日本フードサービス協会(JF)は2021年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数225、店舗数36,679店=97.2%)合計の売上高は99.5%と未達ながら前年同月並み。客単価は上昇し、客数は98.4%と前年同月を下回った。
洋風ファストフードは客数が伸び、客単価も上昇して前年同月の2桁増。持ち帰り米飯/回転寿司も同5.9%増となった。他はいずれも客数が前年同月に達せず、パブ/居酒屋、ディナーレストラン、ファミリーレストラン、喫茶カテゴリーではいずれの業態も売上高が前年同月を下回った。
JFによる概況は以下のとおり。
9月末には全国的に「緊急事態宣言」および「まん延防止措置」の解除、10月下旬には首都圏1都3県や大阪府の時短営業要請の解除があり、好調が続くFF洋風の牽引で全体売上はほぼ前年並みの99.5%、コロナ禍前の一昨年比では93.9%にまで回復したが、パブ・居酒屋業態は酒類提供が再開されてもなお苦戦が続き、前年比で69.2%、一昨年比で46.5%であった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年10月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=225) | (N=36,679) | 99.5% | 97.2% | 98.4% | 101.1% | |
ファストフード | 合計 | (N=56) | (N=21,302) | 105.4% | 98.7% | 101.5% | 103.8% |
洋風 | (N=20) | (N=6,293) | 111.8% | 99.3% | 105.3% | 106.1% | |
和風 | (N=16) | (N=5,129) | 98.1% | 99.2% | 99.0% | 99.1% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,192) | 95.5% | 97.7% | 95.1% | 100.4% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=16) | (N=4,302) | 105.9% | 98.6% | 103.1% | 102.8% | |
その他 | (N=9) | (N=2,386) | 102.5% | 97.4% | 98.1% | 104.4% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=62) | (N=10,154) | 93.5% | 95.7% | 92.7% | 100.9% |
洋風 | (N=27) | (N=5,005) | 92.9% | 93.0% | 92.5% | 100.4% | |
和風 | (N=31) | (N=2,518) | 88.7% | 96.4% | 89.0% | 99.7% | |
中華 | (N=15) | (N=1,165) | 99.9% | 100.8% | 97.2% | 102.8% | |
焼肉 | (N=19) | (N=1,466) | 96.7% | 100.8% | 95.3% | 101.5% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=38) | (N=2,110) | 69.2% | 90.2% | 68.7% | 100.8% |
パブ・ビアホール | (N=11) | (N=534) | 77.2% | 90.4% | 76.2% | 101.3% | |
居酒屋 | (N=31) | (N=1,576) | 64.9% | 90.2% | 64.0% | 101.5% | |
ディナーレストラン(計) | (N=30) | (N=1,090) | 89.9% | 98.5% | 90.0% | 99.9% | |
喫茶(計) | (N=20) | (N=1,783) | 96.5% | 96.5% | 94.6% | 102.1% | |
その他(計) | (N=19) | (N=240) | 102.0% | 97.6% | 98.0% | 104.1% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は56、店舗数は21,302店(98.7%)。客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は105.4%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,293店=99.3%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.3%と増加。売上高は111.8%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数16、店舗数5,129店=99.2%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は99.0%と前年同月を下回った。売上高は98.1%と前年同月を下回った。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,192店=97.7%)は、客単価は前年並みながら、客数は95.1%と前年同月を下回った。売上高は95.5%と前年同月を下回った。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数16、店舗数4,302店=98.6%)は、客単価は上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は105.9%と拡大。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,386店=97.4%)は、客単価は上昇し、客数は98.1%と前年同月を下回った。売上高は102.5%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は62、店舗数は10,154店(95.7%)。客単価は前年並みながら、客数は92.7%と減少。売上高は93.5%と縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数27、店舗数5,005店=93.0%)は、客単価は前年並みながら、客数は92.5%と減少。売上高は92.9%と縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,518店=96.4%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は89.0%と2桁の大幅減。売上高は88.7%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数15、店舗数1,165店=100.8%)は、客単価は上昇し、客数は97.2%と前年同月を下回った。売上高は99.9%と未達ながら前年同月並み。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数19、店舗数1,466店=100.8%)は、客単価は上昇し、客数は95.3%と前年同月を下回った。売上高は96.7%と前年同月を下回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は38、店舗数は2,110店(90.2%)。客単価は前年並みながら、客数は68.7%と2桁の大幅減。売上高は69.2%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数11、店舗数534店=90.4%)は、客単価は上昇し、客数は76.2%と2桁の大幅減。売上高は77.2%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数31、店舗数1,576店=90.2%)は、客単価は上昇し、客数は64.0%と2桁の大幅減。売上高は64.9%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数30、店舗数1,090店=98.5%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は90.0%と2桁の大幅減。売上高は89.9%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数20、店舗数1,783店=96.5%)は、客単価は上昇し、客数は94.6%と減少。売上高は96.5%と前年同月を下回った。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数240店=97.6%)は、客単価は上昇し、客数は98.0%と前年同月を下回った。売上高は102.0%と前年同月を上回った。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html