- マクドナルド、創業以来の営業赤字を記録
- デフレ経済の勝ち組・風雲児の凋落
- 業界大手が“ブラック企業”と名指しされる
- すかいらーく、再上場果たす
- カッパ・クリエイトの迷走
- 深刻を極める人手不足
- 不調の居酒屋市場にチョイ呑み旋風とワイン酒場業態の成長
- スターバックス・ジャパン、アメリカ本社の完全子会社化
- 急激な円安で原材料が高騰
- コンビニエンスストアとの“胃袋”争奪戦が激化
1. マクドナルド、創業以来の営業赤字を記録
日本マクドナルドホールディングスは、既存店売上高が前年同月に達しないケースが近年増えていたが、下旬に上海福喜食品の食品消費期限切れ問題が報じられた7月は既存店売上高が前年同月比▲17.4%、8月には同▲25.1%という激震。以降も2桁の客数減・売上高減を更新している。
ファストフード(洋風)の歴史的役割の終焉を示唆するものかとも思わせる。
2. デフレ経済の勝ち組・風雲児の凋落
急成長が注目された「ステーキけん」「東京ちからめし」の失速が報じられ、トップ企業のゼンショーホールディングス、日本マクドナルドホールディングスも暗転。
個別の事情もさることながら、外食の楽しさ、豊かさの見直しをしていく必要があるだろう。
3. 業界大手が“ブラック企業”と名指しされる
ゼンショーホールディングス、ワタミがSNSやテレビ等のメディアで“ブラック企業”と批判された。各社の特性と片づけられない、業界の特性がもたらしたブラック化という面にも目を向けて改善を図っていく必要がある。
4. すかいらーく、再上場果たす
かつての“盟主”、業界の牽引役としての復活に期待したいが、経済環境、市場環境の変化の中、先行きは厳しい道のりでもありそう。
5. カッパ・クリエイトの迷走
10月27日、コロワイドが子会社を通じてカッパ・クリエイトに株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表。カッパ・クリエイトも、元気寿司との業務提携解消を決議したと発表した。大株主・神明ホールディングの意向に反しての迷走が話題になった。
そもそもは業績悪化から提携先・統合先を探し始めたことが発端。回転寿司業界にも陰りがと見るべきか。
6. 深刻を極める人手不足
ゼンショーホールディングス、ワタミが“ブラック企業”と言われたことに関連して報じられたが、若年労働力の激減、人手不足は外食産業全体の問題になってきている。
好況になれば外食産業が人手不足に陥ることはバブル期に身に浸みたこと。今後、2020年東京オリンピックに向けて建設業等がさらに人を集めるとすれば、“人事閉店”“人事倒産”も広がるか。
7. 不調の居酒屋市場に“ちょい呑み”旋風とワイン酒場業態の成長
居酒屋チェーンが30カ月を超える低迷に悩まされるなか、ワイン酒場など目先を変えた業態は元気。また、“ちょい呑み”ニーズは、ファミリーレストラン、牛丼、中華、コーヒーなど各業態のチェーンが積極的に掘り起こしている。
8. スターバックス・ジャパン、アメリカ本社の完全子会社化
9月24日、スターバックスコーヒージャパンは親会社の米国スターバックス社がTOBを実施して完全子会社化すると発表した。ジャスダック市場からは上場廃止になる見通し。
日本進出時からのパートナーで大株主のサザビーリーグが売却を打診したとも言われるが、米国本社が日本マーケットを過大に評価していることはないか、今後の動向が注目される。
9. 急激な円安で原材料が高騰
あまりに急激な円安で、輸入食材が軒並み値上がり。来年にかけてさらに値上げが続出すると思われる。
10. コンビニエンスストアとの“胃袋”争奪戦が激化
コンビニコーヒーの攻勢を皮切りに、朝食、昼食市場はコンビニエンスストアがリード。より外食に近いタイプの店舗も登場した。
番外. アサヒビールがなだ万を買収。牛丼チェーンやファミリーレストランで高額商品が好調。