日本フードサービス協会(JF)は2023年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数225、店舗数36,651店=98.6%)合計の売上高は115.8%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は106.5%と増加。
売上高はすべての業種・業態が前年比1割以上の上昇。とくに、パブ/居酒屋カテゴリーは3割増、喫茶、ディナーレストラン、その他、焼肉ファミリーレストランは2割増となった。すべての業種・業態で、客数は前年を上回り、客単価も前年から大きく上昇している。
JFによる概況は以下のとおり。
4月は、マスク規制の緩和や、コロナ感染症の5類移行を見据えた動きにより、消費者の外食意欲が戻り、歓送迎会や春休みの需要が好調。また、インバウンドも回復傾向にあり、外食全体の売上は115.8%、19年比でも107.0%となった。だが、世界情勢の変化に伴う諸コストの上昇分を価格転嫁だけで補うことは難しく、経営的には厳しい状況が続いている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年4月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | (N=225) | (N=36,651) | 115.8% | 98.6% | 106.5% | 108.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=55) | (N=21,194) | 112.9% | 99.7% | 104.5% | 108.0% |
洋風 | (N=18) | (N=6,275) | 111.2% | 101.2% | 101.3% | 109.9% | |
和風 | (N=15) | (N=5,065) | 117.0% | 99.2% | 109.1% | 107.2% | |
麺類 | (N=20) | (N=3,167) | 118.0% | 98.8% | 106.9% | 110.4% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,333) | 109.2% | 98.5% | 103.1% | 106.0% | |
その他 | (N=6) | (N=2,354) | 112.8% | 100.0% | 104.5% | 107.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,478) | 118.0% | 98.1% | 109.9% | 107.3% |
洋風 | (N=32) | (N=5,172) | 117.1% | 97.9% | 110.3% | 106.1% | |
和風 | (N=32) | (N=2,566) | 118.9% | 97.9% | 107.0% | 111.1% | |
中華 | (N=12) | (N=1,371) | 116.6% | 100.1% | 111.2% | 104.9% | |
焼肉 | (N=18) | (N=1,369) | 121.0% | 97.2% | 113.1% | 106.9% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=33) | (N=1,852) | 131.9% | 90.4% | 119.5% | 110.3% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=390) | 140.7% | 94.7% | 122.6% | 114.7% | |
居酒屋 | (N=27) | (N=1,462) | 127.8% | 89.3% | 117.8% | 108.4% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=975) | 122.4% | 94.0% | 115.0% | 106.4% | |
喫茶(計) | (N=23) | (N=1,897) | 124.3% | 100.4% | 109.9% | 113.1% | |
その他(計) | (N=20) | (N=255) | 121.3% | 98.5% | 112.7% | 107.6% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は55、店舗数は21,194店(99.7%)。客単価は際立って上昇したが、客数は104.5%と前年同月を上回った。売上高は112.9%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,275店=101.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は111.2%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,065店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は109.1%と増加。売上高は117.0%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,167店=98.8%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は106.9%と増加。売上高は118.0%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,333店=98.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は109.2%と拡大。
その他ファストフード(事業社数6、店舗数2,354店=100.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.5%と前年同月を上回った。売上高は112.8%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,478店(98.1%)。客単価は際立って上昇したが、客数は109.9%と増加。売上高は118.0%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数5,172店=97.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は110.3%と2桁の大幅増。売上高は117.1%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数2,566店=97.9%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は107.0%と増加。売上高は118.9%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,371店=100.1%)は、客単価は上昇したが、客数は111.2%と2桁の大幅増。売上高は116.6%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,369店=97.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は113.1%と2桁の大幅増。売上高は121.0%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は33、店舗数は1,852店(90.4%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は119.5%と2桁の大幅増。売上高は131.9%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数390店=94.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は122.6%と2桁の大幅増。売上高は140.7%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数27、店舗数1,462店=89.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は117.8%と2桁の大幅増。売上高は127.8%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数975店=94.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は115.0%と2桁の大幅増。売上高は122.4%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数23、店舗数1,897店=100.4%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は109.9%と増加。売上高は124.3%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数20、店舗数255店=98.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は112.7%と2桁の大幅増。売上高は121.3%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html