日本フードサービス協会(JF)は外食産業市場動向調査2024年年間結果を発表した。全体の売上高は108.4%と拡大。客単価は上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。
売上高はすべての業種・業態で前年を上回った。和風ファストフード(113.0%)、麺類ファストフード(112.6%)、その他ファストフード(111.0%)、和風ファミリーレストラン(110.8%)、中華ファミリーレストラン(110.1%)は2桁増。
客数は持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードを除くすべての業種・業態で前年を上回った。
客単価はすべての業種・業態で前年を上回った。
JFによる概況は以下のとおり。
令和6年(2024年)の外食需要は、令和5年(2023年)5月8日以降の新型コロナ感染症の行動規制撤廃により、多くの業態でコロナ禍のダメージからの回復傾向がみられ、コロナ禍の中で健闘していた「ファーストフード」が昨年も引き続き牽引したことに加え、度重なる価格改定による「客単価の上昇」とあいまって、売上は前年比108.4%となった。”LF”年間を通して訪日外客数は大きく増加し、2024年は過去最高だったコロナ前の2019年を上回り、「ディナーレストラン」などを中心に、外食の売上のプラス要因となった。”LF”だが、コメ価格をはじめ原材料費の高騰で「値上げ」せざるを得ない状況が続いており、客単価は上昇したものの(103.9%)、一部企業では客数の伸び悩みがみられるなど、外食経営を圧迫している。一方で、物価高騰に伴い消費者の節約志向も進んでおり、割引きキャンペーンや価格据え置きを実行する企業や、相対的に価格が安い「ファーストフード」等の企業が、堅調に推移する状況も見られた。
売上高と店舗数の伸び率推移(前年比。〜2024年)
売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
---|---|---|---|---|---|
全体 | 108.4% | 99.7% | 104.3% | 103.9% | |
ファストフード | 合計 | 108.1% | 100.5% | 103.9% | 104.1% |
洋風 | 106.1% | 101.0% | 103.0% | 103.0% | |
和風 | 113.0% | 102.0% | 106.5% | 106.1% | |
麺類 | 112.6% | 99.7% | 104.1% | 108.2% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | 102.6% | 99.0% | 99.6% | 103.1% | |
その他 | 111.0% | 99.8% | 104.9% | 105.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | 109.5% | 98.6% | 105.7% | 103.5% |
洋風 | 109.6% | 96.4% | 105.9% | 103.5% | |
和風 | 110.8% | 100.6% | 105.4% | 105.1% | |
中華 | 110.1% | 102.1% | 106.3% | 103.6% | |
焼肉 | 106.1% | 99.6% | 103.4% | 102.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | 105.5% | 97.9% | 103.0% | 102.4% |
パブ・ビアホール | 105.9% | 98.8% | 101.5% | 104.4% | |
居酒屋 | 105.3% | 97.7% | 104.0% | 101.3% | |
ディナーレストラン(計) | 106.6% | 97.9% | 105.3% | 101.2% | |
喫茶(計) | 109.0% | 99.9% | 103.5% | 105.3% | |
その他(計) | 107.2% | 101.0% | 104.5% | 102.6% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の客単価は上昇したが、客数は103.9%と前年同月を上回った。売上高は108.1%と拡大。
洋風ファストフードは、客単価は上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。売上高は106.1%と拡大。
和風ファストフードは、客単価は際立って上昇したが、客数は106.5%と増加。売上高は113.0%と2桁の拡大。
麺類ファストフードは、客単価は際立って上昇したが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は112.6%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードは、客単価は上昇しながら、客数は99.6%とほぼ前年並み。売上高は102.6%と前年同月を上回った。
その他ファストフードは、客単価は際立って上昇したが、客数は104.9%と前年同月を上回った。売上高は111.0%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の客単価は上昇したが、客数は105.7%と増加。売上高は109.5%と拡大。
洋風ファミリーレストランは、客単価は上昇したが、客数は105.9%と増加。売上高は109.6%と拡大。
和風ファミリーレストランは、客単価は際立って上昇したが、客数は105.4%と増加。売上高は110.8%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストランは、客単価は上昇したが、客数は106.3%と増加。売上高は110.1%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストランは、客単価は上昇したが、客数は103.4%と前年同月を上回った。売上高は106.1%と拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の客単価は上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。売上高は105.5%と拡大。
パブ・ビアホールは、客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は105.9%と拡大。
居酒屋は、客単価は上昇したが、客数は104.0%と前年同月を上回った。売上高は105.3%と拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体は、客単価は上昇したが、客数は105.3%と増加。売上高は106.6%と拡大。
喫茶
喫茶全体は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.5%と前年同月を上回った。売上高は109.0%と拡大。
その他の業態
その他全体は、客単価は上昇したが、客数は104.5%と前年同月を上回った。売上高は107.2%と拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html