日本フードサービス協会(JF)は2020年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数191、店舗数37,982店=98.9%)合計の売上高は60.4%、客数は59.9%という深刻な結果。客単価は業態によって上昇と下降に分かれた。
すべての業態で客数が前年同月を大きく下回り、洋風ファストフードを除くすべての業態で売上高が前年同月を大きく割り込んだ。
最も厳しい結果はパブ/居酒屋のグループで、パブ・ビアホールは前年同月比4.1%、居酒屋は同9.7%。また、ディナーレストラン同16.0%、喫茶同27.6%という深刻な数字が並ぶ。
ファストフード、中華ファミリーレストラン、その他では客単価の大幅な上昇が見られ、テイクアウト等店外利用が増加した様子が見られる。
JFでは「4月は、新型コロナウイルスの影響を前月以上に大きく受け、深刻な事態となった。7都府県を対象に発令された7日の「緊急事態宣言」が16日には全国へと拡大され、外食店舗は全国的に営業時間の短縮を要請された(概ね営業時間は朝5時から夜8時まで、酒類の提供は夜7時まで)。このため休業する店舗も増え、また営業を続ける店舗でも、外出自粛の中での時短営業により客数が大幅に減少、4月の外食全体の売上は前年比60.4%と、当調査開始以来最大の下げ幅となった」としている。
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=191) | (N=37,982) | 60.4% | 98.9% | 59.9% | 100.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=50) | (N=21,821) | 84.4% | 98.8% | 73.4% | 115.0% |
洋風 | (N=15) | (N=6,381) | 102.8% | 99.5% | 78.3% | 131.3% | |
和風 | (N=17) | (N=5,232) | 84.2% | 101.0% | 84.5% | 99.7% | |
麺類 | (N=18) | (N=3,304) | 45.4% | 99.8% | 43.3% | 105.0% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=14) | (N=4,339) | 78.4% | 94.4% | 77.7% | 100.9% | |
その他 | (N=7) | (N=2,565) | 68.7% | 99.0% | 60.5% | 113.6% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=54) | (N=10,376) | 40.9% | 99.7% | 40.7% | 100.6% |
洋風 | (N=22) | (N=5,334) | 40.8% | 98.9% | 39.0% | 104.6% | |
和風 | (N=27) | (N=2,474) | 35.1% | 98.1% | 37.1% | 94.6% | |
中華 | (N=12) | (N=1,136) | 62.5% | 103.7% | 56.5% | 110.6% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,432) | 30.9% | 102.7% | 32.3% | 95.6% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=32) | (N=2,476) | 8.6% | 95.7% | 10.5% | 82.2% |
パブ・ビアホール | (N=9) | (N=347) | 4.1% | 99.1% | 4.1% | 100.6% | |
居酒屋 | (N=26) | (N=2,129) | 9.7% | 95.2% | 12.6% | 76.8% | |
ディナーレストラン(計) | (N=26) | (N=1,114) | 16.0% | 98.8% | 17.1% | 93.7% | |
喫茶(計) | (N=14) | (N=2,004) | 27.6% | 98.7% | 33.0% | 83.6% | |
その他(計) | (N=15) | (N=191) | 49.8% | 109.1% | 41.8% | 119.1% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は50、店舗数は21,821店(98.8%)。客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は73.4%と2桁の大幅減。売上高は84.4%と2桁の縮小。
洋風ファストフード(事業社数15、店舗数6,381店=99.5%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は78.3%と2桁の大幅減。売上高は102.8%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数17、店舗数5,232店=101.0%)は、客単価はやや低めの前年並みながら、客数は84.5%と2桁の大幅減。売上高は84.2%と2桁の縮小。
麺類ファストフード(事業社数18、店舗数3,304店=99.8%)は、客単価は際立って上昇し、客数は43.3%と2桁の大幅減。売上高は45.4%と2桁の縮小。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数14、店舗数4,339店=94.4%)は、客単価は前年並みながら、客数は77.7%と2桁の大幅減。売上高は78.4%と2桁の縮小。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,565店=99.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は60.5%と2桁の大幅減。売上高は68.7%と2桁の縮小。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は54、店舗数は10,376店(99.7%)。客単価は前年並みながら、客数は40.7%と2桁の大幅減。売上高は40.9%と2桁の縮小。
洋風ファミリーレストラン(事業社数22、店舗数5,334店=98.9%)は、客単価は上昇し、客数は39.0%と2桁の大幅減。売上高は40.8%と2桁の縮小。
和風ファミリーレストラン(事業社数27、店舗数2,474店=98.1%)は、客単価は際立って下降したが、客数は37.1%と2桁の大幅減。売上高は35.1%と2桁の縮小。
中華ファミリーレストラン(事業社数12、店舗数1,136店=103.7%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は56.5%と2桁の大幅減。売上高は62.5%と2桁の縮小。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,432店=102.7%)は、客単価は下降したが、客数は32.3%と2桁の大幅減。売上高は30.9%と2桁の縮小。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は32、店舗数は2,476店(95.7%)。客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は10.5%と2桁の大幅減。売上高は8.6%と2桁の縮小。
パブ・ビアホール(事業社数9、店舗数347店=99.1%)は、客単価は前年並みながら、客数は4.1%と2桁の大幅減。売上高は4.1%と2桁の縮小。
居酒屋(事業社数26、店舗数2,129店=95.2%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は12.6%と2桁の大幅減。売上高は9.7%と2桁の縮小。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数26、店舗数1,114店=98.8%)は、客単価は際立って下降したが、客数は17.1%と2桁の大幅減。売上高は16.0%と2桁の縮小。
喫茶
喫茶全体(事業社数14、店舗数2,004店=98.7%)は、客単価は2桁ダウンと大幅に下降したが、客数は33.0%と2桁の大幅減。売上高は27.6%と2桁の縮小。
その他の業態
その他全体(事業社数15、店舗数191店=109.1%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は41.8%と2桁の大幅減。売上高は49.8%と2桁の縮小。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html