日本フードサービス協会(JF)は2022年6月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数230、店舗数37,099店=99.8%)合計の売上高は119.9%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は111.3%と2桁の大幅増。
全体では売上高2割増の結果。とくに居酒屋、パブ・ビアホールパブ、ディナーレストランなど、コロナ禍期間を通じて苦戦を強いられてきた業種・業態の客数、売上高が好調に見える形の数字を示している。ファストフードは麺類ファストフードが牽引役となっているが、和風ファストフード、洋風ファストフード、その他ファストフードも好調。一方、持ち帰り米飯/回転寿司ファストフードは客数が前年同月を割り込んだ。
JFによる概況は以下のとおり。
6月は、昨年とは違い大都市圏でも「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」の適用が無く、外食産業の売上前年比は、前月同様大幅に伸び、全体売上は119.9%となった。夜遅い時間帯の集客は依然として弱いものの、「昼の時間帯」、「家族客」、「土日休日」を中心に客足の好調が継続した。外食店舗は徐々に営業時間をコロナ前に戻すなど、コロナと共存して社会経済活動を維持しようという動きが見られ、売上はコロナ前の19年比で93.1%にまで戻ったが、パブ・居酒屋業態では19年比58.3%と依然苦戦が続いている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年6月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=230) | (N=37,099) | 119.9% | 99.8% | 111.3% | 107.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=58) | (N=21,337) | 108.0% | 99.9% | 105.4% | 102.5% |
洋風 | (N=20) | (N=6,236) | 108.1% | 100.5% | 107.5% | 100.6% | |
和風 | (N=15) | (N=5,115) | 109.5% | 100.2% | 102.8% | 106.5% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,206) | 115.6% | 99.2% | 109.3% | 105.8% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=19) | (N=4,369) | 100.8% | 99.9% | 98.5% | 102.3% | |
その他 | (N=9) | (N=2,411) | 109.3% | 98.3% | 107.4% | 101.8% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,625) | 131.3% | 99.5% | 123.4% | 106.4% |
洋風 | (N=30) | (N=5,280) | 128.1% | 98.5% | 126.2% | 101.5% | |
和風 | (N=34) | (N=2,533) | 134.6% | 98.8% | 116.8% | 115.2% | |
中華 | (N=13) | (N=1,372) | 119.1% | 102.1% | 115.9% | 102.8% | |
焼肉 | (N=18) | (N=1,440) | 154.6% | 102.3% | 142.4% | 108.5% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=35) | (N=2,017) | 335.9% | 97.4% | 256.8% | 130.8% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=332) | 376.5% | 98.5% | 246.7% | 152.6% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,685) | 321.6% | 97.2% | 260.5% | 123.4% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=1,009) | 171.5% | 108.7% | 147.4% | 116.3% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,856) | 122.9% | 98.0% | 114.6% | 107.3% | |
その他(計) | (N=19) | (N=255) | 134.6% | 101.2% | 121.7% | 110.5% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は58、店舗数は21,337店(99.9%)。客単価は上昇したが、客数は105.4%と増加。売上高は108.0%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,236店=100.5%)は、客単価は前年並みだが、客数は107.5%と増加。売上高は108.1%と拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,115店=100.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.8%と前年同月を上回った。売上高は109.5%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,206店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は109.3%と増加。売上高は115.6%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数19、店舗数4,369店=99.9%)は、客単価は上昇し、客数は98.5%と前年同月を下回った。売上高は100.8%と前年同月をクリア。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,411店=98.3%)は、客単価は上昇したが、客数は107.4%と増加。売上高は109.3%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,625店(99.5%)。客単価は際立って上昇したが、客数は123.4%と2桁の大幅増。売上高は131.3%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数5,280店=98.5%)は、客単価は上昇したが、客数は126.2%と2桁の大幅増。売上高は128.1%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数2,533店=98.8%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は116.8%と2桁の大幅増。売上高は134.6%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,372店=102.1%)は、客単価は上昇したが、客数は115.9%と2桁の大幅増。売上高は119.1%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,440店=102.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は142.4%と2桁の大幅増。売上高は154.6%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は35、店舗数は2,017店(97.4%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は256.8%と2桁の大幅増。売上高は335.9%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数332店=98.5%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は246.7%と2桁の大幅増。売上高は376.5%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,685店=97.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は260.5%と2桁の大幅増。売上高は321.6%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数1,009店=108.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は147.4%と2桁の大幅増。売上高は171.5%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,856店=98.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は114.6%と2桁の大幅増。売上高は122.9%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数255店=101.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は121.7%と2桁の大幅増。売上高は134.6%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html