
日本フードサービス協会(JF)は2025年2月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数221、店舗数36,095店=100.5%)合計の売上高は106.0%と拡大。客単価は上昇したが、客数は101.1%と前年同月を上回った。
売上高は、持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードと焼肉ファミリーレストランを除く各業種・業態で前年を上回った。とくに、中華ファミリーレストラン(112.6%)と和風ファストフード(111.4%)は2桁増。中華ファミリーレストランは客数が5.6%伸び、客単価も6.6%上昇した結果。和風ファストフードは客数の伸びは1.0%に留まったが、客単価が10.3%と2桁上昇したことで売上増となった。
ほか、和風ファミリーレストラン、麺類ファストフード、喫茶、その他ファストフード、ディナーレストラン、洋風ファミリーレストランも好調だった。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードは客数が6.8%減、焼肉ファミリーレストランは同4.2%減と客数減が響いた。その他ファストフード、パブ・ビアホールパブ、その他、喫茶も客数が伸び悩んだ。
JFによる概況は以下のとおり。
2月は、うるう年だった前年より営業日数が1日少なかったものの、各社各様の販促キャンペーンや2月として過去最高となった訪日外客数、少なかった雨天日、価格改定による客単価上昇などから、外食全体の売上は前年比106.0%となった。物価高騰が続く中で、価格にますます敏感になる消費者に対応して、価格据え置きなど低価格を売りにしたブランドやキャンペーンが好調を継続している。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年2月)

事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=221) | (N=36,095) | 106.0% | 100.5% | 101.1% | 104.9% | |
ファストフード | 合計 | (N=51) | (N=20,955) | 105.9% | 101.1% | 100.9% | 105.0% |
洋風 | (N=16) | (N=6,113) | 104.8% | 101.4% | 103.3% | 101.5% | |
和風 | (N=13) | (N=5,239) | 111.4% | 102.1% | 101.0% | 110.3% | |
麺類 | (N=17) | (N=3,123) | 108.4% | 100.2% | 100.6% | 107.8% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=19) | (N=4,112) | 98.1% | 99.7% | 93.2% | 105.3% | |
その他 | (N=8) | (N=2,368) | 106.7% | 101.6% | 96.9% | 110.1% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,025) | 106.5% | 99.4% | 102.1% | 104.3% |
洋風 | (N=32) | (N=4,822) | 106.0% | 97.1% | 101.8% | 104.2% | |
和風 | (N=32) | (N=2,573) | 109.1% | 101.7% | 102.2% | 106.7% | |
中華 | (N=13) | (N=1,241) | 112.6% | 103.0% | 105.6% | 106.6% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,389) | 98.4% | 100.5% | 95.8% | 102.7% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=34) | (N=1,535) | 102.7% | 101.9% | 100.1% | 102.6% |
パブ・ビアホール | (N=12) | (N=423) | 101.4% | 101.4% | 97.6% | 103.9% | |
居酒屋 | (N=27) | (N=1,112) | 103.4% | 102.0% | 101.7% | 101.7% | |
ディナーレストラン(計) | (N=24) | (N=856) | 106.3% | 100.1% | 105.2% | 101.1% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=2,472) | 107.2% | 100.0% | 99.4% | 107.9% | |
その他(計) | (N=21) | (N=252) | 102.5% | 98.4% | 98.5% | 104.0% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は51、店舗数は20,955店(101.1%)。客単価は際立って上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は105.9%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数16、店舗数6,113店=101.4%)は、客単価は上昇したが、客数は103.3%と前年同月を上回った。売上高は104.8%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数13、店舗数5,239店=102.1%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は101.0%と前年同月を上回った。売上高は111.4%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,123店=100.2%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.6%と前年並み。売上高は108.4%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数19、店舗数4,112店=99.7%)は、客単価は際立って上昇し、客数は93.2%と減少。売上高は98.1%と前年同月を下回った。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,368店=101.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は96.9%と前年同月を下回った。売上高は106.7%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,025店(99.4%)。客単価は上昇したが、客数は102.1%と前年同月を上回った。売上高は106.5%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数4,822店=97.1%)は、客単価は上昇したが、客数は101.8%と前年同月を上回った。売上高は106.0%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数2,573店=101.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.2%と前年同月を上回った。売上高は109.1%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,241店=103.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.6%と増加。売上高は112.6%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,389店=100.5%)は、客単価は上昇し、客数は95.8%と前年同月を下回った。売上高は98.4%と前年同月を下回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は34、店舗数は1,535店(101.9%)。客単価は上昇しながら、客数は100.1%と前年並み。売上高は102.7%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数12、店舗数423店=101.4%)は、客単価は上昇し、客数は97.6%と前年同月を下回った。売上高は101.4%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数27、店舗数1,112店=102.0%)は、客単価は上昇したが、客数は101.7%と前年同月を上回った。売上高は103.4%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数24、店舗数856店=100.1%)は、客単価は上昇したが、客数は105.2%と増加。売上高は106.3%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数2,472店=100.0%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.4%とほぼ前年並み。売上高は107.2%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数21、店舗数252店=98.4%)は、客単価は上昇し、客数は98.5%と前年同月を下回った。売上高は102.5%と前年同月を上回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html