国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.01(2018.01.05)を発表した。
注目記事
【FDA】根拠のないホメオパシー医薬品から消費者を守る
2017年12月18日、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)は、ホメオパシー医薬品と表示された製品を対象に、新しい、リスクに基づいた法的措置を行っていく方針を示し、そのためのガイダンス案を公表した。 これにより、ホメオパシー療法の名で深刻な疾患や病態に対処できるとして市場に出回りながら、実際には何の臨床的効果を示すことのないものが流通している状況に取り組みやすくなる。また、有害である可能性のある成分を含んでいる製品や、CGMP(Current Good Manufacturing Practice=FDAが定める現行の医薬品適正製造基準)に適合していない製品にも対応しやすくなる。 FDA局長であるScott Gottlieb博士は、「ホメオパシーを謳った製品には、製造が粗悪なもの、活性成分を含むが適切に試験がされておらず、患者への情報開示もされていないものが多く認められる。FDAの規制の取り組みは、ホメオパシー医薬品市場の複雑さに対応するものでなければならず、そのためによりリスクに基づいた対応を行う必要がある」と述べている。
【BfR】母乳哺育のモニタリング
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)の国家母乳哺育委員会は、2017年11月20日、ドイツの母乳哺育データ収集についての情報交換を行う目的で、医療制度に係るさまざまな分野の人々、および調査や政治に係る人々の参加を募り、学際会議を開催した。この会議では、ドイツの標準的な母乳哺育をモニタリングするシステム確立の実現性にも目が向けられた。 参加者全員が、母乳哺育が子供と母親の健康と幸せに好ましい影響を有しているという認識で一致した。生後6カ月間、母乳だけを与えることで、大半の乳児に十分な栄養を提供できる。一方、子供の成長と発育に応じて、早くとも生後5カ月の初めから遅くとも7カ月の初めまでに補完食品を与えた方がよい。また、一般的に、補完食品を導入した後でも母乳を与え続けるべきである。 母乳哺育を効果的に促進するに際し、ドイツにおける哺育習慣に関して、信頼できる情報が求められている。しかし、ドイツでは母乳を与える頻度や期間についての情報は、主に地方レベルでさまざまな方法を使って異なる目的で集められており、そのため、国家母乳哺育委員会は、標準的な国家モニタリング計画の立ち上げを提唱してきた。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(化学物質)No.01(2018.01.05)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201801c.pdf
今号の目次
【EC】 1. グリホサート: 欧州委員会は欧州市民イニシアチブの要求に回答するとともに科学的評価の透明性をより高くすることを表明 2. インフォグラフィクス EUにおける殺虫剤の説明 3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF) 【EFSA】 1. EFSA、イタリア提携先を訪問、カビ毒と気候変動について協議 2. EFSAがどのように遺伝毒性を評価していくかに関する最新情報 【HSE】 1. Behind the Headlines 【BfR】 1. 国家母乳哺育委員会はドイツ人の標準的な母乳哺育のモニタリングに向けた方策を協議している 2. 動物の福祉向上のための新しい選択肢:動物実験へのより深い洞察は目的とする代替手段の開発を促進する 【RIVM】 1. FOODBALL 【ANSES】 1. 幼い子供がボタン電池を飲み込むリスク:事故の際は正しい対応をとること 【FDA】 1. FDAは有害な可能性がある根拠のないホメオパシー医薬品から消費者を守るため、新しい、リスクに基づいた法の執行優先順位を提案 2. より効率的で効果的な食品リコールを支援する取り組みに関するFDA長官Scott Gottlieb医学博士の声明 3. Harvestersは化学物質を含む可能性があるとしてBibi Frutix Candyに関する安全性警告を発表する 4. リコール情報 5. 警告文書 【NTP】 1. Wistar Han [Crl:WI(Han)]ラットとB6C3F1/N マウスにおける三酸化アンチモンの毒性及びがん原性試験(吸入試験) 2. SD [Crl:CD(SD)]ラットに餌で投与したキトサンの毒性試験 【EPA】 1. EPA、グリホサートに関するリスク評価書案を公表 【USDA】 1. 政府の食品表示と企業の表示の両方にトレードオフがある 【NIH】 1. ニュースレター 2018年冬号 2. ODS 鉄イニシアチブの出版物 3. ビオチン 【Iowa】 1. Intelluxの販売業者が、高齢使用者が「劇的に」記憶が改善したという虚偽の宣伝をしてアイオワでの事業を禁止される 【CFIA】 1. ビタミンAとEを含む登録飼料についての暫定コンプライアンス方針 1. Zinsserカビ防止下塗り剤、メーカーが法廷闘争に敗れ強制リコールに 【TGA】 1. 安全性警告 【NSW】 1. リコール:Woodfired Heathcote Sparkling Shiraz 【MPI】 1. 公衆衛生警告-貝のマリンバイオトキシン警告 【香港政府ニュース】 1. オイスターソース製品の不正表示 2. カニで超過濃度のダイオキシンが検出された 【MFDS】 1.日本産輸入食品の放射能検査の結果 2. 採卵鶏農場の卵の検査結果を受けて不適合卵を回収•廃棄 3. 卵加工品の回収,検査不適合による措置のお知らせ 4. インターネット販売食品の虚偽広告・誇大広告にご注意! 5. 食品医薬品安全処長、2018平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会を成功裏に開催するための飲食安全管理準備事項を点検 6. 食品医薬品安全処、年末年始用ケーキなどパン類の製造販売業者の点検結果を公表 【その他】 ・食品安全関係情報(食品安全委員会)から ・(EurekAlert)乳児用ミルクを調整することは子どもの1型糖尿病を予防しない ・(EurekAlert)カルシウム、ビタミンDサプリメントは骨折リスクの低さと関連しない