ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年9月度調査結果では、外食市場規模は1,395億円で、前年同月比−706億円(60.8%)。4カ月連続で前年割れの結果だが、2019年比ではマイナス幅が減少した。
首都圏・関西圏でマイナス幅縮むも東海圏は大きく
2021年8月の外食市場規模は、3圏域合計で1,350億円。前年同月比(以下、前年比)は−870億円。市場規模は4カ月連続で前年比マイナスを記録した。コロナ禍以前の2019年9月比では42.6%と、8月(2019年比40.1%)よりはマイナス幅がわずかながら減少した。
9月は後半にかけて新型コロナウイルスの新規感染者数が減少し、緊急事態宣言の解除が決まったが、3圏域では雨の日が多く、台風の影響もあったと思われ、市場回復への影響は限定的だったと考えられる。
食事主体業態・計(前年比71.2%、2019年比53.7%)、飲酒主体業態・計(同28.0%、17.0%)、軽食主体業態・計(同88.9%、56.3%)いずれも市場規模の前年比がマイナスで、とくに飲酒主体業態では2019年同月比のマイナス幅が大きい。
圏域別では、2019年同月比で首都圏:41.9%、関西圏44.0%、東海圏42.9%と、前月に引き続き首都圏のマイナス幅が最も大きくなっているが、前月と比べると首都圏(2019年比35.8%)・関西圏(同43.7%)については市場規模のマイナス幅が減少した一方、東海圏では8月の2019年比(54.4%)より市場規模のマイナスが増加した。
9月の外食実施率は46.5%
前月比増減−1.2pt、前年比増減−13.9pt。
2021年9月の外食頻度は3.23回/月
前月比増減−0.17回、前年比増減−0.40回。
2021年9月の外食単価は2,222円
前月比増減+97円、前年比増減−258円。
2021年9月の外食市場規模は1350億円
前月比増減−45億円、前年比増減−870億円。
「ファストフード」の前年比がプラスに転じる
主要16業態では「ファストフード」の前年比が108.1%と唯一、市場規模の前年比がプラスに転じた。延べ外食回数で前年比プラスの業態はなかったが、外食単価では「アジアン料理店」(前年比+218円)、「ファストフード」(同+189円)、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」(同+184円)等の6業態で前年比プラスとなっている。
市場規模を2019年同月比で見ると、「ファストフード」の77.2%が最高で、次いで「ファミリーレストラン、回転すし等」の59.2%、「中華料理店」の57.6%がトップ3となっている。前述のとおり飲酒主体業態・計は市場規模の前年同月比が28.0%(8月:34.2%)、2019年比が17.0%(8月:16.4%)で、その中心を成す「居酒屋」では、市場規模の前年比が27.5%、2019年同月比が15.9%と、引き続き大きな影響が続いている。
前年比プラス業態
「ファストフード」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。