2017年で気になった出来事を月を追いながらまとめてみました。
- 1~2月 きざみのりで1,000人を超すノロウイルス集団食中毒
- 3月 乳児ボツリヌス症で乳児が死亡
- 4月 健康牛のBSE検査廃止
- 5月 イヌサフランによる食中毒で死亡例
- 7月 プエラリア・ミリフィカで注意喚起
- 8月 ポテトサラダなどでO157食中毒
- 8月 欧州等で、卵のフィプロニル汚染
- 11月 EU、福島県産米などの輸入規制を解除
- 12月 EUで、グリホサートの使用が5年延長
- ゲノム編集の話題が多くなってきた
1~2月 きざみのりで1,000人を超すノロウイルス集団食中毒
1月に和歌山県御坊市で700人、2月に東京都立川市で1,000人を超すノロウイルス集団食中毒が発生。その原因食品が「きざみのり」と判明したときの驚き!
3月 乳児ボツリヌス症で乳児が死亡
東京都で離乳食にはちみつを与えられていた男児が死亡。乳児ボツリヌス症は、土壌中など環境中にいるボツリヌス菌が原因で乳児がかかる病気。原因食品としては、はちみつが報告されており、1歳未満の乳児にはちみつ、はちみつ入りの加工食品を与えないよう、母子手帳等でも注意喚起されている。しかし、「そんなこと知らなかった」という人もいる。
4月 健康牛のBSE検査廃止
国産牛については、2017年4月1日から、それまで行われてきた48カ月齢超の健康牛のBSE検査が廃止された。2001年10月から始まったBSE検査も、段階的に検査対象月齢が見直され、ついにこれで一区切り。長い道のりだった。
5月 イヌサフランによる食中毒で死亡例
北海道で、イヌサフランをギョウジャニンニクと間違えて採取し、食べた3人の方が食中毒に。うち1名の容態が悪化して死亡した。前年の2016年は有毒植物による食中毒が多発した年で、死者も4名出た(スイセン1名、イヌサフラン2名、トリカブト1名)。2017年も、ゼロにはならなかった。
7月 プエラリア・ミリフィカで注意喚起
美容目的の健康食品「プエラリア・ミリフィカ」について、若い女性に危害が多発しているとの注意喚起を、7月に国民生活センターが発表。同センターは、厚労省、消費者庁に、健康被害の発生抑止に向けた対応、表示に関する事業者への指導を、それぞれ要望。その後もプエラリア・ミリフィカは、ネット等で盛んに販売される状況が続いている。
8月 ポテトサラダなどでO157食中毒
埼玉県、群馬県などで、腸管出血性大腸菌O157の食中毒が発生。埼玉県の事例ではポテトサラダが原因食品とされたが、トング犯人説が浮上したり、それが否定されたりなど、はっきりしなかった。
8月 欧州等で、卵のフィプロニル汚染
欧州の産卵鶏農場で、殺虫剤フィプロニルが違法に使用され、汚染された卵が出回ったため、回収される騒ぎに。大量の卵が割れながら廃棄されていく、見ていて辛くなるようなニュース映像も。韓国、台湾でも鶏卵のフィプロニル汚染が発覚。日本への輸出はないとのことだった。
11月 EU、福島県産米などの輸入規制を解除
欧州委員会が、放射性物質に関する日本産食品の輸入規制を見直し、福島県産の米とブリ、カンパチ等の水産物について、検査証明書の添付義務を解除した。2017年、福島県産米は、956万6,348点もの玄米を検査し、前年に続き、基準値超過は1点もなし。規制解除は当然のことと思われる。こうした検査結果が、日本国内でも、もっと広く知られてほしい。
12月 EUで、グリホサートの使用が5年延長
グリホサートは世界中で広く使われている除草剤だが、国際がん研究機関が「おそらく人に発がん性がある」と分類したのに対し、世界のリスク評価機関等(欧州食品安全機関、EU加盟国のリスク評価機関、カナダ、米国、オーストラリア、ニュージーランドの各機関、日本の食品安全委員会、世界保健機関/国連食糧農業機関の合同残留農薬専門家会議)が発がん性を否定する側に。欧州ではグリホサートの使用期限が迫っていたが、結局使用を5年間延長することに。
ゲノム編集の話題が多くなってきた
遺伝子組換え技術に該当しないなら、とくに規制されることなく、開発が可能となるのか。それとも何らかの規制が必要なのか。新しい技術をどのように見守っていくのか、これから注目したいところ。