韓国渡航の潜在的健康リスク

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.04(2018.02.14)を発表した。

注目記事

【WHO西太平洋地域事務局】オリンピックで韓国に渡航する人への助言

 世界保健機関・西太平洋地域事務局(WHO WPRO: World Health Organization Regional Office for the Western Pacific)は、第23回オリンピックおよびパラリンピック冬季競技大会の観戦に出かける人々の健康管理について、各国の保健当局、医療機関および一般市民に対し、潜在的な健康リスクと飲食に関する推奨事項を示している。

潜在的な健康リスクの例
韓国では冬季に呼吸器感染症および胃腸感染症のリスクが上昇する。大会開催中に多くの来訪者が屋内に集まると、感染が拡大するリスクも高まる。
一般的に、多数の人が集まる行事で多くの人が飲食店(その多くは臨時に設置される店である)を利用する場合に、食品・水由来疾患アウトブレイクの発生リスクが高まる。
渡航者の飲食に関する推奨事項の例
韓国の食品安全システムは十分整備されている。しかし、安全ではない食品・飲料による疾患を避けるため、渡航者はそれらに対する予防策をとることが推奨される。
予防策としては、手洗いの励行または殺菌剤の使用によって手指の衛生管理を行うことが挙げられ、これはとくに食品の取扱いや喫食の前には重要である。また、非加熱の食品や、室温に数時間置かれた食品の喫食には注意すべきである。
可能であれば、飲用にはボトル入り飲料水が安全であるが、その場合にも開栓された形跡がないかを確認すべきである。安全性が疑わしい飲用水の場合は完全に沸騰させる。

【WHO】重症の細菌感染症で高レベルの抗生物質耐性が存在

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)が初めて発表した抗生物質耐性に関するサーベイランスデータから、高所得国および低所得国の両者におけるいくつかの重症の細菌感染症で高レベルの抗生物質耐性が存在することが明らかになった。

 WHOが新たに立ち上げたGlobal Antimicrobial Surveillance System(GLASS、グローバル薬剤耐性サーベイランスシステム)のデータによると、抗生物質耐性の出現は世界22カ国の細菌感染疑い患者計50万人に広がっている。

 最も多く報告された耐性菌は、大腸菌、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、黄色ブドウ球菌、および肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)で、サルモネラ属菌がこれらに続いた。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.04(2018.02.14)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201804m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】

1. 最新データは世界的規模で高レベルの抗生物質耐性が見られることを示している

【世界保健機関・西太平洋地域事務局(WHO WPRO)】

1. 2018年オリンピックおよびパラリンピック冬季競技大会で韓国に渡航する人のための健康に関する助言

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. 生のスプラウトに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Montevideo)感染アウトブレイク(初発情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州委員会(EC)】

1. 欧州の食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)の2016年次報告書

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】

1. 台所の適切な衛生管理 - 細菌、ウイルス、寄生虫等による汚染の予防