日本フードサービス協会(JF)は2020年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数221、店舗数37,939店=97.5%)合計の売上高は94.3%と縮小。客単価は上昇し、客数は90.0%と2桁の大幅減。
売上高が前年同月をクリアしたのは、洋風ファストフード(109.1%)、焼肉ファミリーレストラン(108.7%)、和風ファストフード(101.4%)。全体的には前月同様の傾向の中で、焼肉ファミリーレストランが浮上した形となっている。
当月において客数が前年同月を上回ったのは焼肉ファミリーレストラン(108.8%)のみ。
焼肉ファミリーレストランとパブ/居酒屋を除くほとんどの業種・業態で客単価が前年同月より上昇している。とくに洋風ファストフードは客単価が114.0%と大幅に上昇し、客数を減らしながら売上高は前年同月を大きく上回った。
JFによる概況は以下のとおり。
10月は、コロナの新規感染者数が比較的落ち着き、自粛緩和ムードも出始め、飲食消費回復への支援策等を背景に外食全体の売上は、前年比94.3%となったが、全体平均を上回ったのは麺類を除くFF業態とFR業態の中華・焼肉だけ。特にオンライン予約によるGoto支援策は、事業者が予約サイトに支払う登録料および予約客一人当たり手数料などを差し引いた数値がでるまで、キャッシュフローが好転したか否かの判断は現段階ではできない。
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=221) | (N=37,939) | 94.3% | 97.5% | 90.0% | 104.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=61) | (N=22,003) | 101.8% | 99.2% | 94.0% | 108.3% |
洋風 | (N=22) | (N=6,393) | 109.1% | 99.7% | 95.7% | 114.0% | |
和風 | (N=18) | (N=5,189) | 101.4% | 100.3% | 95.6% | 106.1% | |
麺類 | (N=21) | (N=3,388) | 90.9% | 99.1% | 87.1% | 104.4% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,388) | 95.9% | 97.7% | 94.9% | 101.1% | |
その他 | (N=12) | (N=2,645) | 95.3% | 98.7% | 91.5% | 104.1% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=57) | (N=10,153) | 91.3% | 97.0% | 86.6% | 105.4% |
洋風 | (N=25) | (N=5,323) | 85.3% | 95.9% | 83.5% | 102.2% | |
和風 | (N=30) | (N=2,217) | 90.1% | 95.6% | 85.0% | 105.9% | |
中華 | (N=14) | (N=1,152) | 99.7% | 102.3% | 93.5% | 106.7% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,461) | 108.7% | 98.8% | 108.8% | 99.9% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=38) | (N=2,419) | 63.7% | 88.4% | 64.8% | 98.3% |
パブ・ビアホール | (N=9) | (N=319) | 53.6% | 94.9% | 55.2% | 97.1% | |
居酒屋 | (N=32) | (N=2,100) | 66.2% | 87.5% | 68.1% | 97.2% | |
ディナーレストラン(計) | (N=31) | (N=1,159) | 79.6% | 92.6% | 77.0% | 103.4% | |
喫茶(計) | (N=18) | (N=2,014) | 79.0% | 97.6% | 74.7% | 105.7% | |
その他(計) | (N=16) | (N=191) | 85.2% | 95.0% | 86.6% | 98.4% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は61、店舗数は22,003店(99.2%)。客単価は際立って上昇し、客数は94.0%と減少。売上高は101.8%と前年同月を上回った。
洋風ファストフード(事業社数22、店舗数6,393店=99.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は95.7%と前年同月を下回った。売上高は109.1%と拡大。
和風ファストフード(事業社数18、店舗数5,189店=100.3%)は、客単価は際立って上昇し、客数は95.6%と前年同月を下回った。売上高は101.4%と前年同月を上回った。
麺類ファストフード(事業社数21、店舗数3,388店=99.1%)は、客単価は上昇し、客数は87.1%と2桁の大幅減。売上高は90.9%と縮小。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,388店=97.7%)は、客単価は上昇し、客数は94.9%と減少。売上高は95.9%と前年同月を下回った。
その他ファストフード(事業社数12、店舗数2,645店=98.7%)は、客単価は上昇し、客数は91.5%と減少。売上高は95.3%と前年同月を下回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は57、店舗数は10,153店(97.0%)。客単価は際立って上昇し、客数は86.6%と2桁の大幅減。売上高は91.3%と縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数25、店舗数5,323店=95.9%)は、客単価は上昇し、客数は83.5%と2桁の大幅減。売上高は85.3%と2桁の縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数2,217店=95.6%)は、客単価は際立って上昇し、客数は85.0%と2桁の大幅減。売上高は90.1%と縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数14、店舗数1,152店=102.3%)は、客単価は際立って上昇し、客数は93.5%と減少。売上高は99.7%と未達ながら前年同月並み。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,461店=98.8%)は、客単価はやや低めの前年並みだが、客数は108.8%と増加。売上高は108.7%と拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は38、店舗数は2,419店(88.4%)。客単価は下降したが、客数は64.8%と2桁の大幅減。売上高は63.7%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数319店=94.9%)は、客単価は下降したが、客数は55.2%と2桁の大幅減。売上高は53.6%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数32、店舗数2,100店=87.5%)は、客単価は下降したが、客数は68.1%と2桁の大幅減。売上高は66.2%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数31、店舗数1,159店=92.6%)は、客単価は上昇し、客数は77.0%と2桁の大幅減。売上高は79.6%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数18、店舗数2,014店=97.6%)は、客単価は際立って上昇し、客数は74.7%と2桁の大幅減。売上高は79.0%と2桁の縮小。
その他の業態
その他全体(事業社数16、店舗数191店=95.0%)は、客単価は下降したが、客数は86.6%と2桁の大幅減。売上高は85.2%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html