ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年5月度調査結果では、外食市場規模は1,222億円で、前年同月比+397億円(148.2%)となった。
外食市場規模は前年比148.2%・2019年同月比37.7%
2021年5月の外食市場規模は、3圏域合計で1,222億円。前年同月比(以下、前年比)は+397億円。5月の外食市場は今年度・前年度ともに緊急事態宣言の影響を受けているが、市場規模の前年比は148.2%で約1.5倍増。ただし、コロナ禍の影響がなかった2019年5月比では37.7%と前月の2021年4月(2019年比47.0%)より後退している。
今回の緊急事態宣言では、前年度との違いとしては、エリアにより酒類の提供自粛が要請されている。そのこともあって、食事主体業態・計(前年比164.5%、2019年比47.7%)に比べ、飲酒主体業態・計(同75.1%、同14.3%)では、より厳しい経営環境となっている。
外食実施率・頻度・単価の3指標では、外食実施率は前年比がプラスだが前月比はマイナス、外食頻度は前年比・前月比ともプラス、外食単価では前年比・前月比ともにマイナスとなっている。単価のマイナスには飲酒機会減少による影響もあると考えられる。
圏域別では、2019年比で首都圏:37.5%、関西圏34.0%、東海圏46.9%と、関西圏のマイナス幅が最も大きくなっている。
2021年5月の外食実施率は45.9%
前月比増減−5.5pt、前年比増減+14.5pt。
2021年5月の外食頻度は3.41回/月
前月比増減+0.05回、前年比増減+0.33回。
2021年5月の外食単価は1,928円
前月比増減−378円、前年比増減−160円。
2021年5月の外食市場規模は1,222億円
前月比増減−388億円、前年比増減+397億円。
飲酒主体業態・計の2019年比は14.3%
主要16業態では飲酒主体の4業態以外の12業態で市場規模が前年比プラスとなった。ただし、2019年同月比で見ると、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」の62.8%が最高で、コロナ禍前の水準に戻った業態はまだない。
食事主体業態・計が前年比164.5%(2019年同月比:47.7%)、飲酒主体業態・計が同75.1%(同:14.3%)、軽食主体業態・計が同153.4%(同:50.3%)と、飲酒主体業態にとくに大きな影響が出ている。
主要16業態中で前年比の延べ外食回数がマイナスだったのは、「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」の3業態。エリアにより酒類提供自粛が直撃したと考えられる。
また、単価については、主要15業態中12業態で前年比マイナスだった。「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」が前年比−2,139円、「カラオケボックス」が同−814円、「アジアン料理店」が同−562円、等で大きく下落しており、飲酒主体業態以外にも酒類提供自粛の単価への影響が及んでいると思われる。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
「カラオケボックス」
前年比マイナス業態
「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。