食品安全情報(微生物)No.13(2015.06.24)
国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.13(2015.06.24)を発表した。
注目記事
【BfR】β-ラクタマーゼ産生菌の抗菌剤耐性に関するQ&A
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR : Bundesinstitut für Risikobewertung)による、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)およびAmpC型β-ラクタマーゼ(AmpC)産生菌の抗菌剤耐性に関するQ&A。
ESBL産生菌とAmpC産生菌は、ともにいくつかの重要な抗菌剤に対して非感受性(耐性)になる。
ESBL産生菌およびAmpC産生菌は、すべての畜産動物種および多くのペット動物種(犬、猫など)から検出されている。食品では、ブロイラー肉からの検出例が特に多いが、七面鳥肉、牛肉、豚肉や植物性食品からも検出される。この種の耐性菌は広く蔓延しており、ウシ・ブタ・ブロイラーの商業生産の場のほとんどから検出される可能性があることがわかった。
ヒトもこれらの細菌の媒体となる可能性があり、したがってヒト-ヒト感染も起こり得る。これは特に病院などの医療施設で発生する。どの感染経路がどの程度、耐性菌のヒト感染の原因となっているかを明らかにするため、現在、研究が実施されている。現時点で得られている結果では、伝播経路が複合的であることが示されている。
【Eurosurveillance】エジプトからの帰国者に食品由来A型肝炎アウトブレイク:ワクチン接種推奨強化の必要性
2012年11月~2013年4月、欧州の複数国でエジプト旅行からの帰国者にA型肝炎ウイルス(HAV)感染アウトブレイクが発生した。
エジプトでは依然としてHAV感染が蔓延しており、環境中からHAVが頻繁に検出されている。
Eurosurveillanceは、各加盟国の公衆衛生当局は対策を大幅に強化し、エジプトなどのHAV常在国への旅行の前のワクチン接種の重要性を旅行者、旅行代理店、および医療従事者に再確認させるべきであるとしている。
【FSAI】アイルランドでBSEの疑いがあるウシ1頭を検出
アイルランド食品安全局(FSAI:Food Safety Authority of Ireland)は、アイルランド農業・食糧・水産省(DAFM)が同国Louth郡で牛海綿状脳症(BSE)の疑いがあるウシ1頭が検出されたとの声明を承知しているとした。
この事例の検出は、現行のBSE対策が有効であることを示している。当該牛はフードチェーンには入らなかったため、公衆衛生上のリスクはない。
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.13(2015.06.24)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201513m.pdf
今号の目次
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Blue Bell Creameries社の製品の喫食に関連して複数州にわたり発生したリステリア症アウトブレイク(最終更新)
【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:生きた家禽のヒナとの接触に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2015年6月18日付更新情報)
【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【Eurosurveillance】
1. 欧州の複数国でエジプト旅行からの帰国者に発生した食品由来A型肝炎アウトブレイク:ワクチン接種推奨強化の必要性
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が食品関連インシデントに関する2014年次報告書を発表
【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 牛海綿状脳症(BSE)の疑い例を検出
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)およびAmpC型βラクタマーゼ産生菌の抗菌剤耐性に関するQ & A
【フィンランド食品安全局(Evira)】
1. フィンランドにおける動物由来分離株の抗菌剤耐性モニタリングおよび抗菌剤の使用量調査
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報