ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年12月度調査結果では、外食市場規模は2,815億円(前年同月比+566億円)で、7カ月ぶり前年超えとなった。2019年比では69.7%だった。
外食実施率、外食単価ともに伸びる
2021年12月の外食市場規模は、3圏域合計で2,815億円。前年同月比(以下、前年比)は+566億円。市場規模は7カ月ぶりに前年比プラスとなったが、コロナ禍前の2019年12月比では69.7%と、前月(2019年比70.4%)よりマイナス幅がわずかながら拡大した。
外食実施率の上昇(前年比+8.1pt)により、延べ外食回数が前年比112.6%、加えて外食単価が前年比+295円と伸び、外食市場規模の前年超えにつながった。市場規模の前年比は125.2%で、3圏域とも120%以上の伸び率となっている。
市場規模の業態中分類別で見ると、食事主体業態・計(前年比122.7%、2019年比79.1%)、飲酒主体業態・計(同140.1%、同56.5%)、軽食主体業態・計(同92.5%、62.7%)となっており、前月と比べると、どの中分類でも前年比では改善傾向だが、飲酒主体業態・計と軽食主体業態・計は2019年比ではマイナス幅が横ばいかやや拡大している。
忘年会や年末年始の帰省の中止を各都道府県知事が訴えていた昨年に比べると、感染状況がとくに12月前半までは落ち着いていたためか、飲酒主体業態・計の前年比の伸び率の大きさが目立っている。
2021年12月の外食実施率は63.9%
前月比増減+1.1pt、前年比増減+8.1pt。
2021年12月の外食頻度は3.71回/月
前月比増減+0.10回、前年比増減−0.04回。
2021年12月の外食単価は2,931円
前月比増減+327円、前年比増減+295円。
2021年12月の外食市場規模は2815億円
前月比増減+426億円、前年比増減+566億円。
「居酒屋」を含む12業態の市場規模が前年比プラス
主要16業態では「居酒屋」「和食」等12業態の市場規模が前年比プラスを記録した。とくに「居酒屋」(前年比増減+173億円)、「和食料理店」(同+125億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同+71億円)等の前年比プラスが目立っている。また、延べ外食回数でも「居酒屋」(前年比増減+336万回)が前年実績を大きく超えた他、「和食」(同+210万回)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同+122万回)、「フレンチ・イタリアン料理店」(同+120万回)等、13業態で延べ外食回数が増加した。
さらに、外食単価では「居酒屋」(前年比増減+402円)、「和食」(同+368円)等、11業態で前年比プラスとなっている。市場規模を2019年同月比で見ると、11月は「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「カラオケボックス」の2つの業態でコロナ禍前の実績を超えていたが、12月は「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」での87.8%が最高となっている。飲酒主体業態・計の中心である「居酒屋」では、市場規模の前年比が146.8%、2019年同月比が58.1%となっている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」
前年比±0の業態
「カラオケボックス」
前年比マイナス業態
「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。