国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.10(2018.05.09)を発表した。
注目記事
【米国/カナダ】カナダ産カキのノロウイルス汚染
米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)は、米国疾病予防管理センター(US CDC)、カナダ公衆衛生局(PHAC)、カナダ食品検査庁(CFIA)および州・地域の当局と協力し、カナダのブリティッシュ・コロンビア州産の生カキに関連して複数州にわたり発生しているノロウイルス感染アウトブレイクを調査している。
FDAは、カナダのブリティッシュ・コロンビア州Baynes Soundの南部および中央部で採捕され、ノロウイルス汚染の可能性がある生カキが、カリフォルニア、イリノイ、マサチューセッツ、ニューヨークおよびワシントンの各州に流通していたことを確認した。当該のカキは、カナダから直接または米国内での流通を介して上記以外の州にも出荷された可能性がある。
FDAおよび各州は、当該生カキの出荷先を特定してそれらを食品供給チェーンから確実に除去するために前向き追跡調査を行っている。
カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、連邦・複数州の公衆衛生当局と協力し、ブリティッシュ・コロンビア州産の生カキに関連して3州にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患を調査している。感染源として生カキが特定され、その汚染源が調査中である。
患者の多くが、発症前にブリティッシュ・コロンビア州Baynes Soundの南部・中央部で採捕された生カキを喫食したことを報告した。患者全員の検査はまだ行われていないが、一部の患者の検査でノロウイルス感染が確認された。検査が行われていない患者でも、汚染されたカキの喫食によるノロウイルス感染が疑われる。
汚染源の特定のための食品安全調査が継続されている。漁業法および汚染魚介類管理規則(Management of Contaminated Fishery Regulations)に従い、ブリティッシュ・コロンビア州の当該カキ養殖場は現在採捕が禁止されている。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.10(2018.05.09)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201810m.pdf
今号の目次
【世界保健機関・西太平洋地域事務局(WHO WPRO)】
1. ノロウイルスに関するQ&A
【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)が汚染の可能性があるカナダ産の生カキを避けるよう消費者および小売業者に助言
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. ロメインレタスに関連して複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(2018年5月2日、4月27、25日付更新情報)
2. Coconut Treeブランドの冷凍細切りココナッツに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ感染アウトブレイク(最終更新)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:生のカキの喫食に関連して発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患のアウトブレイク(2018年4月27日付更新情報、4月16日付初発情報)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州食品安全機関(EFSA )、欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州連合(EU)域内のヒト、動物および食品由来の人獣共通感染症細菌と指標細菌の抗菌剤耐性に関する年次要約報告書(2016年)
【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. クラトム(kratom)含有製品の摂取に関連している可能性があるサルモネラアウトブレイクが米国で発生中
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 小さな誤りが致命的結果に:キッチンの衛生管理が食堂やレストランだけでなく家庭でも重要な理由
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報