米国がブラジル牛肉輸入停止

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.14(2017.07.05)を発表した。

注目記事

【米国農務省】米国がブラジル産牛肉の輸入を停止

 米国農務省(USDA : United States Department of Agriculture)のPerdue長官は、ブラジル産の米国市場向け生鮮牛肉製品の安全性に再び懸念が生じたとして、当該製品の全面的な輸入停止を発表した。輸入停止は、USDAが納得できる是正措置をブラジル農務省が講じるまで続けられる予定である。

 2017年3月以降、米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、米国に到着したブラジル産食肉製品の全品検査を実施してきた。この間、FSISはブラジル産の生鮮牛肉製品の11%について通関を拒否した。この数字は、その他の各国からの輸入品の通関拒否率が1%であることと比較すると著しく高い。

 ブラジル政府は、5カ所の施設について牛肉製品の米国向けの出荷を自主的に停止させるなど、上記の種々の問題に対し対策をとることを約束していた。

【米国疾病予防管理センター】生きた家禽類との接触によるサルモネラ感染

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)と複数の州公衆衛生・農業局、および米国農務省動植物衛生検査局(USDA APHIS)は、小規模飼育の生きた家禽類との接触に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ感染アウトブレイク8件を調査している。

 アウトブレイク株の感染患者として、2017年5月25日までに47州から計372人が報告されている。患者の発症日は2017年1月4日~5月13日で71人が入院した。患者の36%が5歳未満の小児。

 疫学・追跡調査および検査機関での検査の結果、8件のアウトブレイクは複数の孵化場由来のヒヨコ、アヒルのヒナなどの生きた家禽類との接触に関連していることが明らかになった。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.14(2017.07.05)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201714m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 疑い患者数が20万人を超えたイエメンのコレラアウトブレイクについてAnthony Lake国連児童基金(UNICEF)事務局長およびMargaret Chan世界保健機関(WHO)事務局長が共同声明を発表

【米国農務省(USDA)】
1. 米国農務省(USDA)長官がブラジル産の生鮮牛肉の輸入停止を発表

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小規模飼育(Backyard Flocks)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生している2017年の8件のサルモネラ感染アウトブレイク(初発情報)
2. Vulto Creamery社製の生乳ソフトチーズ製品に関連して複数州にわたり発生したリステリア症アウトブレイク(最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:冷凍のパン粉付き生鮮鶏肉製品に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(初発情報)
2. 公衆衛生通知:サイクロスポラ感染アウトブレイクを調査中(初発情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 市販鶏肉のカンピロバクター汚染率がさらに低下

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. カンピロバクター問題関係者グループによる報告書の発表

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報