日本フードサービス協会(JF)は2022年12月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数225、店舗数36,874店=98.7%)合計の売上高は108.6%と拡大。客単価は際立って上昇しながら、客数は100.8%と前年並み。
全体では客数は前年並みで、客単価上昇によって売上増となった形。すべての業種・業態で売上高は前年同月を上回っているが、客数を見るとその他、洋風ファミリーレストラン、その他ファストフード、居酒屋、焼肉ファミリーレストラン、麺類ファストフード、和風ファストフードの各業態で前年同月を下回っている。
すべての業種・業態で客単価は上昇しており、とくに麺類ファストフード、パブ・ビアホールパブ、その他は2桁の上昇となっている。
JFによる概況は以下のとおり。
12月は、コロナの新規感染者数が増加傾向の中、年末にかけて個人客や家族客の外食需要が増え、価格改定の後押しもあり、外食の全体売上は前年比108.6%、19年比で100.6%となった。しかし、夜間需要や大人数の忘年会需要は戻らず、FR、DR、飲酒業態など店内飲食中心の業態は、コロナ前の売上に届かない状況が続いている。特に店舗数が19年の7割台に減少した「パブ」と「居酒屋」は、売上も19年比では5~6割台となった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年12月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=225) | (N=36,874) | 108.6% | 98.7% | 100.8% | 107.7% | |
ファストフード | 合計 | (N=57) | (N=21,265) | 110.6% | 99.4% | 101.3% | 109.1% |
洋風 | (N=19) | (N=6,268) | 113.2% | 100.7% | 103.3% | 109.6% | |
和風 | (N=15) | (N=5,062) | 106.7% | 99.0% | 99.3% | 107.5% | |
麺類 | (N=21) | (N=3,175) | 112.2% | 98.2% | 99.1% | 113.2% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,359) | 108.1% | 99.0% | 103.4% | 104.5% | |
その他 | (N=8) | (N=2,401) | 106.4% | 98.9% | 97.9% | 108.7% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,534) | 104.7% | 98.8% | 99.1% | 105.7% |
洋風 | (N=33) | (N=5,253) | 104.4% | 98.4% | 97.8% | 106.8% | |
和風 | (N=31) | (N=2,523) | 105.5% | 98.6% | 100.5% | 104.9% | |
中華 | (N=13) | (N=1,371) | 107.4% | 100.7% | 102.8% | 104.6% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,387) | 102.3% | 98.7% | 98.5% | 103.9% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=33) | (N=1,927) | 108.3% | 92.7% | 101.2% | 107.1% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=406) | 119.4% | 94.4% | 106.4% | 112.2% | |
居酒屋 | (N=27) | (N=1,521) | 103.3% | 92.2% | 98.2% | 105.2% | |
ディナーレストラン(計) | (N=29) | (N=1,028) | 108.8% | 96.9% | 103.7% | 104.8% | |
喫茶(計) | (N=22) | (N=1,893) | 108.3% | 99.2% | 101.2% | 107.0% | |
その他(計) | (N=18) | (N=227) | 105.8% | 94.6% | 96.1% | 110.1% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は57、店舗数は21,265店(99.4%)。客単価は際立って上昇したが、客数は101.3%と前年同月を上回った。売上高は110.6%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数19、店舗数6,268店=100.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.3%と前年同月を上回った。売上高は113.2%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,062店=99.0%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.3%とほぼ前年並み。売上高は106.7%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数21、店舗数3,175店=98.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇しながら、客数は99.1%とほぼ前年並み。売上高は112.2%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,359店=99.0%)は、客単価は上昇したが、客数は103.4%と前年同月を上回った。売上高は108.1%と拡大。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,401店=98.9%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.9%と前年同月を下回った。売上高は106.4%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,534店(98.8%)。客単価は際立って上昇しながら、客数は99.1%とほぼ前年並み。売上高は104.7%と前年同月を上回った。
洋風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数5,253店=98.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.8%と前年同月を下回った。売上高は104.4%と前年同月を上回った。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,523店=98.6%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.5%と前年並み。売上高は105.5%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,371店=100.7%)は、客単価は上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は107.4%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,387店=98.7%)は、客単価は上昇し、客数は98.5%と前年同月を下回った。売上高は102.3%と前年同月を上回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は33、店舗数は1,927店(92.7%)。客単価は際立って上昇したが、客数は101.2%と前年同月を上回った。売上高は108.3%と拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数406店=94.4%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は106.4%と増加。売上高は119.4%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数27、店舗数1,521店=92.2%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.2%と前年同月を下回った。売上高は103.3%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数29、店舗数1,028店=96.9%)は、客単価は上昇したが、客数は103.7%と前年同月を上回った。売上高は108.8%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数22、店舗数1,893店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.2%と前年同月を上回った。売上高は108.3%と拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数18、店舗数227店=94.6%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は96.1%と前年同月を下回った。売上高は105.8%と拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html