「すき家」データ算入開始か

日本フードサービス協会(JF)は2017年8月外食産業市場動向調査を発表した。

全体の合計は、客単価がやや上昇したが、客数はやや増。売上高も3.5%増。店舗数は前年並みとなった。

N数が前月と比べて全体で事業所数8増、店舗数2,327増と大幅に増えていること、とりわけ和風ファストフードで事業所数3増、店舗数2,110増と大幅に増えていることに注意を要する。

※参考:ゼンショーホールディングスが2017年4月にJFに加盟しており、編集部では同社のデータが何月度から算入されるかを注視してきた。JFは「個別の企業のことについては答えない」としている。なお、ゼンショーホールディングスの総店舗数は4,881店(2017年3月)、「すき家」の店舗数は1,954店(2017年8月)。

外食産業市場動向調査のN数の変化(2017年7月→8月)

事業社数店舗数
7月8月増減7月8月増減
全体186194833,87936,2062,327
ファストフード合計5053317,54619,5612,015
洋風141406,3066,259-47
和風121532,8104,9202,110
麺類222313,5013,451-50
持ち帰り米飯/回転寿司161602,2732,2741
その他8912,6562,6571
ファミリーレストラン合計505339,5569,672116
洋風192234,8794,91637
和風273032,0782,14769
中華101221,2371,2436
焼き肉171701,3621,3664
パブ・居酒屋合計333412,4592,579120
パブ・ビアホール89133235725
居酒屋282802,1272,22295
ディナーレストラン2827-11,0261,025-1
喫茶121532,1042,19995
その他1312-11,1881,170-18

焼き肉ファミリーレストラン、洋風ファストフード、ディナーレストラン、麺類ファストフード、その他ファストフードはそれぞれ客単価を前年同月並みに維持しながら客数を伸ばして好調だった。とくに焼き肉ファミリーレストランとディナーレストランの客数の伸びが注目される。

JFでは「8月は、東京で21日間連続降雨を記録するなど、東日本・北日本は日照時間が少なく低温の日が続き客足に影響したものの、各社のキャンペーン等の集客努力もあり、リオ・オリンピックの開催で外食需要が低調だった昨年と比べると客足は上回り、全体売上は103.5%と12カ月連続で前年を上回った」としている。

居酒屋は前月に続いて客数、売上高ともに前年同月割れとなった。

事業所数(n=194)、店舗数(n=36,206)
全体 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 103.5% 100.4% 101.8% 101.7%

ファストフード

ファストフードの合計は、客単価がやや上昇したが、客数はやや増。売上高も4.9%増。店舗数は前年並みとなった。

洋風は、客単価が3.1%上昇したが、客数は4.8%増。売上高も8.0%増と非常に好調。店舗数は減少傾向ながら前年並みとなった。

和風は、客単価がやや上昇したが、客数は前年並み。売上高もやや増。店舗数は前年並みとなった。

麺類は、客単価がやや上昇したが、客数は3.1%増。売上高も5.1%増と非常に好調。店舗数は3.0%増となった。

持ち帰り米飯/回転寿司は、客単価がやや上昇して、客数は3.1%減。売上高も減少傾向ながら前年並み。店舗数はやや減少した。

その他は、客単価がやや上昇したが、客数は4.3%増。売上高も5.5%増と非常に好調。店舗数はやや増加した。

事業所数(n=53)、店舗数(n=19,561)
ファストフード 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 104.9% 100.5% 102.5% 102.3%
洋風 108.0% 99.4% 104.8% 103.1%
和風 101.4% 100.8% 100.3% 101.0%
麺類 105.1% 103.0% 103.1% 102.0%
持ち帰り米飯/回転寿司 99.7% 98.5% 96.9% 102.8%
その他 105.5% 101.4% 104.3% 101.1%

ファミリーレストラン

ファミリーレストランの合計は、客単価がやや上昇したが、客数は前年並み。売上高もやや増。店舗数は前年並みとなった。

洋風は、客単価がやや上昇したが、客数は前年並み。売上高もやや増。店舗数はやや増加した。

和風は、客単価が前年並みに推移して、客数はやや減。売上高もやや減。店舗数は減少傾向ながら前年並みとなった。

中華は、客単価がやや上昇したが、客数はやや増。売上高も3.0%増。店舗数はやや増加した。

焼き肉は、客単価が前年並みに推移したが、客数は8.4%増と好調。売上高も9.1%増と非常に好調。店舗数はやや増加した。

事業所数(n=53)、店舗数(n=9,672)
ファミリーレストラン 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 102.1% 100.9% 100.5% 101.6%
洋風 101.5% 101.0% 100.3% 101.2%
和風 98.9% 99.8% 98.6% 100.3%
中華 103.0% 101.1% 101.4% 101.6%
焼き肉 109.1% 102.6% 108.4% 100.6%

パブ・居酒屋

パブ・ビアホールは、客単価が3.0%下降して、客数は4.2%増。売上高もやや増。店舗数はやや増加した。

居酒屋は、客単価が前年並みに推移して、客数はやや減。売上高もやや減。店舗数は4.8%減少した。

事業所数(n=34)、店舗数(n=2,579)
パブ・居酒屋 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 99.2% 96.1% 99.9% 99.3%
パブ・ビアホール 101.0% 102.0% 104.2% 97.0%
居酒屋 98.7% 95.2% 98.4% 100.3%

ディナーレストラン

ディナーレストランの合計は、客単価が前年並みに推移したが、客数は5.7%増と好調。売上高も6.2%増と非常に好調。店舗数はやや増加した。

事業所数(n=27)、店舗数(n=1,025)
ディナーレストラン 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 106.2% 101.3% 105.7% 100.4%

喫茶

喫茶の合計は、客単価がやや上昇したが、客数は前年並み。売上高もやや増。店舗数はやや増加した。

事業所数(n=15)、店舗数(n=2,199)
喫茶 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 102.2% 101.3% 100.6% 101.6%

その他

事業所数(n=12)、店舗数(n=1,170)
その他 売上高 店舗数 客数 客単価
合計 103.0% 101.7% 99.8% 103.2%

●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html