日本フードサービス協会(JF)は2022年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数230、店舗数36,996店=98.9%)合計の売上高は114.8%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は106.3%と増加。
すべての業種・業態で客単価が前年を上回っており、各社の値上げの結果が数字に表れた形。客数は持ち帰り米飯/回転寿司FFS以外のすべてで増加しており、長らく不振だったアルコール系以外でもファミリーレストランの各業種で2桁の伸びが見られた。JFによると、全体売上はコロナ禍以前の数字を初めて上回った。
JFによる概況は以下のとおり。
10月は11日より「全国旅行支援」や「水際対策の大幅緩和」が始まり、秋の訪れとともに全国で人の流れが活発化し、おおむね店舗数減少の中でも客数増となり、価格改定による客単価増とあいまって、全体売上は114.8%となった。業態によって差異はあるが、全体では19年対比で初めてコロナ以前を上回り105.5%になった。しかし、新たにインフレとの闘いという難問に直面している。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年10月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=230) | (N=36,996) | 114.8% | 98.9% | 106.3% | 108.0% | |
ファストフード | 合計 | (N=57) | (N=21,243) | 109.9% | 99.3% | 103.0% | 106.7% |
洋風 | (N=18) | (N=6,195) | 110.8% | 100.8% | 103.9% | 106.7% | |
和風 | (N=14) | (N=5,037) | 111.0% | 99.2% | 101.8% | 109.1% | |
麺類 | (N=22) | (N=3,248) | 113.0% | 97.1% | 105.5% | 107.1% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,365) | 105.1% | 99.4% | 99.2% | 106.0% | |
その他 | (N=7) | (N=2,398) | 107.1% | 98.2% | 105.8% | 101.2% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,619) | 120.3% | 98.9% | 113.4% | 106.0% |
洋風 | (N=32) | (N=5,261) | 121.3% | 98.5% | 113.4% | 107.0% | |
和風 | (N=32) | (N=2,603) | 120.6% | 98.3% | 113.1% | 106.6% | |
中華 | (N=13) | (N=1,368) | 118.3% | 101.7% | 113.9% | 103.9% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,387) | 118.2% | 99.1% | 114.2% | 103.5% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=1,989) | 149.7% | 94.4% | 137.9% | 108.5% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=424) | 154.1% | 97.7% | 141.6% | 108.8% | |
居酒屋 | (N=28) | (N=1,565) | 147.6% | 93.5% | 135.8% | 108.7% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=996) | 124.8% | 97.8% | 117.4% | 106.3% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,900) | 119.0% | 99.2% | 108.8% | 109.4% | |
その他(計) | (N=20) | (N=249) | 114.3% | 100.0% | 107.9% | 105.9% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は57、店舗数は21,243店(99.3%)。客単価は際立って上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。売上高は109.9%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,195店=100.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.9%と前年同月を上回った。売上高は110.8%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数14、店舗数5,037店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.8%と前年同月を上回った。売上高は111.0%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数22、店舗数3,248店=97.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.5%と増加。売上高は113.0%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,365店=99.4%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は99.2%とほぼ前年並み。売上高は105.1%と拡大。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,398店=98.2%)は、客単価は上昇したが、客数は105.8%と増加。売上高は107.1%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,619店(98.9%)。客単価は際立って上昇したが、客数は113.4%と2桁の大幅増。売上高は120.3%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数5,261店=98.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は113.4%と2桁の大幅増。売上高は121.3%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数2,603店=98.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は113.1%と2桁の大幅増。売上高は120.6%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,368店=101.7%)は、客単価は上昇したが、客数は113.9%と2桁の大幅増。売上高は118.3%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,387店=99.1%)は、客単価は上昇したが、客数は114.2%と2桁の大幅増。売上高は118.2%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は1,989店(94.4%)。客単価は際立って上昇したが、客数は137.9%と2桁の大幅増。売上高は149.7%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数424店=97.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は141.6%と2桁の大幅増。売上高は154.1%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,565店=93.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は135.8%と2桁の大幅増。売上高は147.6%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数996店=97.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は117.4%と2桁の大幅増。売上高は124.8%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,900店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は108.8%と増加。売上高は119.0%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数20、店舗数249店=100.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は107.9%と増加。売上高は114.3%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html