ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年8月度調査結果では、2021年8月の外食市場規模は、3圏域合計で1,395億円。前年同月比は66.4%、2019年8月比では40.1%だった。
新規感染者増加。雨、冷夏も影響か
2021年8月の外食市場規模は、3圏域合計で1,395億円。前年同月比(以下、前年比)は−706億円。市場規模は3カ月連続で前年比マイナスを記録した。コロナ禍以前の2019年8月比では40.1%と7月(2019年比48.1%)からマイナス幅が8.0pt拡大した。
8月は新型コロナウイルスの新規感染者が過去最大水準で推移し、自宅療養者の入院待機が増大した時期。東京都で8月の待機中の死亡数がこれまでの半数を占めるなど、人々の危機感が強まったうえ、全国的に雨の日が多く、冷夏であったことも要因として考えられる。
食事主体業態・計(前年比74.5%、2019年比49.5%)、飲酒主体業態・計(同34.2%、16.4%)ともに、市場規模の前年比・2019年比のマイナス幅が増加し、とくに飲酒機会の減少は市場規模全体のマイナスにつながったと考えられる。
圏域別では、2019年同月比で首都圏:35.8%、関西圏43.7%、東海圏54.4%と、前月に引き続き首都圏のマイナス幅が最も大きくなっている。
2021年8月の外食実施率は47.7%
前月比増減−5.5pt、前年比増減−9.8pt。
2021年8月の外食頻度は3.40回/月
前月比増減−0.02回、前年比増減−0.33回。
2021年8月の外食単価は2,125円
前月比増減−146円、前年比増減−279円。
2021年8月の外食市場規模は1395億円
前月比増減−277億円、前年比増減−706億円)
主要16業態いずれもマイナス。2019年比も前月より悪化
主要16業態すべてで市場規模が前年比マイナス。延べ外食回数で前年比プラスの業態はないが、外食単価では「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」の4業態で前年比プラスとなった。
2019年同月比で見ると、主要16業態の数値は軒並み前月より悪化していて「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」の63.6%が最高で、コロナ禍前の水準に戻った業態はまだない。前述のとおり食事主体業態・計が前年比74.5%(2019年同月比:49.5%)、飲酒主体業態・計が同34.2%(同:16.4%)。また、軽食主体業態・計は同90.3%(同:50.4%)と相対的に影響が少なくなっている。引き続き飲酒主体業態にはとくに大きな影響が出ており、「居酒屋」では、前年比29.4%、2019年同月比14.6%と市場規模が2年前の約85%減という厳しさだ。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。