日本フードサービス協会(JF)は2022年5月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数237、店舗数36,985店=99.5%)合計の売上高は120.4%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は112.5%と2桁の大幅増。
すべての業種・業態の売上高が前年同月を上回り、全体では2割増となった。客数は持ち帰り米飯/回転寿司がわずかに前年同月を下回るなど、コロナ禍中も強さを見せたファストフード系で伸びの鈍さが見られたが、全体に大きく回復している。コロナ縛りがほぼない状態のゴールデンウィークの利用がとくに大きかったと見られる。なお、店舗数が減っている業種・業態が目立つ。
JFによる概況は以下のとおり。
5月の全体売上は120.4%と前年を大幅に上回った。昨年は大都市圏での緊急事態宣言により、酒類提供店や商業施設等への休業要請があったが、今年はGWが3年ぶりに行動制限のない大型連休となり、家族客を中心に客足が回復した。しかしながら飲酒業態などを中心に夜間の客足の戻りは鈍く、さらに業界の人手不足が売上回復の足かせになって、特に「パブ・居酒屋」はいまも苦戦が続いている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年5月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=237) | (N=36,985) | 120.4% | 99.5% | 112.5% | 107.0% | |
ファストフード | 合計 | (N=61) | (N=21,456) | 105.7% | 99.9% | 104.8% | 100.8% |
洋風 | (N=20) | (N=6,228) | 101.8% | 100.4% | 104.4% | 97.5% | |
和風 | (N=16) | (N=5,128) | 107.9% | 100.2% | 101.5% | 106.2% | |
麺類 | (N=21) | (N=3,299) | 122.9% | 98.8% | 115.8% | 106.1% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,391) | 102.0% | 100.3% | 99.1% | 102.9% | |
その他 | (N=10) | (N=2,410) | 108.9% | 98.6% | 110.6% | 98.5% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=69) | (N=10,379) | 136.7% | 99.3% | 127.7% | 107.0% |
洋風 | (N=32) | (N=4,968) | 129.1% | 97.9% | 124.5% | 103.6% | |
和風 | (N=35) | (N=2,543) | 146.7% | 99.5% | 135.8% | 108.0% | |
中華 | (N=14) | (N=1,376) | 127.0% | 102.7% | 122.7% | 103.6% | |
焼肉 | (N=20) | (N=1,492) | 159.6% | 100.5% | 146.0% | 109.3% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=36) | (N=2,048) | 468.9% | 96.8% | 351.6% | 133.4% |
パブ・ビアホール | (N=12) | (N=433) | 576.6% | 100.2% | 440.3% | 130.9% | |
居酒屋 | (N=29) | (N=1,615) | 428.4% | 96.0% | 312.0% | 137.3% | |
ディナーレストラン(計) | (N=27) | (N=959) | 200.1% | 100.9% | 203.1% | 98.6% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=1,901) | 131.4% | 98.0% | 121.3% | 108.3% | |
その他(計) | (N=19) | (N=242) | 149.5% | 104.8% | 149.9% | 99.7% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は61、店舗数は21,456店(99.9%)。客単価は前年並みだが、客数は104.8%と前年同月を上回った。売上高は105.7%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,228店=100.4%)は、客単価は下降し、客数は104.4%と前年同月を上回った。売上高は101.8%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数16、店舗数5,128店=100.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は107.9%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数21、店舗数3,299店=98.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は115.8%と2桁の大幅増。売上高は122.9%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,391店=100.3%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.1%とほぼ前年並み。売上高は102.0%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数10、店舗数2,410店=98.6%)は、客単価は下降し、客数は110.6%と2桁の大幅増。売上高は108.9%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は69、店舗数は10,379店(99.3%)。客単価は際立って上昇したが、客数は127.7%と2桁の大幅増。売上高は136.7%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数4,968店=97.9%)は、客単価は上昇したが、客数は124.5%と2桁の大幅増。売上高は129.1%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数35、店舗数2,543店=99.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は135.8%と2桁の大幅増。売上高は146.7%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,376店=102.7%)は、客単価は上昇したが、客数は122.7%と2桁の大幅増。売上高は127.0%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数20、店舗数1,492店=100.5%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は146.0%と2桁の大幅増。売上高は159.6%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は36、店舗数は2,048店(96.8%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は351.6%と2桁の大幅増。売上高は468.9%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数12、店舗数433店=100.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は440.3%と2桁の大幅増。売上高は576.6%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数29、店舗数1,615店=96.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は312.0%と2桁の大幅増。売上高は428.4%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数27、店舗数959店=100.9%)は、客単価は下降し、客数は203.1%と2桁の大幅増。売上高は200.1%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数1,901店=98.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は121.3%と2桁の大幅増。売上高は131.4%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数242店=104.8%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は149.9%と2桁の大幅増。売上高は149.5%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html