日本フードサービス協会(JF)は2022年11月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数214、店舗数36,802店=98.9%)合計の売上高は108.9%と拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。
すべての業種・業態で売上高は前年比プラス。客数の前年比が最も大きかったのは、パブ・ビアホールパブと居酒屋。和風ファストフード、麺類ファストフード、焼肉ファミリーレストランは客数が前年を割ったが、客単価が上昇した。
客単価はすべての業種・業態で上昇している。消費ムードの改善のみならず、各社の値上げも効いていると見られる。
JFでは「11月の外食は、コロナ第8波が拡大中も行動制限がなく、相次ぐ価格改定に加え、インバウンド受け入れや全国的な旅行支援が10月から実施され、おおむね表面上の売上数値は伸びて対前年比108.9%となった」と報告している。また、「だが原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰は価格改定ではカバーしきれないほど大きい。さらに、自粛気味の消費マインドが加わり、とくに夜間の客数が振るわず、全体として勢いのある回復とは言えない」と、会員社の状況を伝えている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年11月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=214) | (N=36,802) | 108.9% | 98.9% | 101.5% | 107.2% | |
ファストフード | 合計 | (N=54) | (N=21,288) | 109.2% | 99.4% | 100.9% | 108.2% |
洋風 | (N=17) | (N=6,376) | 111.7% | 100.3% | 102.5% | 109.0% | |
和風 | (N=14) | (N=5,040) | 108.1% | 99.2% | 99.6% | 108.5% | |
麺類 | (N=21) | (N=3,170) | 106.8% | 98.1% | 98.7% | 108.3% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=19) | (N=4,353) | 106.5% | 99.2% | 100.5% | 105.9% | |
その他 | (N=6) | (N=2,349) | 105.1% | 99.5% | 102.1% | 102.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=64) | (N=10,439) | 107.5% | 99.1% | 102.6% | 104.8% |
洋風 | (N=29) | (N=5,054) | 108.9% | 99.0% | 102.8% | 105.9% | |
和風 | (N=33) | (N=2,642) | 108.1% | 98.5% | 101.6% | 106.4% | |
中華 | (N=13) | (N=1,366) | 109.3% | 101.5% | 105.0% | 104.2% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,377) | 100.2% | 98.6% | 97.9% | 102.4% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=32) | (N=1,958) | 114.7% | 93.5% | 107.9% | 106.3% |
パブ・ビアホール | (N=9) | (N=418) | 124.4% | 96.5% | 111.8% | 111.3% | |
居酒屋 | (N=26) | (N=1,540) | 110.2% | 92.8% | 105.6% | 104.3% | |
ディナーレストラン(計) | (N=25) | (N=981) | 108.1% | 97.4% | 103.2% | 104.8% | |
喫茶(計) | (N=23) | (N=1,913) | 111.4% | 100.0% | 103.1% | 108.1% | |
その他(計) | (N=16) | (N=223) | 107.1% | 96.5% | 100.4% | 106.7% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は54、店舗数は21,288店(99.4%)。客単価は際立って上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は109.2%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数17、店舗数6,376店=100.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.5%と前年同月を上回った。売上高は111.7%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,040店=99.2%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.6%とほぼ前年並み。売上高は108.1%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数21、店舗数3,170店=98.1%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.7%と前年同月を下回った。売上高は106.8%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数19、店舗数4,353店=99.2%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.5%と前年並み。売上高は106.5%と拡大。
その他ファストフード(事業社数6、店舗数2,349店=99.5%)は、客単価は上昇したが、客数は102.1%と前年同月を上回った。売上高は105.1%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は64、店舗数は10,439店(99.1%)。客単価は上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は107.5%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数29、店舗数5,054店=99.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は108.9%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数2,642店=98.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.6%と前年同月を上回った。売上高は108.1%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,366店=101.5%)は、客単価は上昇したが、客数は105.0%と増加。売上高は109.3%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,377店=98.6%)は、客単価は上昇し、客数は97.9%と前年同月を下回った。売上高は100.2%と前年同月をクリア。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は32、店舗数は1,958店(93.5%)。客単価は際立って上昇したが、客数は107.9%と増加。売上高は114.7%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数418店=96.5%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は111.8%と2桁の大幅増。売上高は124.4%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数26、店舗数1,540店=92.8%)は、客単価は上昇したが、客数は105.6%と増加。売上高は110.2%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数25、店舗数981店=97.4%)は、客単価は上昇したが、客数は103.2%と前年同月を上回った。売上高は108.1%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数23、店舗数1,913店=100.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は111.4%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数16、店舗数223店=96.5%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.4%と前年並み。売上高は107.1%と拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html