日本フードサービス協会(JF)は2024年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数233、店舗数37,030店=99.8%)合計の売上高は106.0%と拡大。客単価は上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。
全体の売上高は前年比+6.0%だが、前月の+11.2%、前々月の+11.4%よりも後退した。業種・業態別では、その他ファストフード(+11.4%)、麺類ファストフード(+10.2%)が2桁増。ほか、焼肉ファミリーレストランを除くすべての業態で前年比増となった。
客数は、焼肉ファミリーレストランと持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードを除く各業種・業態で前年比増。ただ、5%を超える増加となったのは、その他ファストフード(+6.6%)、その他(+6.4%)、洋風ファミリーレストラン(+5.8%)、中華ファミリーレストラン(+5.3%)の4件で、前月、前々月に比べて少ない。
JFによる概況は以下のとおり。
4月は全国的に桜の開花が遅れたことで花見需要が昨年より増え、また春の歓送迎会の後押しもあり、外食全体の売上は前年比106.0%、19年比115.1%となった。全国各地では国内外からの観光客の消費が活発であったが、コロナ禍が明けて一年近くが経つ現在、物価高騰が続き、低価格重視の消費志向が高まる傾向にあり、利益を伴う売上増はおおむね前年ほどではない。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2024年4月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=233) | (N=37,030) | 106.0% | 99.8% | 103.0% | 102.9% | |
ファストフード | 合計 | (N=54) | (N=21,228) | 105.4% | 100.6% | 102.3% | 103.1% |
洋風 | (N=18) | (N=6,283) | 104.3% | 100.8% | 101.5% | 102.8% | |
和風 | (N=13) | (N=5,242) | 106.7% | 103.0% | 103.3% | 103.2% | |
麺類 | (N=17) | (N=3,125) | 110.2% | 98.8% | 103.5% | 106.5% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=21) | (N=4,226) | 101.3% | 99.1% | 98.9% | 102.4% | |
その他 | (N=8) | (N=2,352) | 111.4% | 99.8% | 106.6% | 104.4% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=68) | (N=10,252) | 107.0% | 98.9% | 104.6% | 102.3% |
洋風 | (N=34) | (N=5,015) | 109.2% | 96.5% | 105.8% | 103.2% | |
和風 | (N=31) | (N=2,563) | 106.9% | 100.3% | 102.7% | 104.1% | |
中華 | (N=13) | (N=1,232) | 107.7% | 101.7% | 105.3% | 102.2% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,442) | 98.9% | 102.6% | 97.2% | 101.7% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=37) | (N=1,855) | 105.7% | 97.2% | 104.1% | 101.5% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=392) | 107.1% | 98.5% | 104.1% | 102.8% | |
居酒屋 | (N=31) | (N=1,463) | 105.0% | 96.8% | 104.1% | 100.9% | |
ディナーレストラン(計) | (N=26) | (N=936) | 103.5% | 97.7% | 102.6% | 100.8% | |
喫茶(計) | (N=26) | (N=2,469) | 108.6% | 99.2% | 103.1% | 105.4% | |
その他(計) | (N=22) | (N=290) | 105.9% | 102.1% | 106.4% | 99.5% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は54、店舗数は21,228店(100.6%)。客単価は上昇したが、客数は102.3%と前年同月を上回った。売上高は105.4%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,283店=100.8%)は、客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は104.3%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数13、店舗数5,242店=103.0%)は、客単価は上昇したが、客数は103.3%と前年同月を上回った。売上高は106.7%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,125店=98.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.5%と前年同月を上回った。売上高は110.2%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数21、店舗数4,226店=99.1%)は、客単価は上昇し、客数は98.9%と前年同月を下回った。売上高は101.3%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,352店=99.8%)は、客単価は上昇したが、客数は106.6%と増加。売上高は111.4%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は68、店舗数は10,252店(98.9%)。客単価は上昇したが、客数は104.6%と前年同月を上回った。売上高は107.0%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数5,015店=96.5%)は、客単価は上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は109.2%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,563店=100.3%)は、客単価は上昇したが、客数は102.7%と前年同月を上回った。売上高は106.9%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,232店=101.7%)は、客単価は上昇したが、客数は105.3%と増加。売上高は107.7%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,442店=102.6%)は、客単価は上昇し、客数は97.2%と前年同月を下回った。売上高は98.9%と前年同月を下回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は37、店舗数は1,855店(97.2%)。客単価は上昇したが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は105.7%と拡大。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数392店=98.5%)は、客単価は上昇したが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は107.1%と拡大。
居酒屋(事業社数31、店舗数1,463店=96.8%)は、客単価は前年並みだが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は105.0%と拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数26、店舗数936店=97.7%)は、客単価は前年並みだが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は103.5%と前年同月を上回った。
喫茶
喫茶全体(事業社数26、店舗数2,469店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は108.6%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数22、店舗数290店=102.1%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は106.4%と増加。売上高は105.9%と拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html