どう飼育しても生鶏は当たる

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.20(2017.09.27)を発表した。

注目記事

【英国食品基準庁】生の鶏肉の料理を喫食しないよう助言

 英国の新聞デイリー・ミラー(2017年9月9日付)に、生の鶏肉の料理を安全であると考えている人がいることを示す記事が掲載された。これを受けて英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、生の鶏肉を喫食しないように改めて注意を促している。

 生の鶏肉は安全ではなく、食中毒の原因となる可能性がある。生の鶏肉を喫食すると、カンピロバクター、サルモネラおよび大腸菌に感染することがある。感染した場合の症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱などであり、重症化する可能性もある。

 鶏肉を供する前には、全体から湯気が出るまで必ず完全に火を通すべきである。完全に火が通ったかどうかについては、鶏肉の最も厚い部分を切り、湯気が出ていること、ピンク色の部分がないこと、肉汁が透明であることを確認する。

 記事では、良質な条件下で放し飼いにされ、清潔な施設で処理された鶏であれば、あまり食中毒の心配はないと述べられているが、これは正しくない。飼育条件に関係なく、生の鶏肉の喫食は安全ではない。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.20(2017.09.27)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201720m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2017年9月14日付更新情報)
2. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Urbana)感染アウトブレイク(初発情報)
3. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Newport、Salmonella Infantis)感染アウトブレイク(初発情報)
4. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Anatum)感染アウトブレイク(初発情報)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. そのまま喫食可能な(RTE)食品におけるリステリア(Listeria monocytogenes)リスク評価の精度向上を目指して:フードチェーンの各段階で分離された株とヒト由来分離株の全ゲノムシークエンシング(WGS)解析による比較

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が生の鶏肉の料理を喫食しないよう助言

【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. 妊婦、高齢者および免疫機能が低下している人のリステリア感染リスク

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報