国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.02(2013.01.23)を発表した。
注目記事
【FSANZ】オーストラリアで販売されている海藻および海藻含有製品の無機ヒ素調査
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)が、オーストラリアで販売されていた海藻および海藻製品38検体について無機ヒ素の含有量調査を実施したところ、ひじき含有製品1検体において基準値(1 mg/kg)を超える無機ヒ素が検出された(乾燥7.8 mg/kg、水戻し1.4 mg/kg)。FSANZは、食事由来の無機ヒ素の摂取について、通常の食事では問題にならないが、ひじきを定期的に多量に摂取する場合には健康リスクが高くなると注意を喚起している。オーストラリア農林水産省(DAFF)はひじきをリスク食品と分類しており、100%検査対象にしている。
※ポイント:ひじきの無機ヒ素はこれまで何度も欧米で問題にされてきましたが、再確認されました。基準値を設けて管理していても食べると健康リスクが高くなることを知るべきとしています。
【EFSA】アスパルテーム:EFSAは最初の完全リスク評価について意見募集
欧州食品安全機関(EFSA)は、人工甘味料アスパルテームおよびその分解産物についての科学的意見案を発表し、パブリックコメントを募集する。EFSAは、現在の許容1日摂取量(ADI)は一般の人にとって安全であるが、厳密な低フェニルアラニン食を必要とするようなフェニルケトン尿症の人については現行のADIは適用できないとしている。
※ポイント:この評価が、完全リスク評価(full risk assessment)であるところに注目です。アスパルテームは、再評価でADIを変更する必要はないと結論されても、否定的な意見がたびたび出されて関心が持たれ続けてきた問題です。そのため、EFSAは不足していたものも含めてデータを収集し直し、何年もかけて完全リスク評価として評価してきました。
【FSAI】FSAIの調査で一部のビーフバーガー製品からウマのDNAが確認される
アイルランド食品安全局(FSAI)が、国内の小売店で販売されているビーフバーガー、ビーフミール、サラミ製品等についてDNA調査したところ、一部の製品からウシのDNAだけでなく、ブタまたはウマのDNAが検出された。ブタまたはウマの検出量は大部分の製品で極微量であったが、1検体のビーフハンバーガーでは肉全体の約29%がウマの肉であることが確認された。混入の原因については、現在調査中である。
※ポイント:ブタのDNA検出は製造ラインでの交差汚染の可能性が高いですが、アイルランドではウマを食する文化がないことから製造ラインにウマの肉が入るという状況は考えられず、なぜウマの肉が混入したのかがいちばんの謎のようです。
問題となったバーガー製品はアイルランドと英国の工場で製造されたものですが、両国政府とも、製品からウマのDNAが検出された原因は解明しなければならないと問題視していますが、食品安全上のリスクはないことを強調して、強制的な回収は行っていません。実際には関係事業者が自主回収をしていますが、それについても消費者の信頼を維持するために行っていることであると指摘しています。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.02(2013.01.23)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201302c.pdf
今号の目次
【WHO】
1. WHOは国際水銀条約を歓迎
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. アスパルテーム:EFSAは最初の完全リスク評価について意見募集
2. EFSAはエネルギーの平均所要量を設定
3. EFSAはネオニコチノイドのミツバチへのリスクを同定
4. 100℃での動粘性率8.5-11 mm2/sの中程度粘度ホワイトミネラルオイルの食品添加物としての使用の安全性評価に関する科学的意見
5. 飼料添加物関連
6. EFSAは透明性を高める取り組みの中でデータへのパブリックアクセスを促進
【FSA】
1. GM表示についての消費者の意識
2. FSAは一部のバーガーで確認されたウマのDNAについて調査
3. 牛肉製品のウマ及びブタDNAについての調査 更新
4. 牛肉製品のウマ及びブタDNAについての調査 更新2
5. 汚染バーガーを解明する
【DEFRA】
1. ミツバチの健康を増進
【BfR】
1. ビタミンやミネラルは必須であるが、正しい用量が重要
【FSAI】
1. FSAIの調査で一部のビーフバーガー製品からウマのDNAが確認される
2. 肉製品の真正性について更新
【DAFF】
1. 検査結果発表
【FDA】
1. 公示:“MAXILOSS Weight Advanced”には表示されていない薬物成分が含まれる
2. 消費者向け情報:危険なサプリメントが現在は“WOW”という名前で販売されている
3. 警告文書(2013年1月8日、15日公表分)
4. 消費者向け情報:FDAはインドへの入り口を提供
5. 消費者向け情報:栄養成分表示-20年経ちなお進化中-
【CFIA】
1. コーヒー、フルーツジュース、茶の残留農薬検査の結果消費者にリスクはない
【FSANZ】
1. オーストラリアで販売されている海藻及び海藻含有製品の無機ヒ素調査
2. 消費者向け情報:ヒ素
3. 海藻の無機ヒ素及びヨウ素のモニタリング
4. 食品基準通知
【TGA】
1. 警告
【香港政府ニュース】
1. 香港の食事の金属汚染は低い
2. 違法薬物で男性逮捕
3. 経口用製品に警告
【KFDA】
1. 2013年食・医薬品安全政策はこのように変わります
2. 使用禁止動物用医薬品(ニトロフラン)検出のエビ回収措置
3. 健康機能食品の副作用、食品の安全性の情報源から統合管理
4. 海外インターネットサイトの販売商品の購入に注意
5. 国民の70%以上は薄味にする必要性あり
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から