ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2021年4月度調査結果では、2021年4月の外食市場規模は1,610億円。前年同月比で倍増の数字だが、2019年4月比では半減となっている。
市場規模は前年同月比+838億円/前月比▲178億円
2021年4月の外食市場規模は、3圏域合計で1,610億円。前年同月比(以下、前年比)は+838億円。
地域により再び緊急事態宣言が発出され、しかも酒類の提供自粛に踏み込んだ内容だったため、飲酒業態においては休業を選択する飲食店もあった。しかし、前年4月は第1回目の緊急事態宣言期間中にあたり、飲酒業態に限らず多くの飲食店が休業していた時期だったこともあり、市場規模の前年比は208.5%と結果的には倍増している。ただ、コロナ禍の影響がまだなかった2年前の2019年4月比では47.0%で、3月(同48.7%)からは1.7pt悪化した。
外食実施率・頻度・単価の3指標とも前年比では回復したが、前月比では外食実施率と単価において前月の水準を下回り、市場規模も前月比では178億円減となっている。
圏域別の市場規模も2019年比で見ると、首都圏で48.4%、関西圏で39.4%、東海圏で57.6%と大きなマイナスを記録している。地域間の差については、新型コロナウイルスの感染拡大第4波が深刻だった関西圏を中心に2019年比のマイナス幅が大きくなった。
2021年4月の外食実施率は51.4%
前月比増減−4.7pt、前年比増減+22.6pt。
2021年4月の外食頻度は3.36回/月
前月比増減+0.05回、前年比増減+0.18回。
2021年4月の外食単価は2,306円
前月比増減−54円、前年比増減+236円。
2021年4月の外食市場規模は1610億円
前月比増減−178億円、前年比増減+838億円。
各業態ともコロナ禍前の水準には戻らず
業態別では、「和食料理店」(前年比増減+144億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(同+134億円)、「居酒屋」(同+131億円)等主要16業態すべてで前年を上回った。ただし、2019年同月比で見ると、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」の68.6%が最高で、コロナ禍前の水準に戻った業態はまだない。
食事主体業態・計が前年比210.4%(2019年同月比:54.6%)、飲酒主体業態・計が同199.6%(同:32.1%)、軽食主体業態・計が同153.4%(同:58.4%)と、飲酒主体業態に大きな影響が出ている。
主要16業態中で前年比で延べ外食回数がマイナスだったのは、「牛丼、カレー等一品もの専売業態」が99.6%。また、単価がマイナスだったのは、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」が前年比−1834円、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」が同−1429円、「ファミリーレストラン、回転すし等」が同−499円と大きく下落している他、「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」も同−7円となっている。
前年比プラス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
なし
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、株式会社リクルート(東京都千代田区、北村吉弘社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。