国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.21(2018.10.10)を発表した。
注目記事
【米国】平飼い卵に関連のサルモネラ感染アウトブレイク
米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、Gravel Ridge Farms社の殻付き卵に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイクを調査している。
州・地域の保健当局は、患者に対し、発症前1週間の食品喫食歴およびその他の曝露歴に関する聞き取り調査を続けている。すでに聞き取りが行われた29人のうち22人がレストランでの卵料理の喫食を報告した。
FDAおよび複数州の食品規制当局は、これらのレストランに納入された殻付き卵の追跡調査を行った。その結果、患者22人のうち19人が食事をしたレストランにGravel Ridge Farms社(アラバマ州Cullman)が殻付き卵を納入していた。疫学・追跡調査から得られたエビデンスは、同社の殻付き卵が本アウトブレイクの感染源である可能性が高いことを示している。
2018年9月8日、Gravel Ridge Farms社は、Lサイズの平飼い卵にサルモネラ汚染の可能性があるとして、当該製品の回収を発表した。回収対象製品は、アラバマ、ジョージアおよびテネシー各州の食料品店およびレストランで販売または提供された。
【カナダ】冷凍生鶏肉製品などに関連のサルモネラ感染アウトブレイク
カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、複数の州・準州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連してカナダ国内で発生しているサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。
チキンナゲット、チキンストリップ、チキンバーガー、ポップコーンチキン、チキンフライなど、生の鶏肉を含有するパン粉付き冷凍生鶏肉製品を完全に加熱しなかった場合、これらの取扱い・調理・喫食には大きな健康リスクが伴う。この種の製品は加熱済みか軽く火を通してあるように見えるかもしれないが、取扱いや調理には注意が必要である。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.21(2018.10.10)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201821m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Gravel Ridge Farms社の殻付き卵に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2018年10月2日付更新情報、9月10日付初発情報)
2. ペット店の子犬との接触に関連して複数州にわたり発生した多剤耐性カンピロバクター感染アウトブレイク(最終更新)
3. ペットのカメとの接触に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Agbeni)感染アウトブレイク(最終更新)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2018年10月2日付更新情報)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. レジオネラ症に注目
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. NethMap2018:オランダにおける医学的に重要な細菌への抗微生物剤の使用および抗微生物剤耐性に関する報告書/MARAN2018:2017年のオランダにおける種々の動物での抗微生物剤耐性および抗生物質使用のモニタリングに関する報告書
【ProMed mail】
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