国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.16(2013.08.07)を発表した。
注目記事
【CFIA】生ガキの腸炎ビブリオ菌汚染のリスク管理
カナダ食品検査庁(CFIA: Canadian Food Inspection Agency)は、連邦に登録された二枚貝加工施設の経営者に対し、貝類が示すあらゆる食品安全危害要因(とくに腸炎ビブリオ)について、各施設の品質管理プログラム(QMP:Quality Management Program)を実行することで対処する責任があると注意喚起している。
腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus:Vp)はカナダおよび米国の沿岸水域に自然に生息している。採捕、養殖、加工などの業者はVpの潜在的なリスクを認識し、リスクがある5~10月には適切な対策を実施することが重要である。
【UK FSA】鶏レバーのカンピロバクター菌汚染低減対策としての冷凍処理
英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、鶏レバーの冷凍によるカンピロバクター汚染レベルへの影響を評価した。
鶏レバーの冷凍処理はカンピロバクター菌数を減少させるが、死滅させるわけではない。家禽肉加工業者が日常の加工工程でヒト喫食用の鶏レバーの冷凍処理を行えば、加熱不十分の鶏レバーやそれを使用したパテなどの喫食に関連するカンピロバクター症の発生を減らすことができる可能性がある。
家禽肉から頻繁に検出されるカンピロバクターは、英国の食中毒で最も頻繁に検出される原因菌である。英国ではここ数年カンピロバクター症アウトブレイクの報告件数が顕著に増加している。これらのインシデントのほとんどは、食品提供業者が調理した鶏レバーのパテやパルフェに関連している。
※パルフェ:この場合はムース状にした鶏レバーをテリーヌ型などで形成した料理(編集部註)
【UK FSA】台所チェック
英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、台所での習慣が食中毒の危険をひき起こす可能性を理解するための簡単なツールとして、Webサイト「台所チェック」(Kitchen Check)を開設した。
最近のアンケート調査により、アンケート回答者の80%が食中毒のリスクにつながるような食品取扱い上の行動を1つ以上行っていることがわかった。「台所チェック」は、回答者が各自の食品取扱い上の習慣を検証するため、台所での日常の行動に最もよく当てはまる項目を調理の各段階に沿ってチェックする方式である。回答が終了するとスコアが計算され、回答者の習慣を改善する方法のヒントが得られることになっている。
●「台所チェック」
http://food.gov.uk/news-updates/campaigns/kitchen-check/kitchen-check1/tool
(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.16(2013.08.07)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201316m.pdf
今号の目次
【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 複数州にわたり発生しているサイクロスポラ症アウトブレイク
【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 米国で発生しているサイクロスポラ症アウトブレイク(2013年8月6日付更新情報)
2. トルコからの輸入ザクロに関連して複数州にわたり発生しているA型肝炎アウトブレイク(2013年8月2日付更新情報)
3. 食品由来疾患アウトブレイクのサーベイランス(米国、1998~2008年)
【カナダ食品検査庁(CFIA)】
1. 生ガキの腸炎ビブリオ菌汚染のリスク管理
【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)
【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 鶏レバーのカンピロバクター菌汚染低減対策としての冷凍処理
2. 食品安全週間2013:台所におけるチェック
【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 畜産における抗生物質の消費量に関する代表的なデータを初めて収集
【オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)】
1. ニュージーランドから輸入された汚染乳製品に関する発表
【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報