ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年6月度調査結果では、2021年6月の外食市場規模は1,345億円で、前年同月比−528億円(71.8%)となった。
実施率・頻度・単価ともマイナス
2021年6月の外食市場規模は、3圏域合計で1,345億円。前年同月比(以下、前年比)は−528億円。6月の外食市場は前月比では+123億円と増加したが、前年度が1回目の緊急事態宣言が明け、市場が一時回復傾向に向かった月であったことから、市場規模の前年比は71.8%で3カ月ぶりに再び前年比マイナスを記録した。新型コロナウイルスの影響がなかった2019年6月比では40.3%と5月(2019年比37.7%)よりは2.6pt改善している。
6月はエリア・時期により酒類の提供自粛が要請されていたが、食事主体業態・計(前年比81.3%、2019年比49.0%)に比べ、飲酒主体業態・計(同40.8%、同21.0%)では、前月に引き続きより厳しい経営環境となっている。
外食実施率・頻度・単価は、外食実施率は2019年同月比で65.1%、外食頻度は同76.2%、外食単価は同82.5%と3指標ともにマイナスとなっており、外食を控える人が多いことの影響が最も市場規模の縮小に影響を与えていることがわかる。
圏域別では、2019年同月比で首都圏:40.3%、関西圏36.8%、東海圏46.3%と、関西圏のマイナス幅が最も大きくなっている。
2021年6月の外食実施率は49.3%
前月比増減+3.4pt、前年比増減−4.5pt。
2021年6月の外食頻度は3.18回/月
前月比増減−0.23回、前年比増減−0.14回。
2021年6月の外食単価は2,117円
前月比増減+189円、前年比増減−457円。
2021年6月の外食市場規模は1345億円
前月比増減+123億円、前年比増減−528億円。
居酒屋の市場規模は2019年同月の5分の1
主要16業態では「ファストフード」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」以外の14業態で市場規模が前年比マイナスとなった。2019年同月比で見ると、主要16業態中では「ファミリーレストラン、回転すし等」の63.6%が最高で、コロナ禍前の水準に戻った業態はまだない。
前述のとおり食事主体業態・計が前年比81.3%(2019年同月比:49.0%)、飲酒主体業態・計が同40.8%(同:21.0%)。また、軽食主体業態・計は同92.6%(同:56.2%)と相対的に影響が少なくなっている。前月に引き続き飲酒主体業態にとくに大きな影響が出ており、「居酒屋」では、前年比40.6%、2019年同月比20.6%と市場規模が2年前の約5分の1となってしまった。
主要16業態中で前年比の延べ外食回数がプラスだったのは、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「ファストフード」「ファミリーレストラン、回転すし等」の3業態。また、単価については、主要16業態中14業態で前年比マイナスで、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」の2業態のみ前年同月比プラスとなっている。
前年比プラス業態
「ファストフード」
前年比±0の業態
「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。