。
当該農場の複数の乳検体がRB51陽性であった。乳検体がRB51陽性となった乳牛1頭は搾乳牛群から除外された。
ニューヨーク州の患者は、米国で生産された生乳または生乳製品の喫飲・喫食に関連するRB51感染として確認された3人目の症例である。残りの患者2人のうち1人は2017年10月にニュージャージー州で、もう1人は2017年8月にテキサス州で発生した。これらの患者2人は、それぞれインターネット小売業者およびテキサス州の農場から購入した生乳を喫飲したことを報告した。以上の確定患者3人が曝露した時期に、他に数百人がRB51に曝露した可能性がある。
RB51はブルセラ症の第一選択薬に耐性であり、感染した場合には検査方法が限られ、初期の症状がインフルエンザなどのよくある疾患の症状に似ていることから診断が困難なことがある。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.06(2019.03.20)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201906m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 生乳に関連する薬剤耐性ブルセラ属菌への曝露
2. Gravel Ridge Farms社の殻付き卵に関連して発生したサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(最終更新)
3. 鶏肉に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ感染アウトブレイク(最終更新)
【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 食品回収警報:ボツリヌス菌汚染の可能性により瓶入り二枚貝(bar clams)製品を回収
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 合同迅速アウトブレイク評価:乳児用調製乳の喫飲に関連して複数カ国にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Poona)感染アウトブレイク
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1−1. 家禽群でのサルモネラ対策とその公衆衛生への寄与(科学的意見)
1−2. 欧州連合(EU)域内のサルモネラ症患者数:養鶏分野における現行のサルモネラ
汚染低減目標の再評価(EFSAニュース)
【ProMed mail】
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