日本フードサービス協会(JF)は2023年3月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数223、店舗数36,589店=98.7%)合計の売上高は118.8%と2桁の拡大。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は108.0%と増加。
前月に続き、売上高、客数、客単価はいずれも、すべての業種・業態で前年同月を上回った。とくに売上高はほとんどの業種・業態で10%以上の増。苦戦が続いたパブ/居酒屋のグループは桁違いの増となっているが、ほかにディナー系と喫茶も力強い。ただし、居酒屋、ディナーレストラン、パブ・ビアホールパブなどは店舗数の減少も目立つ数字となっている。
JFによる概況は以下のとおり。
3月は、13日よりマスク着用が個人の判断に委ねられ、コロナ規制の緩和への動きがよりいっそう明確になり、外食全体の売上は118.8%、19年比でも101.5%となった。好調の要因は主に歓送迎会や春休みのシーズンで個人や家族客、中小宴会が増加したことだが、大規模宴会や夜遅い時間帯の集客はまだまだ弱い。5月8日にコロナが「5類」に引き下げられ、規制の無い社会・経済活動を取り戻せるように期待したい。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年3月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=223) | (N=36,589) | 118.8% | 98.7% | 108.0% | 110.0% | |
ファストフード | 合計 | (N=55) | (N=21,190) | 110.9% | 99.7% | 104.2% | 106.4% |
洋風 | (N=18) | (N=6,270) | 108.6% | 101.2% | 101.3% | 107.2% | |
和風 | (N=14) | (N=5,051) | 112.8% | 98.9% | 107.5% | 104.9% | |
麺類 | (N=20) | (N=3,165) | 119.2% | 99.0% | 107.8% | 110.5% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,347) | 108.4% | 98.8% | 102.4% | 105.8% | |
その他 | (N=7) | (N=2,357) | 115.2% | 100.2% | 106.2% | 108.5% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,460) | 126.2% | 98.5% | 114.2% | 110.5% |
洋風 | (N=34) | (N=5,220) | 124.6% | 98.1% | 116.3% | 107.1% | |
和風 | (N=31) | (N=2,500) | 125.3% | 98.5% | 114.8% | 109.1% | |
中華 | (N=12) | (N=1,375) | 120.4% | 101.3% | 105.4% | 114.2% | |
焼肉 | (N=15) | (N=1,365) | 139.7% | 97.6% | 115.1% | 121.3% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=34) | (N=1,854) | 189.4% | 90.7% | 166.2% | 113.9% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=391) | 204.5% | 95.1% | 174.9% | 116.9% | |
居酒屋 | (N=28) | (N=1,463) | 182.6% | 89.6% | 161.5% | 113.1% | |
ディナーレストラン(計) | (N=26) | (N=964) | 136.2% | 95.1% | 125.6% | 108.4% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,888) | 127.5% | 99.7% | 112.8% | 113.0% | |
その他(計) | (N=18) | (N=233) | 121.5% | 97.9% | 112.9% | 107.6% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は55、店舗数は21,190店(99.7%)。客単価は際立って上昇したが、客数は104.2%と前年同月を上回った。売上高は110.9%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,270店=101.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は108.6%と拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,051店=98.9%)は、客単価は上昇したが、客数は107.5%と増加。売上高は112.8%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,165店=99.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は107.8%と増加。売上高は119.2%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,347店=98.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.4%と前年同月を上回った。売上高は108.4%と拡大。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,357店=100.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.2%と増加。売上高は115.2%と2桁の拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,460店(98.5%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は114.2%と2桁の大幅増。売上高は126.2%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数5,220店=98.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は116.3%と2桁の大幅増。売上高は124.6%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,500店=98.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は114.8%と2桁の大幅増。売上高は125.3%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,375店=101.3%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は105.4%と増加。売上高は120.4%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数15、店舗数1,365店=97.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は115.1%と2桁の大幅増。売上高は139.7%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は34、店舗数は1,854店(90.7%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は166.2%と2桁の大幅増。売上高は189.4%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数391店=95.1%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は174.9%と2桁の大幅増。売上高は204.5%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,463店=89.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は161.5%と2桁の大幅増。売上高は182.6%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数26、店舗数964店=95.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は125.6%と2桁の大幅増。売上高は136.2%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,888店=99.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は112.8%と2桁の大幅増。売上高は127.5%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数18、店舗数233店=97.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は112.9%と2桁の大幅増。売上高は121.5%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html