国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.19(2017.09.13)を発表した。
注目記事
【ドイツBfR】葉物野菜や葉加工品の病原菌汚染について
葉物野菜や葉加工品は健康的な栄養源として重要だが、ヒトに疾病を引き起こし得る種々の病原菌が混入する可能性がある。一例として、ドイツ産の有機葉物野菜から志賀毒素産生性大腸菌(STEC)が検出されたことがあった。葉物野菜や葉加工品に混入する可能性があるその他の病原菌には、サルモネラおよびリステリアが含まれる。
これらの背景を踏まえ、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、葉物野菜や葉加工品の消費に起因する健康リスクを評価した。BfRは、リスクを最小化するために以下の予防対策を講じるよう消費者に推奨している。
- 生鮮葉物野菜は、生で喫食する前には十分に洗い、なるべく早く使用する。小さく細断した生鮮葉物野菜は、喫食するまで可能ならば7℃以下になるよう保存し、なるべく早く使用する。
- 調製したてのグリーンスムージーは、可能ならば7℃以下になるよう保存し、調製したその日のうちに喫飲する。スムージーに柑橘類やレモン汁などを使用することで強酸性にすれば、病原菌の増殖を遅延もしくは完全に防ぐことができる。
- ハーブティーは沸騰水を使用して調製する。
- 妊婦および加齢、基礎疾患または薬物服用により免疫能が抑制されている人は、予防のため、事前にカットおよび包装されたレタスの喫食は避け、食事の直前に、よく洗った新鮮な材料を使い自分でサラダを調理すべきである。これらの人々は、乾燥葉や葉物野菜から調製された栄養補助食品を喫食する時は、かかりつけの医師に相談すべきである。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.19(2017.09.13)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201719m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 輸入マラドールパパイヤに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2017年9月1日付更新情報)
【Emerging Infectious Diseases(CDC EID)】
1. 食品由来病原体に関連する年間患者数・入院患者数・死亡者数の推定(フランス、2008~2013年)
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. UK FSAが今後の食品規制のための計画を発表
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 葉物野菜や葉加工品は病原菌に汚染されている場合がある
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. オランダでの感染症の発生状況(2016年)
【デンマーク工科大学(DTU)】
1. カンピロバクターはデンマークにおける食品由来感染症の主な原因である
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報