FDAが「添加された糖」など栄養成分表示の更新を提案

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.05(2014.03.05)を発表した。

注目記事

【EFSA】ビスフェノールAに関するFAQ

 欧州食品安全機関(EFSA)は、ビスフェノールA(BPA)に関して、低用量による影響に関する新しい研究報告も含め、食事と食事以外(感熱紙や埃のような環境要因など)に由来する暴露による影響について包括的なリスク評価を実施した。現在、その評価案についてパブリックコメント募集や公開会議などを開催していることを受けて、評価の経緯などを網羅的に分かるようにしたFAQを発表した。EFSAは2006年にもBPAの評価を行い一日耐容摂取量(TDI)を設定していたが、今回の評価ではより低い暫定TDIを提示した。このFAQでは、とくに、以前の評価と今回の評価の相違点について焦点を当てている。

※ポイント:FAQは1から24までと非常に長いですが、この中でとくに注目すべきは、「9. この暴露評価について重要なのは?」「10. BPA暴露のEFSA評価案の主な知見は何?」「22. EFSAが現在のBPAのTDIを下げようとする理由は?」「23. EFSAがBPAの暫定的TDI(t-TDI)を推奨する理由とは?」でしょう。今回と以前の評価で大きく異なるのは、より多くのデータを含めてベンチマーク用量(BMD)アプローチを用いたこと、新しいトキシコキネティクス研究によってマウスのデータをヒトに換算出来るようになったこと、EFSAの包括的食品摂取データベースができたおかげでより詳細な暴露評価が可能になった点です。

【FDA】FDAは食品包装上の栄養成分表示の更新を提案

 米国食品医薬品局(FDA)は、新しい公衆衛生と科学の情報を反映した栄養成分表示の更新を提案した。米国の食生活が大きく変化したことから、一回提供量についても国民が実際に食べている量により合うように更新し、四角い囲み表示のデザインも改訂した。変更点は、「添加された糖」・カリウム・ビタミンDの情報の追加、%DV(所要量に対する割合表示)の根拠となる一日所要量の改訂、カロリーや一回提供量の表示の強調などである。この提案について、90日間のパブリックコメントを募集する。

※ポイント:米国で問題になっている肥満、心疾患や他の慢性疾患の予防に焦点を当てた改訂になっています。とくに、「添加された糖」の表示は他の国では見られない取り組みです。また、ビタミンDはとくに女性や高齢者の骨の健康のために、カリウムは高血圧予防のために追加されました。

【APVMA】オーストラリアにおけるミツバチの健康とネオニコチノイドの使用に関する概要報告書

 オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)は、オーストラリアにおけるミツバチの健康に関する問題について、とくにネオニコチノイド殺虫剤の使用について広範なレビューを完了した。

※ポイント:オーストラリアでは1990年代からネオニコチノイドを使用しているものの、欧州や米国とは異なり、ミツバチコロニーの減少は見られないと報告しています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.05(2014.03.05)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201405c.pdf

今号の目次

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)査察報告書:チェコ共和国、スイス
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. ビスフェノールAに関するFAQ
2. ビスフェノールA:EFSAはパブリックコメント募集のフォローアップ会議を開催
3. 飼料添加物関連
4. ホルムアルデヒド関連
5. 香料グループ評価
6. 健康強調表示関連

【FSA】
1. 新規食品成分関連
2. 多動と関連する色素を含まない製品のリスト更新

【NHS】
1. Behind the headlines:妊娠女性が葉酸についての助言を無視している恐れ

【BfR】
1. エネルギードリンクを多量に摂取する人は引き受けているリスクを無視している
2. BfRは消費者製品中の発がん性多環芳香族炭化水素を欧州全体で制限するよう導く

【RIVM】
1. 農地の近くに住むヒトの農薬暴露研究の可能性探索
2. 有害物質の絡む事故を迅速に評価するためのツール

【ANSES】
1. ANSESは2014年の作業スケジュールを提出
2. 幼児用食品を食品の栄養成分のCIQUAL一覧表に追加

【FDA】
1. FDAは食品についてよく聞かれるトピックスについての更新を発表
2. FDAは食品包装上の栄養成分表示の更新を提案
3. 警告文書(2014年2月18日、25日公表分)

【EPA】
1. EPAは農場労働者を農薬暴露から保護するための新しい安全性対策を提案

【USDA】
1. USDAは、米国の食品は残留農薬について安全上の懸念はないことを確認した農薬データ計画報告書2012年年次要約を発表

【CFIA】
1. 新しいカナダのアイスワイン基準
2. 米国とカナダは肉の切り身の名前を一致させる

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準改定

【APVMA】
1. オーストラリアにおけるミツバチの健康とネオニコチノイドの使用に関する概要報告書

【TGA】
1. 子ども向けのソフトゲルカプセル補完医薬品の販売について
2. 安全性警告

【香港政府ニュース】
1. 7食品が検査に不合格

【MFDS】
1. 参考資料(日本産輸入食品の放射能検査結果)
2. 参考資料(「ウイサン号」の衝突事故が起きた海域の水産物はベンゾピレン不検出)
3. 「統合食品安全情報ネットワークの構築」本格的に推進
4. 正しく使ってください! 食品用器具及び容器.包装
5. 「子ども給食管理支援センター」プロモーションビデオの配布
6. 乳幼児及び子どもが多く摂取する牛乳などにもHACCPの適用を義務化
7. 「安全な食べ物で、国民の幸せをリードします」-食品医薬品安全庁、2014年大統領業務報告.

【その他】
・(ToxSci)妊娠6日から生後90日までSDラットに強制経口投与したビスフェノールAの毒性評価
・(Journal of Forensic and Legal Medicine)ハーブ治療薬の内容と組成についての法医学的問題
・(Ann Intern Med)心血管系疾患とがん予防のためのビタミン、ミネラル、マルチビタミンサプリメント:米国予防医療サービス専門作業部会(USPSTF)からの助言
・(Ann Clin Biochem)ダイエタリーサプリメントの過剰使用によるヒ素中毒による末梢神経障害の事例
・(JAMA)ビスフェノールAへの暴露源となる感熱紙の取扱い