日本フードサービス協会(JF)は2022年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数228、店舗数36,735店=99.1%)合計の売上高は113.5%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は106.5%と増加。
すべての業種・業態で売上高が前年同月を上回った。客数は持ち帰り米飯/回転寿司を除くすべての業種・業態で前年同月を上回った。客数増の幅がとくに大きいのはパブ・ビアホールパブ(207.8%)、居酒屋(170.8%)、ディナーレストラン(136.3%)、焼肉ファミリーレストラン(128.1%)、和風ファミリーレストラン(124.3%)など。客単価もテイクアウト有無問わずすべての業種・業態で上昇している。
JFによる概況は以下のとおり。
4月の外食需要は、3月22日以降全国でまん延防止等重点措置(以下、重点措置)が解除されたことから、首都圏など一部地域では感染再拡大防止のための自治体の協力依頼があったものの、おおむね回復基調となり、全体売上高は113.5%、コロナ禍前の19年比では91.9%となった。春休みや土・日曜日、祝祭日を中心に、家族連れが外食需要を牽引し、商業施設立地の店舗などが好調であった。一方、コロナ下での生活習慣の変化により、制限緩和後も夜間の客足は依然として早く途絶え、夜の外食需要は戻っていない。また、営業回復に必須の人員確保も大きな課題で、一部店舗では人手不足から売上の回復が遅れている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2022年4月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=228) | (N=36,735) | 113.5% | 99.1% | 106.5% | 106.6% | |
ファストフード | 合計 | (N=57) | (N=21,292) | 108.4% | 99.6% | 103.7% | 104.5% |
洋風 | (N=19) | (N=6,194) | 110.7% | 100.6% | 105.1% | 105.3% | |
和風 | (N=15) | (N=5,116) | 107.9% | 100.1% | 102.3% | 105.4% | |
麺類 | (N=22) | (N=3,277) | 109.8% | 98.2% | 107.4% | 102.2% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,297) | 102.8% | 100.0% | 97.9% | 105.0% | |
その他 | (N=9) | (N=2,408) | 105.1% | 97.6% | 104.0% | 101.1% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=66) | (N=10,458) | 117.5% | 99.2% | 111.9% | 105.0% |
洋風 | (N=30) | (N=4,975) | 112.5% | 97.7% | 110.5% | 101.8% | |
和風 | (N=33) | (N=2,527) | 124.3% | 99.0% | 112.7% | 110.3% | |
中華 | (N=14) | (N=1,482) | 114.3% | 103.5% | 112.2% | 101.9% | |
焼肉 | (N=20) | (N=1,474) | 128.1% | 100.6% | 122.3% | 104.8% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=36) | (N=1,847) | 181.9% | 94.1% | 161.0% | 113.0% |
パブ・ビアホール | (N=12) | (N=436) | 207.8% | 97.8% | 182.0% | 114.2% | |
居酒屋 | (N=28) | (N=1,411) | 170.8% | 93.0% | 149.9% | 113.9% | |
ディナーレストラン(計) | (N=28) | (N=995) | 136.3% | 98.6% | 125.9% | 108.2% | |
喫茶(計) | (N=22) | (N=1,897) | 113.0% | 97.9% | 106.8% | 105.8% | |
その他(計) | (N=19) | (N=246) | 122.8% | 100.8% | 114.9% | 106.8% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は57、店舗数は21,292店(99.6%)。客単価は上昇したが、客数は103.7%と前年同月を上回った。売上高は108.4%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数19、店舗数6,194店=100.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.1%と増加。売上高は110.7%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,116店=100.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.3%と前年同月を上回った。売上高は107.9%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数22、店舗数3,277店=98.2%)は、客単価は上昇したが、客数は107.4%と増加。売上高は109.8%と拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,297店=100.0%)は、客単価は際立って上昇し、客数は97.9%と前年同月を下回った。売上高は102.8%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,408店=97.6%)は、客単価は上昇したが、客数は104.0%と前年同月を上回った。売上高は105.1%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は66、店舗数は10,458店(99.2%)。客単価は際立って上昇したが、客数は111.9%と2桁の大幅増。売上高は117.5%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数4,975店=97.7%)は、客単価は上昇したが、客数は110.5%と2桁の大幅増。売上高は112.5%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数33、店舗数2,527店=99.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は112.7%と2桁の大幅増。売上高は124.3%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,482店=103.5%)は、客単価は上昇したが、客数は112.2%と2桁の大幅増。売上高は114.3%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数20、店舗数1,474店=100.6%)は、客単価は上昇したが、客数は122.3%と2桁の大幅増。売上高は128.1%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は36、店舗数は1,847店(94.1%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は161.0%と2桁の大幅増。売上高は181.9%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数12、店舗数436店=97.8%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は182.0%と2桁の大幅増。売上高は207.8%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数28、店舗数1,411店=93.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は149.9%と2桁の大幅増。売上高は170.8%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数28、店舗数995店=98.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は125.9%と2桁の大幅増。売上高は136.3%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数22、店舗数1,897店=97.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.8%と増加。売上高は113.0%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数246店=100.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は114.9%と2桁の大幅増。売上高は122.8%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html