ロンドンでスマホを使った感染症調査

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.21(2014.10.15)を発表した。

注目記事

【CFIA】冷凍した生の鶏ひき肉製品を大腸菌O157:H7汚染の可能性により回収

 カナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)によると、大腸菌O157:H7汚染の可能性により、Missing Link Extraordinary Sausage社(アルバータ州カルガリー市)が冷凍した生の鶏ひき肉製品を回収している。

 アルバータ州保健サービス(AHS)およびカナダ食品検査庁(CFIA)が行っている大腸菌O157:H7感染アウトブレイクの調査が契機となって本回収の実施が決定された。回収対象製品の喫食に関連して4人の患者の発生が報告されている。

【Eurosurveillance】感染症のスマートフォンを利用した調査

 2013年3月22日、ロンドンの中学校1校で生徒(13~17歳)および教職員の計1,255人のうち150人が胃腸炎を発症したことが報告された。生徒・教職員全員を対象に、後ろ向きコホート研究(要因対照研究)が行われた。

 この研究では、共通の病因物質および細菌性毒素について、食品検体、環境検体および患者の検便検体の検査が行われたほか、オンライン質問票が電子メールにより配信され、スマートフォンによる回答が推奨された。

 本調査はスマートフォン技術の利用によって迅速に行われた。今後のアウトブレイク調査でもその利用を検討することが推奨される。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.21(2014.10.15)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201421m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 小規模飼育(Backyard Flock)の生きた家禽類に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Infantis、S. Newport、S. Hadar)感染アウトブレイク(2014年9月25日付更新情報)

【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 食品回収情報:アルバータ州で販売されたMissing Link Extraordinary Sausageブランドの冷凍した生の鶏ひき肉製品を大腸菌O157:H7汚染の可能性により回収(患者発生)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 数種類のそのまま喫食可能な食品のリステリア(Listeria monocytogenes)汚染に関するベースライン調査(欧州連合、2010~2011年)パートB:汚染率に関連する因子の解析および基準適合条件の探索
2. 主要な食品由来微生物ハザードを対象とした分子生物学的タイピング法の評価、およびアトリビューションモデリング・アウトブレイク調査・スキャニングサーベイランスへのそれらの使用に関する科学的意見:パート2(サーベイランスおよびデータ管理)

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【Eurosurveillance】
1. 中学校で発生したウェルシュ菌(Clostridium perfringens)感染アウトブレイクのスマートフォンを利用した調査(ロンドン、2013年3月)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. Barton Farm Dairy社が未殺菌の牛乳を回収(大腸菌O157感染患者発生)

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 狩猟動物肉を食品として出荷する狩猟者向けの新しいガイダンスを発表

【アイルランド保健サーベイランスセンター(HPSC Ireland)】
1. リステリア症:アウトブレイクを起こし得るまれな食品由来疾患

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報
食品安全情報(微生物)No.21 / 2014(2014.10.15)