日本フードサービス協会(JF)は2021年6月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数211、店舗数36,772店=96.2%)合計の売上高は100.1%と前年同月をクリア。客単価は下降し、客数は103.1%と前年同月を上回った。
全体の売上高の前々年比は77.4%となっている。
売上高が前年同月を上回ったのは、麺類ファストフード、洋風ファストフード、喫茶、和風ファストフード、持ち帰り米飯/回転寿司。このうち洋風ファストフードは全前年比も109.0%と好調だった。
パブ・ビアホールパブは37.1%、居酒屋は42.4%と非常に厳しい結果。他のファストフードおよびファミリーレストランの売上高は前年同月の9割前後で推移したが、ディナーレストランは85.1%、焼肉ファミリーレストランは72.5%と他業態よりも低めとなった。
JFによる概況は以下のとおり。
10都府県に発令されていた緊急事態宣言は、沖縄を除き6月20日に解除されたが、首都圏や近畿圏などは引き続きまん延防止措置の対象地域となり、酒類提供や営業時間の制限が続いた。とくに夜の営業を柱としていたパブ・居酒屋業態は、コロナ以降、壊滅的打撃が延々と続いている。6月の全体売上は対前年比100.1%だが、コロナ前の2019年比では77.4%に留まっている。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2021年6月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=211) | (N=36,772) | 100.1% | 96.2% | 103.1% | 97.1% | |
ファストフード | 合計 | (N=56) | (N=21,545) | 109.1% | 98.6% | 107.7% | 101.3% |
洋風 | (N=20) | (N=6,369) | 113.6% | 99.9% | 112.4% | 101.0% | |
和風 | (N=15) | (N=5,097) | 104.1% | 99.0% | 101.1% | 103.0% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,240) | 116.5% | 96.3% | 120.4% | 96.7% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=16) | (N=4,317) | 102.9% | 98.2% | 100.3% | 102.7% | |
その他 | (N=7) | (N=2,522) | 99.3% | 98.1% | 97.1% | 102.2% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=60) | (N=10,145) | 88.4% | 94.3% | 90.7% | 97.5% |
洋風 | (N=26) | (N=5,000) | 93.9% | 92.2% | 92.7% | 101.2% | |
和風 | (N=31) | (N=2,588) | 87.3% | 94.1% | 89.0% | 98.0% | |
中華 | (N=14) | (N=1,148) | 92.0% | 99.7% | 92.1% | 99.9% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,409) | 72.5% | 98.1% | 77.4% | 93.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=31) | (N=2,108) | 41.3% | 86.1% | 51.1% | 80.8% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=354) | 37.1% | 90.1% | 40.0% | 92.7% | |
居酒屋 | (N=25) | (N=1,754) | 42.4% | 85.3% | 54.9% | 77.2% | |
ディナーレストラン(計) | (N=29) | (N=1,002) | 85.1% | 88.5% | 92.1% | 92.4% | |
喫茶(計) | (N=19) | (N=1,809) | 111.2% | 96.8% | 108.7% | 102.3% | |
その他(計) | (N=16) | (N=163) | 91.7% | 95.9% | 109.3% | 83.9% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は56、店舗数は21,545店(98.6%)。客単価は上昇したが、客数は107.7%と増加。売上高は109.1%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数20、店舗数6,369店=99.9%)は、客単価は上昇したが、客数は112.4%と2桁の大幅増。売上高は113.6%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,097店=99.0%)は、客単価は上昇したが、客数は101.1%と前年同月を上回った。売上高は104.1%と前年同月を上回った。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,240店=96.3%)は、客単価は下降し、客数は120.4%と2桁の大幅増。売上高は116.5%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数16、店舗数4,317店=98.2%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.3%と前年並み。売上高は102.9%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,522店=98.1%)は、客単価は上昇し、客数は97.1%と前年同月を下回った。売上高は99.3%と未達ながら前年同月並み。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は60、店舗数は10,145店(94.3%)。客単価は下降したが、客数は90.7%と減少。売上高は88.4%と2桁の縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数26、店舗数5,000店=92.2%)は、客単価は上昇し、客数は92.7%と減少。売上高は93.9%と縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,588店=94.1%)は、客単価は下降したが、客数は89.0%と2桁の大幅減。売上高は87.3%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,148店=99.7%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は92.1%と減少。売上高は92.0%と縮小。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,409店=98.1%)は、客単価は際立って下降したが、客数は77.4%と2桁の大幅減。売上高は72.5%と2桁の縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は31、店舗数は2,108店(86.1%)。客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は51.1%と2桁の大幅減。売上高は41.3%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数354店=90.1%)は、客単価は際立って下降したが、客数は40.0%と2桁の大幅減。売上高は37.1%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数25、店舗数1,754店=85.3%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は54.9%と2桁の大幅減。売上高は42.4%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数29、店舗数1,002店=88.5%)は、客単価は際立って下降したが、客数は92.1%と減少。売上高は85.1%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数19、店舗数1,809店=96.8%)は、客単価は上昇したが、客数は108.7%と増加。売上高は111.2%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数16、店舗数163店=95.9%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降し、客数は109.3%と増加。売上高は91.7%と縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html