国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.04(2017.02.15)を発表した。
注目記事
【欧州疾病予防管理センター】全ゲノムシークエンシング(WGS)で規定されたサルモネラの感染アウトブレイク
2016年秋、英国で全ゲノムシークエンシング(WGS)により規定されたサルモネラ(Salmonella Enteritidis)株の患者17人のクラスターが検出されたことから、2014年に初めて特定され、2015年5~10月にスペインおよび英国で調査が行われたアウトブレイクの原因となった株が再び出現したことが明らかになった。
この患者クラスターは、2014年以降に欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)加盟4カ国以上にわたって累計329人の確定患者が確認され、共通の感染源の可能性が示唆されているアウトブレイクの一部である。
2016年、フランス、アイルランド、スペイン、および英国は、2015年に発生したアウトブレイクの患者と同じ一塩基多型(SNP)クラスターに属する患者を報告し、両年の患者が共通の感染源によるアウトブレイクの一部であることが示唆された。
この2016年のクラスターの出現により、2014年以降4カ国以上にわたって発生しているアウトブレイクの存在が明らかになった。2016年に英国で実施された調査から、家庭外での曝露が示唆された。英国以外の国で国外旅行に関連していない患者がWGS解析により特定されたことから、汚染された感染媒体が少なくとも上記のEU/EEA加盟4カ国に分布していることが推測される。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
- 食品安全情報
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
- 食品安全情報(微生物)No.04(2017.02.15)
- http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201704m.pdf
今号の目次
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:生および加熱不十分のカキの喫食に関連した胃腸疾患アウトブレイク(初発情報)
2. 公衆衛生通知:大腸菌感染アウトブレイクを調査中(2017年2月2日付更新情報)
【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)がアフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)の設立を歓迎
2. 全ゲノムシークエンシング(WGS)で規定された株を原因とした複数国にわたるサルモネラ(Salmonella Enteritidis、MLVA型2-12-7-3-2および2-14-7-3-2)感染アウトブレイクの再発生
【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内の人獣共通感染症、その病原体および食品由来アウトブレイクの傾向と感染源に関する年次要約報告書(2015年)
【Eurosurveillance】
1. フランスで2007~2014年に発生した食品由来セレウス菌(Bacillus cereus)感染アウトブレイク:疫学および遺伝学的解析
【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 欧州の複数国にわたるサルモネラ感染アウトブレイクが終息した模様