国際刑事警察機構のパンゲア作戦で237人が逮捕/サプリも対象

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.11(2014.05.28)を発表した。

注目記事

【EFSA】食用酵素についての意見がEFSAの任務の新しい章を開始する

 欧州食品安全機関(EFSA)は、食用酵素のEU認可リスト作成のための最初の安全性評価を完了した。今回発表したのは、「遺伝子組換えAspergillus oryzae(NZYM-FB系統)由来キシラナーゼに関する科学的意見」である。今後数年をかけて、EFSAは何百もの食用酵素について評価作業を行うこととなっている。

※ポイント:EUでは、規則(EC)No 1331/2008のもと食品添加物、食用酵素及び香料に関する認可手続きを統一することが定められています。これまで、EUで食品添加物として指定されたもの以外の食用酵素については加盟国が独自に規制できることとなっており、デンマークとフランスのみが規制を設けていました。しかしながら、この規則導入とともに食用酵素についてはEUで統一の認可リストを作成することになり、今後、食用酵素を食品に使用するためには、新規及び既存に関係なく認可申請とEFSAによる評価を経た上で、認可リストに掲載されることが必要になりました。その一つ目の評価が今回完了したというわけです。

 この認可リストが完成するまでは、引き続き加盟国の独自規制が継続されるとのことです。EFSAによる食用酵素の評価状況は、下記ウェブサイトで検索出来るようになっています。

http://registerofquestions.efsa.europa.eu/roqFrontend/questionsListLoader?unit=FIP&rawPanel=CEF&foodsectorarea=12

【INTERPOL】第7回パンゲア作戦

 国際刑事警察機構が主導し、オンラインで販売される模造及び違法医薬品を取り締まる第7回パンゲア作戦が実施された。111カ国、約200の執行機関が参加し、世界中で237人が逮捕され、3,600万米ドル相当の危険な製品が押収された。押収された940万の模造または違法医薬品の中には痩身用錠剤、がん治療薬、勃起不全用錠剤、咳や風邪の薬、抗マラリア、コレステロール、栄養用製品が含まれる。

※ポイント:パンゲア作戦は2008年から毎年1週間実施されています。病気の治療・予防、性機能増強、痩身などの効果を宣伝しているサプリメントも「違法医薬品」として対象になっています。

【FDA】高強度甘味料アドバンテームを認可

 米国食品医薬品局(FDA)は、新しい食品添加物アドバンテームについて、肉や家禽以外の食品の一般的甘味料や風味増強剤としての使用は安全であると発表した。最終規則(承認)の発表前に意見を募集している。

【ANSES】p-シネフリンを含む痩身用のダイエタリーサプリメントに関する勧告を発表

 フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)は、ビターオレンジの皮や他の柑橘類に含まれるp-シネフリンについて、摂取量を20mg/日以下にすること、カフェインと一緒に摂取しないこと、感受性の高い人はサプリメントでは摂取しないことなどを勧告した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.11(2014.05.28)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201411c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 世界保健総会閉会

【FAO】
1. 報告書は世界の食料として拡大しつつある魚の役割について強調

【INTERPOL】
1. パンゲア作戦

【EC】
1. EUと米国の抗菌剤耐性との戦いの進捗状況
2. 動物用医薬品
3. 食品獣医局(FVO)査察報告書:ギリシャ
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 食用酵素についての意見がEFSAの任務の新しい章を開始する(遺伝子組換えAspergillus oryzae(NZYM-FB系統)由来キシラナーゼに関する科学的意見)
2. 他の遺伝子組換え関連

【FSA】
1. 食品装飾用グリッターやダストについてのガイド
2. 新規食品成分の申請に関する意見募集

【HSE】
1. 最新モニタリング結果

【PHE】
1. 新しい全国食事栄養調査は英国人が砂糖、飽和脂肪、塩を摂りすぎていることを示す

【NHS】
1. Behind the headlines:レスベラトロールの健康上のメリットは「過剰宣伝」

【ASA】
1. ASAは初めて2つの宣伝主を取引基準局に照会することで誤解を招く宣伝への対応を強化

【BfR】
1. BfRの「子どもの中毒事故」アプリがオンラインコミュニケーションのドイツ賞を受賞

【RIVM】
1. 高齢者向けサプリメント:オランダで高齢者が入手できるビタミンやミネラルのリスト
2. 農薬とバイオサイド:地方自治体公衆衛生サービス(GGD)環境公衆衛生報告書

【ANSES】
1. いくつかのナノ物質の毒性を強調し、ANSESは規制の枠組み強化を求める
2. ANSESはp-シネフリンを含む痩身用のダイエタリーサプリメントに関する勧告を発表

【EVIRA】
1. 「GMフリー」宣伝

【FDA】
1. FDAはジャーキーペット用おやつ調査の最新情報を提供
2. FDAは高強度甘味料アドバンテームを認可
3. なんて甘いのでしょう:甘味料に関する全て
4. FDAは衛生的輸送に関する規則案への意見募集期間を延長
5. FDAは栄養及びサプリメント成分表示についての案への意見募集期間を延長
6. 公示
7. 警告文書(2014年4月4日~5月5日分)

【EPA】
1. EPAは農場労働者を農薬暴露から守るための安全規則案の意見募集期間を延長

【USDA】
1. 調査は冬のミツバチの消失が少なかったことを報告

【CFIA】
1. 過塩素酸検査は消費者に健康リスクはないことを確認

【FSANZ】
1. 食品企業向けリコールプロトコール
2. 通知

【APVMA】
1. APVMAはフェンチオンのレビューを最終段階の意見募集のため発表

【TGA】
1. 警告
2. 2014年4月29日のオーストラリアセルフメディケーション企業(ASMI)ワークショップでのTGAのプレゼン

【香港政府ニュース】
1. ちまきの99%は安全性検査に合格

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 日本の原発関連の食品医薬品安全処による対応と管理の動向〔48〕
3. 日本の原発関連の食品医薬品安全処による対応と管理の動向〔47〕
4. 畜産物のフランチャイズ店の原料供給点検の結果
5. 栄養表示の義務化について(限定ハンバーガーまで栄養情報の確認ができる)
6. APEC食品安全に関する国際ワークショップをソウルで開催
7. 炎天下、食品の虫.かびの発生に注意
8. 食品医薬品安全処、糖類の摂取を減らすための教育支援の実施
9. 使用禁止原料である「トナカイの角」配合の鹿角製品の回収措置

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(COMARE)第15報告書:Dalgety湾周辺地域のラジウム汚染
・(ProMED-mail)原因不明の食中毒、致死――マダガスカル:カメの肉
・(ProMED-mail)植物中毒、ヒツジ オーストラリア:(WA)swainsona(ダーリンピーズ)
・(ProMED-mail)一年草ライグラス中毒、ウシ――オーストラリア:(VI)