国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.01(2013.01.09)を発表した。
注目記事
【FDA】FDAは食品由来疾患予防及び製品安全性のための新しい食品安全基準を提案
米国食品医薬品局(FDA)は、食品安全近代化法(FSMA:Food Safety Modernization Act)履行のための2つの規則を提案し、120日間のパブリックコメントを募集する。
※ポイント:FDAがFSMAの根幹となる食品安全のための2つの規則案を発表しました。簡単に言いますと、1つは適正製造規範(CGMP)を改訂して食品事業者に対しリスクに基づく予防措置を求めるというものです。もう1つは、農産物の生産に関する基準で、農産物生産者の教育や生産段階での安全性確保を求めているものです。米国では、メロンやスプラウト等の生鮮野菜・果実によるアウトブレイクが発生していますが、FDAが生鮮野菜・果実の管理について本格的に取り組むことにしたことを意味しています。
【香港政府ニュース】漢方薬等の摂取による中毒
香港政府が、複数の漢方等の調合品を摂取して中毒症状を呈した63才女性及び44才男性の事例を公表した。女性の摂取品からはナス科アルカロイド、男性の摂取品からはアコニチンアルカロイドが検出された。
※ポイント:香港政府ニュースでは、ハーブ製品及び漢方薬による中毒事例や違反事例がよく公表されています。多いのは、重金属(水銀、鉛など)あるいは医薬品成分を表示せずに含んでいる事例ですが、自然毒が検出された事例も時々報告されています。今回と同様に、中毒の原因製品から珍しいアコニチンアルカロイドであるyunaconitine及びcrassicauline Aが検出された事例は2012年5、6月にも報告されています。アコニチンアルカロイドを含むトリカブト類は生薬の1つではありますが、yunaconitine及びcrassicauline Aは作用が強いことから香港では通常は使用されないそうです。
【Evira】魔法の技は効くか?宣伝の読み方を学ぼう
フィンランド食品安全局(Evira)は、減量用と称して販売されている製品の表示・宣伝について、消費者へ注意を喚起した。減量用と称する製品には、ライフスタイルを変えることなく短期間に簡単に減量できると表示・宣伝しているものもあり、欺されないよう注意を呼びかけている。その様な表示・宣伝は、法で禁止されているとしている。
※ポイント:これはフィンランドでの注意喚起ですが、日本にもそのまま当てはまる注意喚起です。減量用と称して販売されている製品には、シブトラミン(以前は肥満治療用の医薬品成分として使用している国もありましたが、心臓発作及び脳卒中などの心血管系への副作用のため現在は禁止している場合が多いものです)を表示せずに含んでいるものも多く、摂取による中毒事例も報告されて各国で問題になっています。
(安全情報部第三室)
食品安全情報へのリンク
食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.01(2013.01.09)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201301c.pdf
今号の目次
【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【FSA】
1. Budgens、 Londis 、SuperValuはアフラトキシンのため一部のSuperValu塩味ピーナッツを回収
【RIVM】
1. 土壌汚染及び改善時のリスクコミュニケーションガイダンス
【EVIRA】
1. 魔法の技は効くか?宣伝の読み方を学ぼう
【FDA】
1. FDAは食品由来疾患予防及び製品安全性のための新しい食品安全基準を提案
2. 消費者向け情報:FDAは食品の安全性の基礎を強化する
3. 警告文書(2012年12月25日、2013年1月1日)
【EPA】
1. EPAは既存化学物質作業計画のもとで最初の一連のリスク評価案を発表
【FSANZ】
1. ファクトシート:パーム油
【香港政府ニュース】
1. 質の悪い油の背景は不十分な品質管理
2. 鉛汚染医薬品リコール
3. 17食品が検査に不合格
4. 乳児用調製粉乳に警告
5. 女性がハーブ摂取後に病気になる
6. 漢方薬による男性の中毒
7. 未登録医薬品販売で男性逮捕
【FSSAI】
1. 表示規制案
【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)BPAの有害影響に関するこれまでの研究は再現が不可能