外食分野での2017年の10大ニュースをピックアップ。
- チェーン店で値上げ相次ぐ
- インスタ映え
- 酒税法改正と値上げ
- 大手チェーン大量閉店
- ファミレスが脱24時間営業
- キャッシュレスの拡大
- ドタキャン・No Show問題
- インターネット出前サービス
- プレミアムフライデー
- 低糖質メニュー
《次点》イカ、サンマの歴史的不漁
(順不同)
チェーン店で値上げ相次ぐ
大手焼き鳥チェーンや牛丼チェーン、ラーメンチェーンなどが値上げを発表。理由は人件費高騰と材料費高騰の両方と伝えられる。
インスタ映え
「ユーキャン新語・流行語」の年間大賞ともなった「インスタ映え」だが、外食ではSNSで映える盛り付けの綺麗さや迫力が商品の付加価値の一つになった。デカ盛り、メガ盛りや、キレイ・カワイイ系を意識した商品開発が増えた。
酒税法改正と値上げ
2017年6月の酒税法改正による規制強化で、原価割れ販売、リベートが禁止に。業務用の値上げが2018年3~4月であるため飲食店での価格転嫁はまだ限定的であるが、大手ビール4社が値上げを発表しており、今後飲食店でのビール値上がりは避けられない見通し。飲食店にとっては原価割れでのキャンペーンやタイムセールが出来なくなり、より本質的な店の価値訴求が重要になる。
大手チェーン大量閉店
大手居酒屋チェーンやラーメンチェーンなど、店舗数トップクラスの飲食チェーンで大量閉店が相次いだ。人件費高騰、原価高騰などが主な理由と指摘されるが、こうしたコモディティ市場で展開する飲食店は、外食、中食ボーダレスの競争環境に突入しており今後の動向が注目される。
ファミレスが脱24時間営業
ファミリーレストラン大手、すかいらーく、ロイヤルホストが相次いで24時間営業の廃止を決定、順次導入が進む。生産性向上が叫ばれる中、働き方改革の一環として営業時間の短縮を図る一方で、営業時間内でのサービス向上が課題。また一部店舗で休業日の設定も進んでいる。
キャッシュレスの拡大
諸外国から遅れていると言われるカード支払い、各種ペイメントサービスによる支払いが飲食店でも導入から拡大へと加速。ロイヤルホールディングスが、日本橋馬喰町にキャッシュレス店舗(支払いはカードかペイメントサービスのみ)「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング・テーブル・パントリー)」をオープンするなど、象徴的な取り組みが見られた。インバウンド増加、2020年五輪に向けてますます拡大する見込み。
ドタキャン・No Show問題
前日や当日になってからのキャンセル、連絡もなく来店しない「No Show」による損失を被る飲食店の声が高まり、対策が議論されている。対策としてキャンセルポリシーに基づくキャンセル料徴収の徹底や、保証金の導入などが検討されているが、消費者を罰することだけでなく、飲食店側でできる予防策や、業界を挙げての消費者啓蒙活動などが望まれる。
インターネット出前サービス
弁当やデリバリーだけでなく、外食チェーンや人気飲食店などへの「出前」をスマートフォンから頼めるサービスが定着。消費者側からは、職場や家庭に居ながら摂れる事の選択肢が増えるほか、有名店のメニューをスマートフォンから注文するというスタイルに一種の最先端でかっこいいニュアンスもあるのだろう。外食産業側から見れば、新たな脅威でもある一方、店舗外での売上獲得、ブランディングのチャンスとも言え、今後の進化に期待が持てる。
プレミアムフライデー
生活スタイルの変革、地域コミュニティ機能強化や一体感の醸成、デフレ的傾向の変革、といった効果を期待されて導入された官民一体の取り組み。飲食店への客数増加、売り上げ増加は賛否両論であったが、「働き方改革」など一連の政策と世論も相まって、飲食店への来店時間の早期化など、遅効的に成果が表れ始めているという指摘も。
低糖質メニュー
サラダランチメニュー、サラダ専門店など、糖質を控えた食生活を支援し商機とするメニュー・飲食店が増加。「ライザップ」がコラボレーションしたコンビニメニューが登場するほか、定食店で「ライスを半分で!」と注文する中年男性など、糖質制限は大きなムーブメントに成長。
《次点》イカ、サンマの歴史的不漁
イカ、サンマが歴史的不漁に。イカは大手チェーンのメニュー・具材から消えたり、サイズが小さくなったりと外食にも影響した。サンマは秋のイベントが冷凍さんま対応となるなど話題となった。