全業態客数減。洋FFS売上増

日本フードサービス協会(JF)は2021年1月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数222、店舗数37,475店=96.0%)合計の売上高は79.0%と2桁の縮小。客単価は上昇し、客数は78.2%と2桁の大幅減。

 すべての業態で客数減。売上高も洋風ファストフードをのぞくすべての業態で減少となった。パブ・ビアホール(売上高対前年同月比21.0%)、居酒屋(同26.5%)、ディナーレストラン(同45.5%)は売上高が前年同月5割に達しなかった。

 客単価の上昇がなかったのは、居酒屋(客単価前年同月比74.7%)、ディナーレストラン(同91.6%)、パブ・ビアホール(同92.0%)、その他(同93.4%)、焼肉ファミリーレストラン(同96.1%)、和風ファミリーレストラン(同99.1%)で、テイクアウト/デリバリーの少なさが売上減にリンクする形となっている。

 洋風ファストフードは客単価が前年同月比2割上昇し、売上高は同1割増だった。

 JFによる概況は以下のとおり。

1月は、新型コロナ感染拡大に伴う2度目の「緊急事態宣言」が発令され、東京・大阪など11都府県では、店内飲食の営業時間が20時までとなった。宣言直後から店内飲食の客足が激減、一部では休業する店舗も見られ、外食全体の売上は前年同月比79.0%と、12月から更に落ち込んだ。しかも業態間の格差は広がり、特に宣言対象地域では、酒類提供が19時までに制限されたことで、飲酒業態は営業にならず、「パブ・居酒屋」は売上前年比25.1%と激減した。

外食産業市場動向調査2021年1月度全店データ
事業社数 店舗数 売上高(前年比) 店舗数(前年比) 客数(前年比) 客単価(前年比)
全体 (N=222) (N=37,475) 79.0% 96.0% 78.2% 101.1%
ファストフード 合計 (N=56) (N=21,693) 98.6% 98.4% 88.2% 111.7%
洋風 (N=18) (N=6,417) 112.2% 98.9% 93.9% 119.5%
和風 (N=17) (N=5,117) 92.5% 99.4% 87.9% 105.3%
麺類 (N=20) (N=3,320) 76.0% 97.8% 75.1% 101.3%
持ち帰り米飯/回転寿司 (N=15) (N=4,217) 95.4% 97.5% 92.0% 103.7%
その他 (N=12) (N=2,622) 85.5% 97.7% 79.1% 108.1%
ファミリーレストラン 合計 (N=63) (N=10,096) 65.4% 93.9% 63.3% 103.3%
洋風 (N=27) (N=5,002) 61.7% 91.4% 59.6% 103.6%
和風 (N=32) (N=2,474) 61.3% 93.9% 61.9% 99.1%
中華 (N=16) (N=1,154) 84.7% 101.1% 77.1% 110.0%
焼肉 (N=18) (N=1,466) 68.0% 97.7% 70.8% 96.1%
パブ/居酒屋 合計 (N=38) (N=2,484) 25.1% 87.1% 31.7% 79.2%
パブ・ビアホール (N=10) (N=441) 21.0% 88.7% 22.8% 92.0%
居酒屋 (N=31) (N=2,043) 26.5% 86.8% 35.5% 74.7%
ディナーレストラン(計) (N=30) (N=998) 45.5% 91.4% 49.7% 91.6%
喫茶(計) (N=17) (N=1,962) 62.6% 96.2% 61.7% 101.5%
その他(計) (N=18) (N=242) 60.2% 94.2% 64.5% 93.4%

凡例:10%以上のプラス5%以上のプラス前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)5%以上のマイナス10%以上のマイナス

※前年同月比は税抜比較で行っている。

※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。

ファストフード

ファストフード全体の事業社数は56、店舗数は21,693店(98.4%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は88.2%と2桁の大幅減。売上高は98.6%と前年同月を下回った。

洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,417店=98.9%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は93.9%と減少。売上高は112.2%と2桁の拡大。

和風ファストフード(事業社数17、店舗数5,117店=99.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は87.9%と2桁の大幅減。売上高は92.5%と縮小。

麺類ファストフード(事業社数20、店舗数3,320店=97.8%)は、客単価は上昇し、客数は75.1%と2桁の大幅減。売上高は76.0%と2桁の縮小。

持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数15、店舗数4,217店=97.5%)は、客単価は上昇し、客数は92.0%と減少。売上高は95.4%と前年同月を下回った。

その他ファストフード(事業社数12、店舗数2,622店=97.7%)は、客単価は際立って上昇し、客数は79.1%と2桁の大幅減。売上高は85.5%と2桁の縮小。

ファミリーレストラン

ファミリーレストラン全体の事業社数は63、店舗数は10,096店(93.9%)。客単価は上昇し、客数は63.3%と2桁の大幅減。売上高は65.4%と2桁の縮小。

洋風ファミリーレストラン(事業社数27、店舗数5,002店=91.4%)は、客単価は上昇し、客数は59.6%と2桁の大幅減。売上高は61.7%と2桁の縮小。

和風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数2,474店=93.9%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は61.9%と2桁の大幅減。売上高は61.3%と2桁の縮小。

中華ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,154店=101.1%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は77.1%と2桁の大幅減。売上高は84.7%と2桁の縮小。

焼肉ファミリーレストラン(事業社数18、店舗数1,466店=97.7%)は、客単価は下降したが、客数は70.8%と2桁の大幅減。売上高は68.0%と2桁の縮小。

パブ・居酒屋

パブ/居酒屋全体の事業社数は38、店舗数は2,484店(87.1%)。客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は31.7%と2桁の大幅減。売上高は25.1%と2桁の縮小。

パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数441店=88.7%)は、客単価は際立って下降したが、客数は22.8%と2桁の大幅減。売上高は21.0%と2桁の縮小。

居酒屋(事業社数31、店舗数2,043店=86.8%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は35.5%と2桁の大幅減。売上高は26.5%と2桁の縮小。

ディナーレストラン

ディナーレストラン全体(事業社数30、店舗数998店=91.4%)は、客単価は際立って下降したが、客数は49.7%と2桁の大幅減。売上高は45.5%と2桁の縮小。

喫茶

喫茶全体(事業社数17、店舗数1,962店=96.2%)は、客単価は上昇し、客数は61.7%と2桁の大幅減。売上高は62.6%と2桁の縮小。

その他の業態

その他全体(事業社数18、店舗数242店=94.2%)は、客単価は際立って下降したが、客数は64.5%と2桁の大幅減。売上高は60.2%と2桁の縮小。

●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html