ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査※の2020年12月度調査結果では、外食市場規模は前年比55.7%で、前月(前年比73.8%)からは18.1ポイント後退となった。
外食実施率と外食頻度が大きく下落
2020年12月の外食市場規模は、3圏域合計で2,249億円。前年同月比(以下、前年比)は−1790億円で、前月11月(前年比−889億円)に比べ、マイナス幅が拡大した。前年比は55.7%で、11月の同73.8%から大幅に18.1ポイント後退した。外食実施率(55.8%、前月64.6%)、頻度(3.75回/月、前月3.80回/月)、単価(2,636円、前月2,502円)の主要3指標は、2カ月連続で3圏域とも前年比マイナスとなった。
単価については、毎年高くなる12月ということで前月比では上昇したが、都市部を中心とした新型コロナウイルスの「感染拡大第3波」に伴い、外食実施率と外食頻度は前月と比べると大きく下落し、外食市場規模のマイナス幅拡大の要因となった。
圏域別では、首都圏の市場規模前年比は55.0%(前月:69.2%)、関西圏は同56.6%(前月:83.2%)、東海圏は同57.4%(前月:77.4%)と、首都圏で最も低迷しているものの、前月からの率の下げ幅では「感染拡大第3波」が深刻化した関西圏・東海圏での後退が目立った。
12月と言えば、忘年会最盛期で飲食業にとっては最繁忙期だが、市場規模が11月の実績にも届かないという大きな影響が出た。
2020年12月の外食実施率は55.8%
前月比増減−8.8pt、前年比増減−21.7pt。
2020年12月の外食頻度は3.75回/月
前月比増減−0.05回、前年比増減−0.52回。
2020年12月の外食単価は2,636円
前月比増減+134円、前年比増減−337円。
2020年12月の外食市場規模は2249億円
前月比増減−255億円、前年比増減−1790億円。
アルコール系中心に再び大きな影響
主要16業態中、売上げが前年水準の9割超確保は3業態
業態別では、「居酒屋」(前年比増減−565億円)、「和食料理店」(同−229億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(同−136億円)等、10カ月連続して主要16業態すべてで市場規模が前年比マイナスであった。食事主体業態・計が前年比64.5%(前月:81.5%)、飲酒主体業態・計が同40.3%(同:58.5%)、軽食主体業態・計が同67.8%(同:74.8%)と、飲酒主体業態を中心に再び大きな影響が出ている。
主要16業態中でマイナス影響が少ないのは「牛丼・カレー等、一品もの専売業態」が前年比78.2%、「ファミリーレストラン、回転すし等」が同77.9%などとなっている。
延べ外食回数が前年を上回った業態はまだなく、一方、単価については前年実績を上回った業態が「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「カラオケボックス」「フレンチ・イタリアン料理店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」の5業態であった。
前年比プラス業態
なし
前年比±0の業態
なし
前年比マイナス業態
「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転すし等」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査
ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9,000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。
この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。