日本フードサービス協会(JF)は2024年7月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数228、店舗数36,613店=99.6%)合計の売上高は104.3%と前年同月を上回った。客単価は上昇しながら、客数は100.7%と前年並み。
売上高では、和風ファストフード(111.2%)、麺類ファストフード(109.2%)、中華ファミリーレストラン(108.8%)、喫茶(108.6%)、和風ファミリーレストラン(107.0%)などが好調だった。これらでは客数増と客単価上昇の両方が見られた。
一方、焼肉ファミリーレストラン(98.5%)は前年同月割れ、持ち帰り米飯/回転寿司(100.0%)、洋風ファストフード(100.9%)は前年並みとなった。これらおよび、洋風ファストフード、麺類ファストフード、その他ファストフード、パブ・ビアホールパブ、その他は、客数が前年同月を下回った。
なお、焼肉ファミリーレストランの前年の対前々年比は116.5%と好調であったが、全体の同比が114.2%のなかで、同業態だけが突出して好調だったとは言えない。
JFによる概況は以下のとおり。
7月は前年より土・日が1日ずつ少なく、昨年同様の記録的な猛暑で一部で外出を控える傾向も見られたが、首都圏では夕立に見舞われたターミナル駅の店舗では雨宿り需要もみられ、26日開幕のパリ五輪では一部業態の持ち帰り需要が伸びた。円安による訪日外国人需要も引き続き売り上げを押し上げ、継続する物価高騰に対応した値ごろ感のある商品への支持も続いている。総じて外食は堅調を維持し、全体売上は前年比104.3%となった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2024年7月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=228) | (N=36,613) | 104.3% | 99.6% | 100.7% | 103.6% | |
ファストフード | 合計 | (N=54) | (N=20,996) | 104.2% | 100.4% | 100.6% | 103.6% |
洋風 | (N=18) | (N=6,328) | 100.9% | 100.8% | 98.9% | 101.9% | |
和風 | (N=14) | (N=5,173) | 111.2% | 102.1% | 104.6% | 106.3% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,023) | 109.2% | 99.6% | 99.3% | 110.0% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,126) | 100.0% | 98.8% | 98.4% | 101.6% | |
その他 | (N=7) | (N=2,346) | 103.0% | 100.0% | 99.4% | 103.7% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=69) | (N=10,149) | 104.2% | 98.0% | 99.9% | 104.3% |
洋風 | (N=34) | (N=4,962) | 103.3% | 95.7% | 98.5% | 104.9% | |
和風 | (N=33) | (N=2,594) | 107.0% | 101.1% | 102.6% | 104.3% | |
中華 | (N=13) | (N=1,224) | 108.8% | 102.3% | 103.6% | 105.0% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,369) | 98.5% | 97.4% | 96.5% | 102.1% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=1,797) | 103.4% | 98.7% | 101.3% | 102.0% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=394) | 103.3% | 99.0% | 99.6% | 103.7% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,403) | 103.5% | 98.7% | 102.5% | 101.0% | |
ディナーレストラン(計) | (N=24) | (N=922) | 102.8% | 98.5% | 102.3% | 100.5% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=2,460) | 108.6% | 99.4% | 103.9% | 104.5% | |
その他(計) | (N=21) | (N=289) | 103.1% | 101.0% | 99.9% | 103.3% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は54、店舗数は20,996店(100.4%)。客単価は上昇しながら、客数は100.6%と前年並み。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,328店=100.8%)は、客単価は上昇し、客数は98.9%と前年同月を下回った。売上高は100.9%と前年同月をクリア。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,173店=102.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は111.2%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,023店=99.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇しながら、客数は99.3%とほぼ前年並み。売上高は109.2%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,126店=98.8%)は、客単価は上昇し、客数は98.4%と前年同月を下回った。売上高は100.0%と前年同月をクリア。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,346店=100.0%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.4%とほぼ前年並み。売上高は103.0%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は69、店舗数は10,149店(98.0%)。客単価は上昇しながら、客数は99.9%とほぼ前年並み。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数4,962店=95.7%)は、客単価は上昇し、客数は98.5%と前年同月を下回った。売上高は103.3%と前年同月を上回った。
和風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数2,594店=101.1%)は、客単価は上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は107.0%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,224店=102.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.6%と前年同月を上回った。売上高は108.8%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,369店=97.4%)は、客単価は上昇し、客数は96.5%と前年同月を下回った。売上高は98.5%と前年同月を下回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は1,797店(98.7%)。客単価は上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は103.4%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数394店=99.0%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.6%とほぼ前年並み。売上高は103.3%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,403店=98.7%)は、客単価は上昇したが、客数は102.5%と前年同月を上回った。売上高は103.5%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数24、店舗数922店=98.5%)は、客単価は前年並みだが、客数は102.3%と前年同月を上回った。売上高は102.8%と前年同月を上回った。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数2,460店=99.4%)は、客単価は上昇したが、客数は103.9%と前年同月を上回った。売上高は108.6%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数21、店舗数289店=101.0%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.9%とほぼ前年並み。売上高は103.1%と前年同月を上回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html