2018年で気になった出来事をまとめてみました。
- 食品衛生法改正
- 食品表示、景表法違反などで処分相次ぐ
- 豚コレラが国内で発生。野生イノシシから感染か
- ゲノム編集技術応用食品の取り扱いを検討
- 「非遺伝子組換え」の表示厳格化へ
- 豊洲市場オープン、築地市場閉鎖
- 週刊誌報道で、国産食品の不安をあおるキャンペーン
- スマート農業がいっそう身近に
- 災害時の非常食への関心増大
- 海洋プラスチックごみ問題が話題に
(順不同)
食品衛生法改正
広域的な食中毒対策、HACCP導入、容器包装ポジティブリスト化、営業許可制度見直し、リコール報告制度創設といった広範囲の改正。年末に説明会があったが、具体的なところがまだ見えてこない。営業許可制度では、自治体間の規制のずれも明らかに。
2019年、政省令公布に向けてどのように動き出すのか、注視したい。
食品表示、景表法違反などで処分相次ぐ
「葛の花サプリメント」など機能性表示食品に課徴金納付命令、グリーンコープ連合の合成添加物不使用表示のウインナーソーセージに措置命令。また、外食メニューでも、「キリンシティ」の黒ビールカリー、「日本マクドナルド」のローストビーフバーガーに措置命令が出されるなど、景表法違反の処分事例が相次いだ。
事実と異なる表示がなくなるよう、今後も期待。
豚コレラが国内で発生。野生イノシシから感染か
日本の豚コレラ発生は、1992(平成4)年以来26年ぶり。
海外では、汚染国から国境を越えて来るトラックの運転手が、感染した豚肉を含む食品を駐車場で投棄し、それをイノシシが食べて感染したと推定された事例があるとか。野生イノシシから豚が感染した可能性を考えると、国外からの違法な食品持ち込みに対する輸入検疫の役割は重要。
ゲノム編集技術応用食品の取り扱いを検討
ゲノム編集技術を用いた食品の規制がどうなるのか、この数年、話題の的だったが、導入遺伝子が残らないものは安全性審査の対象とならないという方向性が示された。
過剰に規制すれば技術が伸びないが、その一方で、新規開発食品の取り扱いは慎重であってほしい。社会的な関心も高い今、的確な説明による理解促進も課題。
「非遺伝子組換え」の表示厳格化へ
消費者委員会の食品表示部会で審議中だが、「非組換え」表示の要件が混入率5%以下から「不検出」へと厳格化され、今後「非組換え食品」はあまり流通しないことになりそう。オーガニック食品は、遺伝子組換え食品を使わないことになっているので、有機JAS加工食品も減るのか。
豊洲市場オープン、築地市場閉鎖
ようやくオープンした豊洲市場。もっと早く、スムーズに移転してほしかった。豊洲市場の機能を活かして、水産物の輸出拡大を首尾よく進められるのか。期待したい。
週刊誌報道で、国産食品の不安をあおるキャンペーン
週刊新潮で5月から10週にわたって、繰り返し、合成着色料、ホルモン剤、トランス脂肪酸などを取り上げ、「摂取量」の要素をまったく無視したまま不安視するキャンペーンを展開。その後はペットフードの安全性の話題も。週刊文春で対抗記事が出たが、文春の連載は2回どまり。
受け止め方はいろいろあるが、「不安」情報への関心が高いことを実感させられた。
スマート農業がいっそう身近に
クボタ、ヤンマー、井関といった大手農機メーカーが自動運転トラクターを発表するなど、今年はスマート農業元年か、との報道も見られた。
科学にうとい消費者(私のことです)から見ると、いったいどのようなことになるのか、わくわくするような、こわいような。ただ、「ドローンが的確に農薬を散布するから、省農薬で安全安心」といった宣伝を見ると、結局訴求ポイントはそこか、とちょっと複雑な気持ちになる。
災害時の非常食への関心増大
災害が多かったことから非常食や避難時の食事供給への関心が高まった。食事提供は必要な数量の確保や配送、食中毒予防のほか、栄養的にどうかといったことも課題に。食料備蓄など市民の意識の高まりも。
海洋プラスチックごみ問題が話題に
海洋プラスチック問題から、ストローが紙製に変更されるなどの話題が。しかし、ストローは問題のごく一部。使い捨てプラスチック類の増加、漁網繊維等のマイクロプラスチック化など、状況は深刻。まずは一人ひとりが知ること、関心をもつことが大事では。