- 東日本大震災
- 東電福島原発問題と責任の所在の不明確さ・東電の自己責任の自覚の欠如
- 東電も含めて相変わらず=変革・自覚のない日本企業のCSR=社会的責任の自覚のなさ
- ヨーロッパ財政危機・ユーロ自体の危機
- 進まない日本の「税制・社会保障制度」の一体改革
- 原発の稼働停止ないし廃炉の増加による「ニューエネルギー」の緊急性の高い経済性ある導入
- 迷える大量の「子羊たち」はどこに向かうのか
- いよいよ表面化し、目につきだした日本の「納税人口減少の深刻化」
- 2011年もGDPマイナス成長・消費者物価指数もマイナスに
- 減速がはっきりしてきた世界経済、とくに新興国のインフレ、経済成長の減速
2012年10大ニュース。私が取り上げる項目は食産業に限らず、経済社会全体に及びますがご了解ください。
1. 東日本大震災
この震災で色々な問題点を痛感させられましたが、とくに日本の農業を担を担う人たちの「高齢化の姿」が目に残りました。早く未来の農業への革新・変化を遂げることが重要です。
TPP参加実現の外圧により、補助金に依らないで、国際的な価格競争力を持つ新しい農業へ変革し、生産重量比による食料消費に即した自給率の向上を実現し、45年以上続く農作物の貿易赤字の減少を実現できるように、抜本的な農業政策の導入を。
2. 東電福島原発問題と責任の所在の不明確さ・東電の自己責任の自覚の欠如
東北問題を短期に見通すことができないのは「元断ちのできない原発問題」が大きいと考えます。東電は解体すべきです。諸悪の根源は東電。
3. 東電も含めて相変わらず=変革・自覚のない日本企業のCSR=社会的責任の自覚のなさ
フリードマンの「新自由主義」の悪癖ですかね――オリンパス、大王製紙、シティバンク、九電、関電、中電、北海道電、その他。
4. ヨーロッパ財政危機・ユーロ自体の危機
グローバリズムで統合された、バーチャル国家とリアルな政治・金融・財政のローカルな現実との乖離。
検討・合意されたはずの危機対応策が何一つ実行に移されない。このままの状況では、ギリシャは早晩デフォルトしてもおかしくない状態。ギリシャには神話時代から知恵の神ミネルバがいるのに。……その使いのフクロウ(アウル)が、自然環境の悪化でいなくなったか。
5. 進まない日本の「税制・社会保障制度」の一体改革
年末にはGDP比で2.3倍近くになる世界で圧倒的に多い国公債の発行高(ギリシャでも2011年末で1.7倍以下、イタリアは1.2倍強にすぎない)。2012年度の政府予算案の内49%が国債を中心とする政府借入金となっている。
日本円はヨーロッパよりも国債の国内消化比率の高さや外貨準備高・対外債権高の多さなどから安全な通貨とされ、円高基調がありますが、いったん何かの機会に売り込まれると「政治力がなく孤立している」だけに、すぐにもギリシャ状態になり得ます。
6. 原発の稼働停止ないし廃炉の増加による「ニューエネルギー」の緊急性の高い経済性ある導入
現在はLNGによる火力発電に頼っていますが、アメリカがLNGに変えて主にカナダ産のシェールガスに切り替えたため(これも別の問題があると言われていますが)、国際的にはLNGは供給過剰気味。しかし足元を見られて価格が上昇している。
太陽光発電は今のところまだ発電変換効率が低い。やっとシャープが37%前後の効率を持つ製品を開発……私は太陽光発電に期待しているのですが。
7. 迷える大量の「子羊たち」はどこに向かうのか
アラブに「春」の訪れは実感できないが。アメリカに端を発した格差是正を求める「指導理念」なき「囲い込みデモ」の行方は? 行政・政治体制に対し人民の「憤怒」の蓄積がどう爆発するか。
8. いよいよ表面化し、目につきだした日本の「納税人口減少の深刻化」
今までも言われていたが、各方面で現実となって目につきだした人口減少、高齢化社会の到来。2012年からは団塊の世代にも年金の支払い開始、「無職者層」の出現、生活保護申請者が戦後最高の210万人近くに、失業保険受給者の大幅な増加。世界の人口は2011年10月に70億人を超えた。これにともないまた、東日本大震災後の考え方の変化もあって、消費構造が大きくデフレ志向に変わった。仕方ないが経済立て直しには問題。
9. 2011年もGDPマイナス成長・消費者物価指数もマイナスに
……5年連続GDPマイナス成長・デフレ基調が鮮明に
日本の財政基盤もますます悪化……再言するがいつ「ギリシャ現象」が
何時日本に起きてもおかしくない
10. 減速がはっきりしてきた世界経済、とくに新興国のインフレ、経済成長の減速
中国(2012年秋の指導部変更で何が起きるか)。
ブラジル(オリンピックの後も経済不安が起きなかった国は最近ではない。ブラジルは既にハイパーに近いインフレ・成長率減少)。
- 1980=モスクワ
- 1984=ロサンゼルス
- 1988=ソウル
- 1992=バルセロナ(スペイン)
- 1996=アトランタ
- 2000=シドニー、今は超健全国となったオーストラリアもオリンピック後一時期財政が低迷・混乱
- 2004=アテネ
- 2008=北京
インド(国際ルール遵守の概念は中国のようにでたらめではないが、民族・言語・社会階層問題等中国よりも複雑)。
タイ(洪水発生の根源は来年にも根絶されていない)。
しかも2012年には世界の指導者の変更が予定されている――アメリカ、ロシア、フランス、中国、韓国、その他。
アメリカの財政赤字拡大も本当に深刻。
2011年第3四半期に210億ドルの予想が300億ドルに。2011年第4四半期には5410億ドルの予想。四半期の赤字としては史上第2位。まとまらない超党派の赤字削減案についての交渉――今の決裂状態だと2013年からは向こう10年で最低1.2兆ドルの赤字削減必要に。予想される軍事予算の大幅削減(一方中国は?)。
今年は取ってつけたような「カラ元気」を探せばありますが、まじめに「10大ニュース」を考えますと「閉塞感」をいや増すものばかりになりました。
アンクル・アウルとしては「閉塞感」を吹き飛ばす方策をまとめているところです。
- 2011年の10大ニュース
- 《特別企画》2011年食の10大ニュース[一覧]
- これまでの「10大ニュース」
- 《特別企画》2010年食の10大ニュース[一覧]