日本フードサービス協会(JF)は2012年3月外食産業市場動向調査を発表した。これによると、3月の外食市場は客数・売上高とも2桁増。低迷していた焼き肉と持ち帰り米飯/回転寿司も同様の数字。不便・自粛ムードのない中、需要は好調で、東日本大震災直後の昨年の数字との対比で大きく伸びる結果となった。
全体
【全体】事業所数(n=227)、店舗数(n=33333)
売上高113.1%、店舗数101.6%、客数110.7%、客単価102.2%
全体では客数、売上高とも2桁増。客単価は前年並み。
3月は全国的に雨天が多かったが、気温はやや高め。東日本大震災のあった昨年の不便や自粛ムードがない中、卒業式や異動にともなう宴会などの季節要因は好調。また、昨年同月より休日が1日多かったといった暦上の好条件もあって良好な数字が上がった。これらが、大きく落ち込んだ昨年同月の数字との対比で“大幅増”の結果となっている。
業種・業態別
【ファストフード】事業所数(n=65)、店舗数(n=17783)
売上高110.1%、店舗数102.6%、客数109.8%、客単価100.3%
全体では客数が1割近い増、客単価は前年並みで、売上高は2桁増となった。
とくに好調なのは依然麺類で、客数17.1%増、売上高19.0%増。
持ち帰り米飯/回転寿司は客数、売上高とも2桁増となったが、これは前年の東日本大震災後の休業や時間短縮によって落ち込んだ数字の反動と見られる。
●洋風
売上高107.8%、店舗数100.7%、客数108.5%、客単価99.4%
●和風
売上高105.8%、店舗数105.1%、客数106.1%、客単価99.8%
●麺類
売上高119.0%、店舗数109.1%、客数117.1%、客単価101.6%
●持ち帰り米飯/回転寿司
売上高116.9%、店舗数97.8%、客数115.5%、客単価101.2%
●その他
売上高108.8%、店舗数103.8%、客数108.4%、客単価100.3%
【ファミリーレストラン】事業所数(n=65)、店舗数(n=9979)
売上高113.2%、店舗数100.4%、客数111.4%、客単価101.6%
全ジャンルで客数が2桁増、客単価は前年並みを維持し、全体の売上高は13.2%増となった。
とくに不調が続いていた焼き肉の客数が10.0%増、売上高が12.8%増となったことが注目される。ただし、日本フードサービス協会では、「販促キャンペーン等により好調を取り戻した店舗がある一方、低迷から抜けきれない店舗では販促の模索を続けている」と、店舗によるばらつきがあることを指摘している。
●洋風
売上高112.4%、店舗数100.3%、客数111.4%、客単価101.0%
●和風
売上高114.4%、店舗数99.6%、客数111.8%、客単価102.4%
●中華
売上高114.7%、店舗数105.1%、客数111.4%、客単価103.0%
●焼き肉
売上高112.8%、店舗数97.8%、客数110.9%、客単価101.7%
【パブ/居酒屋】事業所数(n=34)、店舗数(n=2868)
売上高123.6%、店舗数99.9%、客数120.0%、客単価103.0%
全体では客数、売上高とも2割増となった。宴会需要を手堅くつかんだ。
とくにパブ・ビアホールは客数36.2%増、売上高47.9%と好調。前月まで前年割れだった居酒屋も客数17.5%増、売上高21.0%増となった。
●パブ・ビアホール
売上高147.9%、店舗数100.7%、客数136.2%、客単価108.6%
●居酒屋
売上高121.0%、店舗数99.8%、客数117.5%、客単価102.9%
【ディナーレストラン】事業所数(n=31)、店舗数(n=454)
売上高132.3%、店舗数98.5%、客数125.5%、客単価105.4%
客数25.5%増、売上高32.3%増と好調に推移した。宴会需要を手堅くつかんだ。
【喫茶】事業所数(n=17)、店舗数(n=1915)
売上高111.6%、店舗数101.1%、客数109.4%、客単価102.0%
客数9.4%増、売上高11.6%増と好調に推移した。
【その他】事業所数(n=15)、店舗数(n=334)
売上高126.2%、店舗数104.7%、客数126.5%、客単価99.7%
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/